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各国で問題を起こすヴェオリア社の歴史

これまでヴェオリア社がどういう企業倫理で行動していたのか、日本のインフラ事業を担うにふさわしいか、これを見て少しでも実態を知って欲しい。


1999–2011年 ベルリン:秘密契約と料金高騰

1999年、ドイツ・ベルリン市は水道事業の一部を民営化し、フランス系水道大手ヴェオリア社と提携。だが、その契約には「秘密条項」が含まれ、市民や議会が内容を知ることができなかった。
具体的な契約内容は公開されていないが、報道や市民団体の指摘によると秘密条項には、料金改定の自由を制約し、契約解除を困難にする規定や、解除時に自治体に高額な違約金を課す損害賠償条項が含まれていた可能性が指摘されている。
その結果、水道料金が高騰し、市民負担が増大。情報が秘匿されたまま契約が進められたことに対し、市民や議会の反発が強まり、2011年の住民投票で契約解除・再公営化に踏み切る決断を下した。

この事例は、ヴェオリア社が市民の監視の目から逃れ、不透明な契約を通じて利益を貪る企業であることを示している。



2013–2015年 ピッツバーグ:鉛汚染

米国ペンシルベニア州ピッツバーグでは、フランス系水道大手ヴェオリア社が市の水道インフラを管理していたが、コスト削減のため腐食抑制剤の処方を無届けで変更。これが原因で水道管の鉛が溶け出し、深刻な健康被害を引き起こした。

問題発覚後、同市は2015年に契約を打ち切り。市民団体は「営利企業の無責任な運営が原因」として訴訟を起こした。

この事例は、市民の健康を軽視し利益優先したヴェオリア社の企業姿勢を如実に示している。



2014–2016年 フリント:鉛汚染隠蔽と巨額和解

米ミシガン州フリント市では、水源変更後に深刻な鉛汚染が発生した。フランス系水道大手ヴェオリア社は水質検査を請け負ったものの、改善提案を行わず、安全性を誤って報告したとされている。

2020年2月、ヴェオリア社は市民からの集団訴訟で5,300万ドル(約83億円)の和解金を支払うことで合意したが、責任は否定している。

ヴェオリア社は利益優先で市民の健康を軽視し、問題を隠蔽。二度目の鉛中毒問題にも関わらず、発覚後も徹底した責任逃れに終始した。これは企業倫理の著しい欠如であり、公衆衛生を踏みにじる無責任の極みである。



2019年 エストニア・タリン:値上げ拒否した政府を訴え敗北

エストニアの首都タリンで、水道事業を担っていたTallinna Vesi(ヴェオリア社とユナイテッド・ユーティリティーズが出資)が、政府が水道料金を不当に低く抑えたことで契約上の収益が得られなくなったとして、2004年の英・エストニア間投資保護協定に基づき、国際投資紛争解決センターに提訴した。

しかし2019年、国際投資紛争解決センターは、政府による公共料金設定の裁量権を認め、エストニア政府の水道料金政策が投資条約違反にあたらないと判断、企業側の主張を退けた。

この事案は、公共の利益よりも市民からの利益搾取を優先するヴェオリアの企業姿勢を如実に示している。



2020年〜現在 ミシシッピ州ジャクソン:50億ガロンの汚水放出

ミシシッピ州ジャクソン市では、フランス系水道大手ヴェオリア社が「技術的助言および運営支援契約」に基づき、2013年から下水処理システムの改善に関与していた。しかし、老朽化したインフラの抜本的な対策は進まず、2020年の記録的な降雨により下水道システムが大規模に機能不全を起こした。

裁判記録によれば、その年の最初の3か月間だけで、市は約5億ガロンの未処理下水と、57億ガロンに及ぶ最低限しか処理されていない下水を河川に排出。合計60億ガロン(約227億リットル)以上の汚水が公共水域に流出した。

