単なるメモから知的資産へ:Obsidian in Cursorで構築する知的生産システム
はじめに
こんにちは松濤Vimmerです。以前書いた「メモ管理はObsidian in Cursor が最強」を多くの方に読んでいただき沢山の感想をいただきました!
前回の記事からおよそ3ヶ月が経過し自分のObsidian事情もアップデートされたので今回はアップデート版を書かせていただきました。前回よりもボリュームが多くなっています!!
Obsidian in Cursorとは
最近、ObsidianやCursorを使ったメモ管理への関心が高まっています。Obsidian in Cursorとは、Markdownベースのナレッジ管理ツール「Obsidian」とAI搭載コードエディタ「Cursor」を組み合わせた知的生産システムです。Obsidianでメモを管理し、Cursorの強力なAI機能を活用してメモの分析・整理・アウトプット生成を効率化します。
本記事の目的
本記事では、前回の記事「メモ管理はObsidian in Cursor が最強」の内容をさらに深掘りし、知的生産性を高めるための総合的なObsidian活用法について解説します。既存の内容も含まれているため、一部重複する部分がありますがご了承ください🙇♂️
特に以下のような方に役立つ内容となっています:
メモを取るだけで終わらせず、アウトプットにつなげたい方
知識管理の効率化を図りたい方
AIツールを知的活動に活用したい方
本記事で触れないこと
本記事では、ObsidianとCursorを組み合わせたメモ手法に焦点を当てているため、以下の内容については触れません。インストールやセットアップの詳細は、公式サイトや解説記事を参照してください。
Obsidianのインストール、セットアップ方法、詳細
Cursorのインストール、セットアップ方法、詳細
Slidevのインストール、セットアップ方法
ebook2audiobookのインストール、セットアップ方法
https://github.com/DrewThomasson/ebook2audiobook
追記
2025/03/14 1. 私のObsidian in Cursor活用フレームワーク > 知識の構造化 - Zettelkastenアプローチ >管理方法①Zettelkasten の箇所で双方向リンクの解説を追加しました。
適宜修正しますが、誤字脱字やわかりにくい、見にくいなどがあれば @shotovim 宛にXでご連絡ください。
前提知識
今回の内容を理解するために Obsidian 、Cursor、Zettelkastenに対する理解が必要です。特にZettelkastenというメモ管理方法は馴染みのない方が多いと思いますがObsidianと非常に相性がよく知的生産性向上に役立つ手法です。
Obsidianとは
Obsidianは、高機能なMarkdownエディタです。以下のような特徴を持ちます。
独立したMarkdownファイル
ローカル管理:
各ノートは独立したmdファイルとして保存され、テキストエディタで直接編集が可能。
互換性:
Markdown形式は広くサポートされているため、他のツールとの互換性が高く、データの移行が容易です。フロントマターによるメタデータ管理
メタデータの追加:
フロントマター(YAML形式)を使用して、タイトル、タグ、作成日などのメタデータを管理できます。
高度な整理:
メタデータを活用することで、ノートの整理や検索が効率的に行えます。プラグインによる拡張性
豊富なプラグイン:
コミュニティや公式が提供する多数のプラグインがあり、機能を自由に拡張できます。タスク管理、カレンダー連携、グラフビューの強化などが可能です。カスタマイズの容易さ
テーマ:
カスタムテーマを適用することで、エディタの外観を自由に変更できます。
設定の柔軟性:
ユーザーのニーズに合わせて、キーバインドやホットキー、表示設定などを細かく調整できます。双方向リンクとバックリンク
アイデアの関連付け:
ノート間の双方向リンクを作成し、アイデアを関連付けることができます。
バックリンク:
バックリンク機能により、関連するノートを簡単に追跡できます。グラフビュー
視覚的な関連性:
ノート間のリンクを視覚的に表示し、アイデアのネットワークを把握しやすくします。強力な検索機能
高度な検索:
タグ、メタデータ、ファイル名などを使った高度な検索が可能です。
クエリの保存:
検索クエリを保存し、後で再利用できます。同期オプション
同期:
クラウドサービスやGitを使った同期が可能です。
わたしは画像のようにObsidianをカスタマイズして使用しています。
Cursorとは
Cursorは、AI機能を統合した高機能なコードエディタです。主にコーディング目的で使用されますが、CursorのAgent機能を使うことで、複数ファイルの内容を理解し、タグ付けや要約、まとめノートの作成を効率的に行うことができます。
