朽縄咲良 報告1
開示決定投稿
権利侵害の説明
(1)同定可能性
本件投稿には、申立人や申立人が代表を務める名興文庫の記載はない。しかし、本件投稿には画像が添付されており、その画像に名興文庫の文字がある。
添付されている画像は名興文庫の公式ブログのスクリーンショットである。
よって本件投稿には同定可能性が認められる。
(2)申立人に対する人格権侵害
本件投稿は申立人の名誉権を侵害する不法行為であり、申立人の社会的評価を低下させるものである。
(3)違法性阻却事由の存在を窺わせる事情の不存在
一般的な「会社」は、「企業」や「商売をしている組織」のことを指して使用する。この場合、法人格の有無を問わないため、個人事業主や任意団体も「会社」と呼ばれることがある。一方、日本の会社法で定義されている「会社」は、法人格を持ち、会社法に基づいて設立された組織に限定される。
申立人が代表を務める名興文庫は、個人事業の規模で運営している。「出版社」という言葉は、業種や業態に関する呼称であり、会社法上の「会社」の定義とは関係ない。
「出版社」とは、「書籍や雑誌などの出版を行う事業体」という意味を持つ業種名であり、法人格がなくても出版業務を行なっていれば「出版社」を名乗ることに問題はない。
本件投稿者である朽縄咲良(@EJkM488pMu5MdLS)は、「出版社」とは「会社法に基づいて設立された、営利を目的とした商業行為を行う集団」であり、「会社でないものが「会社」の名称を利用する事は禁止されてる」から、名興文庫は会社法7条に違反している、と本件投稿で主張する。
会社法7条「会社と誤認させる名称等の使用の禁止」には、「会社でない者は、その名称又は商号中に、会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。」とある。
会社法7条「会社と誤認させる名称等の使用の禁止」
会社でない者は、その名称又は商号中に、会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
名興文庫は「良質な物語をお届けする出版社」を標榜しており、「名称又は商号中に、会社であると誤認されるおそれのある文字を用いては」いない、
会社法7条に抵触するのは「株式会社名興文庫」や「合同会社名興文庫」など、名称や商号に誤解を招く記載があれば会社法7条に違反する。
よって本件投稿は見当違いな主張である。
本件投稿に添付されている画像1枚目には、名興文庫の公式ブログのTOPページのスクリーンショットが掲載されている。朽縄咲良(@EJkM488pMu5MdLS)は画像に「👈」を別途画像挿入しており、「良質な物語を多くの方にお届けする出版社」の「出版社」を強調している。
2枚目には、goo辞書で「出版社」を検索した結果のスクリーンショットが掲載されている。画像には「書籍や雑誌などを製作する会社」と説明がある。
3枚目には、会社について解説しているスクリーンショットが掲載されている。画像の中央には「会社とは──会社法に基づいて設立された、営利を目的とした商業行為を行う集団──と定められています」と説明がある。
4枚目には「会社と誤認させる名称等の使用の禁止」のスクリーンショットが掲載されている。記事には「会社でない者が会社の名称を使用することは禁止されています(会社法7条)。違反した場合には、100万円以下の過料が科されます(会社法978条)。」と説明がある。
朽縄咲良(@EJkM488pMu5MdLS)が画像4枚を使用し、「申立人は出版社を名乗っているのだから会社法違反している」と強く印象付けているのは、添付画像から明らかである。
本件投稿には、コメントする形で「名興文庫さんっえ、会社法7条に引っかかっちゃってないですか?」「帝国データバンクのTDB企業サーチで検索してもヒットしないんですよね」「国税庁の法人番号公表サイトでも、「名興文庫」はヒットしませんねぇ」と、スクリーンショットを用いながら繰り返し、名興文庫が法人化しておらず、会社法7条に違反していると印象付けている。
コメントする形で添付された投稿は、すべて2025年4月9日 午後4時11分に投稿されており、朽縄咲良(@EJkM488pMu5MdLS)は思考しながら投稿している風に見せていながらも、実際は事前に投稿を準備し、一気に投稿を行ったのは明らかである。
朽縄咲良(@EJkM488pMu5MdLS)は本件投稿を引用し、添付している画像を「「日本弁護士連合会」から借用した」と主張することで、「申立人が会社法違反している」と再度強く主張した。
申立人は名興文庫にて電子書籍を2冊販売しており、「書籍や雑誌などの出版を行う事業体」であることから、説明書きに「出版社」の記載をしている。
本件投稿は、「書籍や雑誌などの出版を行う事業体」は「会社」であり、「法人成り」をしていない・法人番号を保持していない組織は「会社法違反している」と強く印象付け、「名興文庫は「出版社」であるから会社法7条に違反している組織である」とし、その根拠として「「日本弁護士連合会」がそう解説している」と主張している。
一般的な読解力で本件投稿を読んだ場合、「「日本弁護士連合会」がそう解説するのなら、申立人は会社法違反をしているのは明白」である。
本件投稿は、「会社」という単語を、一般的な意味合いと会社法上での意味合いを意図的に混在させ、誤解を招く投稿であるのは明らかである。
申立人は数多くの誹謗中傷を受けており、現在20カウント以上の開示が認められている。申立人を侮辱したアカウント一つに早見羽流(@uiharu_saten)がある。
早見羽流(@uiharu_saten)は本件投稿を拡散し、「出版社といえば“社”なんだから、そりゃあ会社法で定義される「会社」なのだよ。」と投稿した。
早見羽流(@uiharu_saten)が本件投稿を受け、「申立人が会社法違反している」と読み取ったのは明らかである。
以上、本件投稿は、画像と用いて「申立人が会社法違反している」と強く印象付ける投稿であり、朽縄咲良(@EJkM488pMu5MdLS)は本件投稿を引用し、「申立人が会社法違反している」という主張の根拠に「「日本弁護士連合会」の見解である」と投稿した。
本件投稿を閲覧した早見羽流(@uiharu_saten)は本件投稿を拡散し、本件投稿を「申立人が会社法違反している」と読み取った。
本件投稿の主張は事実を誤認させるものであり、申立人の社会的評価を低下させる投稿であるのは明らかである。
本件投稿には公益目的が存在するとは考えられず、民法709条に規定されている不法行為にあたることから、本件投稿が名誉権の侵害に当たることは明らかである。
(4)小括
以上により、本件投稿により申立人の名誉権が侵害されたことは明らかである。
以上
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