65歳を境に無償の障害福祉サービスから有償の介護保険サービスへの移行を強いられたのは不当として、千葉市の脳性まひ患者、天海(あまがい)正克さん(76)が市の処分取り消しを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(岡正晶裁判長)は17日、介護保険を優先する原則を認める初判断を示した。市の処分を違法として取り消しを命じた二審判決を破棄し、審理を東京高裁に差し戻した。裁判官5人全員一致の意見。
◆障害福祉サービスの継続を望んでいたが…
天海さんは障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスを無償で受けていた。65歳を迎えた際、市は1割の自己負担が生じる介護保険への移行を促した。天海さんは生活への影響などから障害福祉サービスの継続を望み、要介護認定の申請を拒否。市は一切の障害福祉サービスを打ち切った。
第1小法廷は、総合支援法が定める介護保険優先の原則が前提になると判断。その上で、二審東京高裁判決は市の処分の違法性について、要介護認定の有無にかかわらず障害福祉サービスを受けられる事情があったかどうかを検討しないまま判断しており、審理が尽くされていないとして高裁に差し戻した。
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◆「要件に当てはまらない人も」応益負担の廃止求める
天海さんの訴訟の背景には、障害福祉サービスを受けてきた...
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