Zettelkastenとは
Zettelkastenは、ドイツの社会学者ニクラス・ルーマンが考案したノート管理の方法論です。個々のアイデアを独立したノートに記録し、それらを相互にリンクさせることで知識のネットワークを構築することができます。PermanentNote、LiteratureNote、FleetingNoteなどの種類があり、階層的に知識を整理することが可能です。
Zettelkastenは強力な知識管理システムです。もちろんデメリットもありますが知的生産性を高める上で是非取り入れていただきたい方法になります。
メリット
知識の体系化と深化:情報を断片的なものではなく、相互に関連付けることで、知識を体系的に整理し、深い理解が可能。
創造性の向上:異なるアイデアを結びつけることで、新しい発想や洞察が生まれやすくなる。
長期的な知識の蓄積:永続的なノートを作成することで、時間が経っても価値のある知識を蓄積できる。
思考の整理と明確化:自分の言葉で情報を整理し、記述する過程で、思考が明確になり、理解が深まる。
デメリット
初期設定の労力:Zettelkastenを始めるには、ノートの作成やリンク付けに時間と労力がかかる。
継続的なメンテナンスが必要:定期的なノートの追加や整理が必要。
デジタルツールへの依存:多くの人がデジタルツールで管理しており、ツールに依存するリスクがある。
習得に時間がかかる:Zettelkastenの概念や手法を理解し、使いこなすまでには時間がかかる。
なぜObsidian in Cursorなのか
メモを取ることは多くの人がやっていると思いますが、メモを取っただけで満足していませんか?多くの人はメモを取るだけで満足してしまいますが、一時的なメモを除いて、多くのメモは「書いただけ」では意味がありません。メモは見返し、アウトプットにつなげることで初めて価値が生まれます。以下ではメモのメリットデメリットに着目しメモで大事なことを振り返ります。
メモを取ることのメリット
思考の整理とアイデアの創出:メモを取ることで、思考を整理し、新たな発想を生み出すきっかけになる
知識の蓄積と共有:技術的なノウハウやトラブルシューティングの記録をメモすることで、個人の知識を蓄積し、共有も可能。
メモを取ることのデメリット
時間と手間:メモを取ることに時間を費やすため、作業効率が低下する可能性があります。
情報過多:詳細なメモを取りすぎると、重要な情報を見落とす可能性があります。
依存と思考停止:メモに頼りすぎると、記憶力や思考力が低下する可能性があります。
メモで大事なこと
簡単に見返すことができること
メモの作成に手間をかけすぎないこと
メモからアウトプットが出せること
これらの課題を解決し、メモの価値を最大化するためには、適切なツールの選択が重要です。
知的生産ツールの選択基準
メモ管理ツールにはさまざまなツールが存在します。今回は特に代表的なObsidian、Notion、NotebookLMの3つを比較します。効果的な知的生産のためには「情報の保存と再利用」、「情報の整理と管理」、「知的生産の向上」の観点からツールを評価する必要があります。
情報の保存と再利用
情報の保存と再利用性に注目して比較してみましょう。ここでの再利用性は保存したデータをもとに新たなアウトプットが生めるかを指します。
Obsidian:
ローカルファイルとして保存される。ローカルファーストなためデバイス間の同期が難しい。Githubを始めとした外部ツールとの連携により、長期的な情報管理に優れている。Web Clipper などのツールを使えば情報の取り込みを簡単に行うことができる。タグやZettelkastenによる管理にも最適で再利用性にも優れている。
Notion:
Notion上に保存される。Notion上にデータが存在するため複数デバイス間の同期が容易。APIを通じた他サービスとの連携が可能だが、エクスポートの自由度は限定的。データベース機能により情報を構造化できるが、深い階層になると再利用性が低下。
NotebookLM:
NotebookLM上に保存される。リンクを貼るだけで簡単にアウトプットを生成できるが、情報がリンクに依存しているため、再利用時に手間がかかる。
情報の整理と管理
情報の整理と管理に注目して比較してみましょう。
Obsidian:リンクとタグによるネットワーク型の管理が特徴。関連情報へのアクセスが容易。またフラットな構造と双方向リンクにより、関連情報へのアクセスが容易。フラットなため視認性が悪い。
Notion:データベースとページの階層構造による管理が特徴。深い階層になると情報が見失われやすい。
NotebookLM:AIによる自動要約と質問応答機能で情報の整理をサポート。複数の情報源を参照する場合、管理が難しい。
