国会議員狙ったユーチューブ動画 中年男性が染まった「排外主義」
毎日新聞
2025/7/10 10:00(最終更新 7/10 10:00)
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5月19日の夕刻、スーツ姿の40代男性は東京・永田町にいた。普段暮らしている西日本の県からやってきた。
参院議員会館の会議室で、社民党の大椿裕子議員に向き合っていた。
あらかじめ用意していた文書に目を落とし、深々と頭を下げる。
「先日の投稿につきまして、大椿先生並びに、ご不快に感じられた方がいらっしゃったことにつきまして……大変申し訳なく感じております」
もともと接点のない2人。つなぐことになったのは男性が運営していたユーチューブチャンネルだった。
からかうような動画
男性はもともと店のチラシや名刺、ホームページなどのデザイナー。月十数万円の収入では生活が立ちゆかない。そこでインターネット上で副業を始め、6年前からは動画作成に手を出した。
チャンネル名は「うさおニュース」。政治の話題を中心とし、ニュース記事やインターネット上にあふれる情報から、1日に数本を作っていった。
大椿氏の事務所によると、既に削除された動画は、大椿氏や政党の活動をからかうような内容で、中傷やデマも多数含まれていたという。ある動画では大椿氏の顔を白っぽく加工していた。
テロップやナレーションは扇動的だ。「日本国民の利益よりも外国人支援を優先している」「外国籍者の影響力拡大を懸念する声を招いている」。あたかも大椿氏が日本人を排除しているような印象を与える。
動画はさらにたたみかける。社民党に向けては「国民の安全や生活を最優先に考える政策への転換が求められるのではないか」とも投げかけていた。
ゆがんだ考え持つように
「外国人=脅威」。…
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