ヴェオリアは直接の運営主体ではなかったものの、連邦裁判所との是正協定に基づく改善支援を請け負っていたため、市民団体などから管理責任の一端を問われている。

この事案は、管理能力のなさと、責任を回避し続けるヴェオリアの企業姿勢を鮮明に浮き彫りにした。



2021年12月6日 宮城県

宮城県はコスト削減を理由に水道事業を公共施設等運営権(コンセッション方式)で実質的に民営化した。この方式では、県と契約を結ぶのはSPC(特別目的会社)である「(株)みずむすびマネジメントみやぎ」であり、実際の運営はヴェオリアが実質支配する兄弟会社の「(株)みずむすびサービスみやぎ」が担っている。両社は別法人だが同一グループに属し、「契約主体」と「運営主体」が分離された構造だ。

そして、この構造は二つの問題を抱えている。

第一に、県は「(株)みずむすびマネジメントみやぎ」としか契約しておらず、ヴェオリア傘下の「(株)みずむすびサービスみやぎ」に対する直接的な監督権限を持たない。これにより、運営実態を十分に管理・指導できず、行政の監督機能が著しく制限されている。

第二に、実際の運営業務を担う「(株)みずむすびサービスみやぎ」と契約当事者の「(株)みずむすびマネジメントみやぎ」が別法人であるため、運営上の問題が起きてもヴェオリアは「契約上の責任を負わない」と主張でき、責任逃れが可能な体制となっている。

「行政の監督権限が制限されること」と「法人分離による責任逃れ」という二重の問題を抱えるこの構造は、ヴェオリア社が世界各地で繰り返し用いる手法であり、法の抜け穴を利用した典型的な責任回避の脱法スキームである。



行政やインフラを民営化する売国奴たち

水道の民営化を強力に推進してきたのは、自民党の麻生太郎氏である。政治の中枢にいる者が、国家の根幹をなす公共インフラを外資に積極的に売り渡す構図は、異常というほかない。

民営化は一見、コスト削減や効率化のように見える。しかし、外資が関与する場合、その実態はまったく異なる。外資企業は利益の最大化を最優先とし、サービスの質や安全性は二の次にされる。結果として、料金は引き上げられ、国民の生活を圧迫する。しかも、得られた利潤は地域に還元されることなく、株主や本国の金融市場へと吸い上げられていく。

国家が水道を直接運営していれば、利益は不採算地域の維持や、他の公共目的への再投資に充てられる。民営化によってこの循環が断たれれば、社会的弱者が切り捨てられ、インフラ全体の脆弱化が進む。

水や電力といった生活基盤を外資の管理下に置くという現実は、国家の危機対応力を著しく損ない、国民を経済的に従属させる。政治と外資が癒着し、公共の利益を犠牲にして利権を貪る行為は、紛れもない売国行為である。


水道管の老朽化問題

日本の水道は深刻な老朽化問題を抱え、水道事業の持続可能性そのものが揺らいでいる。法定耐用年数を超えた水道管が全国で増加し、漏水や破裂のリスクは年々深刻化しているにもかかわらず、更新は遅れ、対応は喫緊の課題となっている。

こうした現実に対し、国が取るべき道は、「民営化」という名の責任放棄ではない。人口減少に対応した構造へと国土を再設計し、次世代の負担を軽減するために、耐久年数を高め、メンテナンスの手間がほとんどかからず、維持管理費を極力必要としないインフラや公共施設の整備を進めるべきである。
時代の経過に耐えうる確かな技術を選定し、見せかけの先進性や信頼性に乏しい技術は排除し、その上で徹底したスリム化を図ることが求められる。
過度に分散した地域には、都市部への集住を促す政策を講じる必要がある。そして、現場を支える企業には、利益ではなく、長期的かつ安定的な発注を保障し、地域間の連携と部材の共同調達によって、確実なコスト削減を実現するという正攻法こそが必要とされている。

「民営化による偽りのコスト削減」は免罪符にはなり得ない。責任を切り離し、外資に投げ渡す構図は、国家が公共の使命を放棄し、国民の生活を市場原理に売り渡す「敗北宣言」にほかならない。そうした政治家は、もはや行政に一人も必要ない。


この国では、多くの政治家たちが、社会問題を「改革」の口実にして行政を切り売りし、利権の温床と化した税金に群がりながら、この国の未来を平然と食い潰している。


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