異常な承認プロセス
評価文書をNIC(国家情報会議)に上げる前に、ブレナン氏、コミー氏、クラッパー氏の3人が準備された草稿を事前にレビューして承認を与えるという異例なプロセスを辿っていたことも明らかになった。
そもそもブレナンCIA長官は、この評価をまとめるCIAの分析官の人選を自ら行った。自分が狙う結論に従ってくれそうな分析官ばかりを意識的に集めた疑いが濃厚なのだ。さらに当時17あったアメリカの情報機関のうち13機関を除外し、ODNI(国家情報局)、CIA、FBI、NSA(国家安全保障局)の4機関のみしか関与させなかった。慣行的には必ず評価に加わるはずのDIA(国防情報局)やIBIR(国務省情報研究局)すら排除していたことも明らかになった。多くの機関が関われば、それだけ異論が出てくる可能性が高まる。これを嫌った処置であることは、容易に想像できるだろう。
こうして見た場合に、不当に疑惑を作り上げることで、2017年に発足したトランプ政権の自由度を大きく引き下げたいと考えていた疑惑が濃厚なのだ。そして実際、トランプ政権は当初の2年間をこの問題で忙殺されることとなった。