知的生産の向上
最後に知的生産の向上に注目して比較してみましょう。
Obsidian:個人の知識管理と深い思考の発展に特化しており、プラグインによる拡張性が高い。
Notion:チーム共有とコラボレーションに優れており、視覚的な情報整理が可能。
NotebookLM:短期的なアウトプット生成や概要把握に便利ですが、長期的な知的生産性には課題。
最適な使い方
Obsidian:個人の深い思考と長期的な知識管理に最適
Notion:チーム共有と視覚的な情報整理に最適
NotebookLM:AI支援による素早い情報理解と要約に最適
Obsidian in Cursorの優位性
これらの比較から見えてくるのは、個人の知的生産性向上という観点では、Obsidianが特に優れているということです。しかし、Obsidianだけでは不十分な部分があります。
ここでCursorの強みが活きてきます:
AIによる情報分析:Cursorの強力なAI機能により、大量のメモから関連情報を抽出し、整理することができます
コンテキスト理解:複数のファイルを横断的に理解し、関連性を見出すことができます
アウトプット支援:メモからスライド、記事、要約などの多様なアウトプットを効率的に生成できます
ObsidianとCursorを組み合わせることで、Obsidianの優れた知識管理機能とCursorのAI支援機能が相互補完的に働き、単体のツールでは実現できない知的生産性の向上が可能になります。
これが、私が「Obsidian in Cursor」を知的生産の中心に据えている理由です。
私のObsidian in Cursor活用フレームワーク
効果的な知的生産システムを構築するには、以下の3つの要素が重要です:
知識の構造化:情報をどのように整理・分類するか
同期と管理:複数デバイス間でどのように情報を共有・管理するか
インプット・アウトプットの流れ:情報の取り込みから発信までのプロセス
上図は私のObsidian in Cursor活用フレームワークの全体像を示しています。このフレームワークは以下の3つの主要プロセスで構成されています:
インプットプロセス(左側):
Web Clipper、Kindle、LINE、Githubなど様々なソースから情報を取り込み、LiteratureNoteやFleetingNoteとして保存します。この段階では情報の質よりも、取り込みの手軽さを重視します。
管理プロセス(中央):
取り込んだ情報はZettelkastenの原則に従って構造化され、Github、S3、Obsidian Mobileを通じて同期・管理されます。タグ付けやリンク作成によって情報間の関連性を強化し、知識のネットワークを構築します。
アウトプットプロセス(右側):
構造化された知識をもとに、Anki(記憶定着)、Slidev(プレゼンテーション)、まとめノート(PermanentNote)、Audiobook(音声コンテンツ)など様々な形式でアウトプットを生成します。このプロセスでCursorのAI機能が特に威力を発揮します。
このフレームワークの強みは、情報の流れが一方通行ではなく循環する点にあります。アウトプットの過程で得た新たな気づきが再びインプットとなり、知識が継続的に深化・拡張していきます。以下、各要素について詳しく説明します。
1. 知識の構造化 - Zettelkastenアプローチ
管理方法①Zettelkasten:
わたしのノート管理構成はZettelkastenのフレームワークをカスタマイズしたものになっています(画像参照)。この構成にすることで先ほどあげたZettelekastenのメリットを享受することができます。そして依存関係をより簡単に把握することができ、メモから出すアウトプットが容易になります。
以下では実際のノートを見せながらどのような管理をしているのかを説明します。
PermanentNote:最上位のノートで、アウトプットの保存用に使用します。LiteratureNoteやFleetingNoteをもとに内容をまとめて作成します。アウトプットを出す時に使用します。フロントマターにリンクを設けることでliteratureNoteとfleetingNote を結びつけています。
LiteratureNote:Web上のコンテンツ、参考資料や文献からの情報をまとめたノートです。LiteratureNoteのほとんどはObsidian Web Clipper でWebから保存した記事になります。最近はリポジトリの内容も含めたりします。フロントマターはWeb Clipper で保存時にほとんどが自動生成されます。permanentNote のリンクだけ手動で行い双方向リンクを設定します。
