青葉死刑囚は控訴取り下げを「後悔」 精神状態も焦点に 京アニ放火殺人事件から6年

青葉真司死刑囚
青葉真司死刑囚

36人が犠牲となった京都アニメーション放火殺人事件は18日、発生から6年となる。1審京都地裁で死刑判決を言い渡され、大阪高裁に控訴していた青葉真司死刑囚(47)は今年1月、自ら控訴を取り下げ、刑が確定。弁護人はその後、取り下げ書の効力を争う申し入れ書を提出し、受理された。このまま死刑が確定するか、それとも公判手続きは継続されるのか。取り下げの有効性を巡る高裁の判断に注目が集まる。

昨年1月の京都地裁判決は、青葉死刑囚に「妄想性障害」があったとする一方、心神喪失や耗弱の状態ではなかったとして完全責任能力を認め、死刑を言い渡した。

その後、本人と弁護人がそれぞれ控訴し、弁護側は責任能力を巡る判断に誤りがあったとする控訴趣意書を高裁に提出していた。控訴審でも1審に引き続き、責任能力が争点になる見通しだった。

事態が急転したのは今年1月。死刑囚自らが控訴取り下げ書を高裁に提出したことが判明、刑が確定した。弁護側は直後に取り下げ書の効力を争う申し入れ書を提出し、高裁に受理された。

一方、死刑囚が自身の控訴取り下げについて「後悔している」と話したことも明らかになっており、取り下げ時の本人の精神状態も焦点。過去には、本人が控訴を取り下げて死刑判決が確定した後、弁護人が無効を主張して最高裁まで争ったケースもある。

高裁は今後、弁護側、検察側双方の主張や意見を踏まえ、取り下げの有効性について判断を示すとみられる。

判決によると、令和元年7月18日、京都市伏見区の京アニ第1スタジオに侵入して放火。36人を殺害、32人に重軽傷を負わせた。

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