FleetingNote:一時的な思考やアイデアを記録するノートです。軽く下書きとして書いたり、文の流れを意識せずに書いたりと気軽に使う事が多いです。LINEなどから取るメモもこちらに入れます。こちらもフロントマターでpermanentNoteと結びつけています。
Daily:簡単なメモ。あとでやりたいことなど簡単なTODOを書いています。またMEMO(Thino)の内容を参照できるようにしています。
Memo:ふと思ったことをThinoというプラグインを用いて記録します。扱いとしてはFleetingNoteのさらに一時メモといった感じです。Xと似た感じなので投稿の下書きとして使うこともあります。
IndexNote:目次や索引として機能するノートです。tagべースでIndexNoteを作成します。
管理方法②タグ管理:
メモはZettelkastenに加えてタグで管理することも重要です。タグで管理することでメモへのアクセスが簡単になります。
タグ検索で検索が高速になる(画像タグ検索参照)
メモどうしの関連性が明確化されて把握しやすくなる(画像グラフビュー参照)
タグ管理に関してはタグ管理ルールを定義することが大切です。以下のようなルールで運用しています。
一方でタグ管理は非常に面倒です。そこでわたしは設けたルールをCursorに読み込ませてCursorにタグを自動で生成してもらっています。指示プロンプトは「タグをつけてください」だけで十分です。これで複数のメモに一度にタグをつけることが可能になります。
2. 同期と管理 - 持続可能なシステム構築
管理①Github:
わたしはノートの管理を GitHub で行い、モバイルとデスクトップで同期させています。Obsidian と GitHub の連携には、obsidian-git というプラグイン を使用しています。Obsidian のノートをGithubで管理するメリットデメリットは以下になります。
Github で同期させることのメリット
同期が速い
無料で同期可能(Obsidian Sync などの有料サービスで同期しなくていい)
GHA などのCIツールと連携させて定期実行などが可能になる
Github で同期させることのデメリット
Github に対する一定の知識が必要
サイズが大きいとmobile(スマホ) との同期で失敗する
mobile と desktop でコンフリクトする
個人的にはCIツールとの連携がかなり大きいと思っています。
例えばObsidianでタスク管理をしていて、そのタスクをGoogleカレンダーなどの外部ツールと連携させたいときに有効です。GHAを用いることで定期実行してGoogleカレンダーにタスクを書き込むといった連携させることが可能になります。詳細はObsidian と Google カレンダーを連携してシームレスなタスク管理を実現するで解説しています。
Githubで管理することのデメリットもいくつかありますが、わたしは画像の保存をS3に、スマホからはLINEでメモにすることで(後に紹介する方法)そのデメリットに対応しています(デメリットである Github に対する一定知識については、覚えるしかないです🙇♂️)
管理②S3:
S3 はAWSが提供しているストレージサービスです。
わたしはS3を画像などのサイズが大きいものを管理するために使用しています。
サイズの大きいコンテンツを外部のストレージサービスに保存することで、モバイルでの同期が失敗するなどといった問題へ対応が可能になります。
S3 以外にも外部ツールで管理するためのプラグインはいろいろあるので好みのツールを選べばいいかなと。
(わたしはs3-image-uploader を使用していますが、remotely-save が王道かと思います。またs3 ではなく r2 などのストレージサービスでもありです。)
管理③Obsidian Mobile:
Obsidian はモバイル版も提供されています。Githubで同期させているのでデスクトップで書いたノートをスマホから見るといったことも可能です。
Obsidian Mobile でもノートに対して書き込みが可能ですが先程述べた、コンフリクト問題のためわたしは書き込みを行っていません。閲覧専用として使用しています。
3. インプット・アウトプットの流れ
インプット①LINE:
スマホ からObsidianにメモを書くときに使います。LINEと連携できるプラグインによってLINEで書いたメモをObsidianと同期させることが可能になっています。詳細は以下解説記事を参考にしてください。
スマホからのインプットはLINEからでしか行わないようにしています。
わたしの用途としてはスマホからのメモはテキストベースの単純なものしかないのでこれで十分です。こちらで書いたメモはLINEというフォルダに保存されます。
インプット②Kindle
わたしはKindleで学んだことをハイライトし、そのハイライト部分をObsidianに出力しています。ObsidianとKindleの連携には、Kindle Highlightsを利用しています。記事では得られない多くの知識が本には含まれており、知識を蓄える上で非常に重宝しています。
インプット③Obsidian Web Clipper
Chrome拡張機能のObsidian Web Clipperを使用して、Webページの内容をObsidianに取り込むことができます。
気になった記事や参考にしたいWebコンテンツを簡単に保存できます。
わたしはNotebookLMの出力やuithub でテキスト化したリポジトリ内容を保存することが多いです。(詳細は実践編で。)
アウトプットAnki①:
長期的に覚えたいことは外部ツールのAnkiを用いて記憶します。
Anki は忘却曲線に最適化されたフラッシュカードアプリです。
わたしはObsidianToAnkiプラグインを使用して、Obsidianでデッキを作成し、Ankiと同期させています。Cursorを用いることで、Ankiのデッキ作成を効率化できます。(詳細は実践編で。)
アウトプット②Slidev:
Slidev はマークダウンからスライドが作れるツールです。
ObsidianもSlidevもどちらもマークダウンであるため非常に相性がいいです。
アウトプット③まとめノート:
literatureNote や fleetingNote などのノートからまとめノート(PermanentNote)を作成します。mermaid などでシーケンス図やdrawio で構成図の作成が可能になったのでそれらをうまく活用してまとめノートを作成します。
アウトプット④Googleカレンダー:
先ほどの管理①Githubでも紹介したようにObsidianで作成したタスクをGHAを用いてGoogleカレンダーで同期させています。これによりタスクを見る頻度が増え未完了なタスクを減らすことができました。GHAとの連携が難しい方はGoogle Calendar MCP がおすすめです。自動実行はできないもののGoogleカレンダーとの連携がかなり簡単にできます。
このフレームワークは私の経験から構築したものですが、自分の作業スタイルに合わせてカスタマイズすることをお勧めします。
Obsidian in Cursor実践ガイド
ここからは、具体的なユースケース別に実践例を紹介します。自分の目的に合った方法を選んで試してみてください。
ケース1:技術情報の理解と整理
ここではCursorを使用してメモからまとめノートを作成する方法を紹介します。以下のようなシナリオで活用できます:
Web上でクリップした記事をまとめる
Kindleのハイライトからまとめノートを作成する
日頃メモしている内容をまとめる
リポジトリ内容から実装内容をまとめる
以下では、Githubのリポジトリ内容から技術スタック、環境構築方法、シーケンス図、メインロジックをアウトプットする例を紹介します。
1 リポジトリ内容をテキスト化してObsidianに保存する
uithub を用いてGithub内のリポジトリ内容をテキスト化し、Obsidian Web ClipperでObsidian(LiteratureNote)に保存します。
uithub はGitHub URL の「g」を「u」に置き換えることで、リポジトリ内容をテキスト化できるというものです。
2 Cursorで内容を分析・整理する
Cursorに指示を出し、技術スタックやシーケンス図などの情報を抽出・整理します。
3 整理した内容をPermanentNoteとしてまとめる
まとめた内容を再度LiteratureNoteに出力し、理解を深めた上で、最終的にPermanentNoteとして整理します。
ケース2: 語学学習の効率化
ここではAnki でアウトプットする例を紹介します。
Anki との連携は ObsidianToAnki を使用します。またAnki側でAnkiConnectというアドオンを追加する必要がります。
AnkiConnect の準備
Ankiアプリにて以下アドオン取得ページを開き、「2055492159」をコードに入力してOKをする。
https://ankiweb.net/shared/info/2055492159
1 単語データを準備する
PermanentNoteにまとめた内容や外部ツールから単語を抽出したものでもいいです。わたしはDuolingoを使っているのでDuolingoから単語を取得してObsidian上にペーストします。
2 Ankiフォーマットに変換する。
Cursorを使って、ペーストした単語をAnkiフォーマットに変換します。以下のようなフォーマットを適用します:
START
基本 (裏表反転カード付き)
表面:
韓国語
裏面:
日本語
Tags: 韓国語
END
3 Ankiに同期する。
ObsidianToAnkiプラグインをサイドバーから実行し、フォーマット適用済みの単語にIDを割り当てます。これにより、ObsidianからAnkiへの同期が可能になります。
ケース3: プレゼンテーション資料の作成
ここではSlidev でアウトプットする例を紹介します。
Slidevはマークダウンからスライドを作成できるツールで、Obsidianとの相性が非常に良いです。特にZettelkastenでノートを管理している場合、PermanentNoteは既にまとめられた状態なので、簡単にスライド化できます。
1 Slidev のセットアップをする。
新規フォルダを作成し、以下のコマンドを実行します。≈
npm init slidev@latest
Slidevのセットアップ方法の詳細は公式サイトを参照してください。
2 スライド化したいノートを準備する
Obsidian管理下のフォルダでも作業可能ですが、余計なライブラリが入ることを避けるため、別フォルダに移動することをお勧めします。
3 Cursor で指示してスライドを作成する
Slidevのテーマギャラリーは以下を参考にしてください。今回はテーマはギャラリーからbricks というテーマを用いてスライドを作成してもらうようなプロンプトを作成します。
移動させたノート名.md をもとにslidevに適応したスライド作成のためのslides.md を出力して。テーマは「bricks」を用いて。
4 スライド完成
Bricks テーマで出力されたスライド
Dracula テーマで出力されたスライド
ケース4: 移動時間の有効活用
ここではebook2audiobook でaudiobook 化する例を紹介します。テキストから音声にすることで移動時間の有効活用が可能になります。
こちらの方法はebook2audiobook というツールを使った方法になります。ebook2audiobookは、テキストコンテンツを音声ファイルに変換するツールです。この方法を用いることでクリップした記事やPermanentNote(まとめノート)を音声化することができ耳からもインプットが可能になります。
以下プロンプトテキストです。こちらのプロンプトを実行することで音声形式に変換する上で最適なテキストになります。なおebook2audiobook がmd 非対応のためtxt ファイルに変換する必要があります。
以下のマークダウンファイルの内容を、5分のAudiobook用の音声コンテンツに変換してください。具体的な指示は以下の通りです。
フロントマターの除外:
マークダウンファイルのフロントマター(メタデータやタイトルなど)は除外し、本文のみを使用してください。
時間制約:
コンテンツは5分以内に収まるように要約または編集してください。適切なペースで読み上げられることを考慮し、文字数や内容量を調整してください。
Audiobookに不向きな要素の削除:
マークダウン記号(#, *, -, > など)は削除してください。
リンク([リンクテキスト](URL))は削除し、必要に応じてリンク先の内容を簡潔に説明してください。
画像や図表の説明()は削除してください。
コードブロックやインラインコード(` や )は削除し、必要に応じて内容を平易な言葉で説明してください。
脚注や参考文献は削除してください。
読みやすさの調整:
箇条書きは、自然な文章に変換してください。
専門用語や難解な表現は、一般的な言葉に置き換えてください。
文脈がわかりにくい部分は、適宜補足を加えてください。
音声化に適した形式:
句読点や段落を適切に配置し、ナレーターが自然に読み上げられるようにしてください。
強調が必要な部分は、文脈に応じて調整してください。
出力形式:
最終的な出力は、{参照したマークダウン名}_audiobook.txtとして出力して。
音声化する際に不必要な要素が含まれていないことを確認し、内容が明確で聞き取りやすいことを保証してください。
テキストファイルに変換されたファイルをebook2audiobook 上から音声ファイルに変換します。(わたしの環境ではpython 3.12.6での動作を確認済みです。)
./ebook2audiobook.sh
まとめ
ObsidianとCursorを組み合わせることで、効率的なメモ管理とアウトプットの生成が可能になります。本記事で紹介したフレームワークと実践例を参考に、自分だけの知的生産システムを構築してみてください。
今後の展望
知的生産ツールとAI技術は日々進化しています。基本的なフレームワークを押さえつつ、新しいツールや手法を柔軟に取り入れることで、さらなる生産性向上が期待できます。
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