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【感想】NHK 歴史探偵「中国 謎の古代文明を追え!」を視聴しました

2024年9月4日(水)22:00~22:45 歴史探偵「中国 謎の古代文明を追え!」を視聴しました。

<NHKのあらすじ>
中国の四川省で、近年驚きの発見が。
約3000年前の三星堆(さんせいたい)遺跡から、奇妙な青銅器が出土したのだ。
誰が何のために作ったのか?
現地を調査し謎に迫る。

■プロローグ

●スタジオで
佐藤所長「3000年前というと日本ではいつ頃になりますか?」
日本でいうと縄文時代の終わりです。
秦の始皇帝より千年前に文明があったということです。
四川省は内陸部にあり四川盆地の三星堆遺跡です。
どんな人達がどのような生活をしていたのかも、なぜ突然滅んだのかも謎です。
出土した奇妙な青銅器に注目しました。

■青銅器のミステリー

●三星堆博物館
成都市から北へ車で1時間、巨大な建物が現れます。
三星堆博物館です。
1万5千点の出土物が展示されています。
高さ30cm、ひざまずいて手を合わせていて、上半身を右に捻っています。
謎のポーズをとる像です。
次に、大きな像です。
高さ2.6m、全身像、両手を前で抱え、手の中は空洞で何かを持っているような姿勢です。
・陳徳安さん
「象牙をもっていたのではないかと言われています。お祈りをしていて、儀式で使う道具だったという説です」
「実際まだ謎で何を持っていたのかわかりません。三星堆の王様を表しているとも言われています」
さらに、全部、頭部だけの顔の像が100点以上並びます。
尖った帽子のようなものを被っていたり、平らな冠、髪型も違います。
陳さん「様々な部族を表しているとか、身分の違いを表しているとか、いずれにせよ謎です」
次に、とりわけ奇妙なのが目が飛びてている像です。
幅1.4mある巨大な顔、両目が激しく飛び出ています。
裏は空洞で、仮面のような構造です。
目が飛び出ていないものなど、20点近く出土しています。
さらに、大きな像を発見、電気スタンドのようなオブジェです。
高さ、約4m、巨大な物体で、枝のようなものに鳥が止まっていたりします。
陳さん「想像上の樹を表したものと言われ、青銅器としては当時世界最大です」
金の杖、金の仮面など、金の出土物が多いのが特徴です。
「しかし、三星堆ではまだ文字は見つかっていません」

●三星堆遺跡
40年前に発掘調査がはじまり、1辺2KMの城壁が見つかり、宮殿区とみられる大型建築の跡が出土。
青銅器が見つかったのは中心から南に外れた小高い丘です。
発掘現場を見せてもらいました。
全体が巨大な建屋で覆われており、作業小屋が作られています。
深さ2mほどの穴に青銅器が埋められていました。
しかし、極めて異常な状態だったようで、原型を止めないほどバラバラに壊されています。

●三星堆文化財保護修復センター
・蔡秋彤さん
「これが三星堆の特徴です」
原型をとどめないほど粉々に壊され、焼かれた状態で穴に放り込まれていたのです。
陳さんいろいろな理由が考えられます。祈りの道具、王朝交代で埋めざるを得なかったなど、壊して埋めた理由も謎なのです」
三星堆文明はこつ然と姿を消しました。

●スタジオで
佐藤所長「なにが謎なのかもわからないほど謎ですね」
宮本一夫さん(九州大学)
「1986年大量の青銅器が見つかりました。中国で最も注目されている遺跡です」
・宮本さん
「大きさに驚き、具象的な青銅の像で、たくさん作っているのも驚きで、金でで来ていて金製品は当時の中国ではありません」
ある説に注目して調査してきました。

■それは西からやってきた?

・段渝さん(四川師範大学)
「外来文化を吸収した可能性があります。偶像で表すのは西洋文明の伝統です」
三星堆は偶像が多く、中国では容器が中心で、偶像は殆ど見られません。
ユーラシア大陸西側のメソポタミア、エーゲ、エジプト文明では偶像が見られます。

●樹の青銅
古代メソポタミア文明で作られたレリーフです。
段さん「聖なる樹はギリシャ、バビロで広く見られます。中国では三星堆以外見られません」
紀元前9世紀、バビロニア王を表したレリーフは、権力の象徴、王権の杖です。
ある復元像に注目されています。
これは三星堆からばらばらに出土した青銅器を復元したものです。

●大英博物館の古代メソポタミア文明の工芸品
シュメール人の王の墓から見つかった「ウルのスタンダード」(紀元前27世紀)
下段:戦車が敵を蹴散らす様
中段:敵を捕らえる兵士たち
上段:王の前に捕虜を連行する様子
連続する場面を描くことで、ストーリーを物語る表現方法が見られます。
段さんは三星堆の像は同じ手法が見て取れると言います。
下段:地上の人間が祈りの儀式を行う
中段:神聖な生き物が祈祷師を乗せ神に近い場所へ
上段:祈祷師が貢物を神へ捧げる
段さん「連続する表現は他の中国では見られません。外来文化の影響があったと思います」

■残されていた手がかり

●三星堆文化財保護修復センター
2年前大発見がありました。
青銅の破片、表面を顕微鏡で覗くと、何かが付着しているのがわかります。
布か何かですか?
シルクの布だと判明しました。
蔡さん「養蚕や布を織る高度な技術を持っていたことが証明されたのです」

■東西を結んだ太古の道

南シルクロードの出発点、四川からインドへ続くルートが存在していたことも分かっています。
しかし、2000年前までしか遡れません。
三星堆は3000年前のものです。
成都市内にある錦門は、四川からインドへとつながるシルクロードで2000年前に開通したと言われています。

●スタジオで
佐藤所長「鍵はシルクロード」
三星堆の地理的な位置は、ユーラシア大陸に広げて見ると、中国にとって西への玄関口になるかもしれないです。
宮本さん「当時、シルクが西アジアまで交易されていたのかはわからない」
「それ以前から草原シルクロードは西アジアと東アジアを結ぶ道だった、牛や羊とともに青銅器、金の製作技術が直接三星堆に伝わった可能性があります」

■東の文明とのつながり

●長江へ
湖北省の長江にやってきました。
ここで三星堆の謎を解く手がかりが見つかったそうです。
4000年前に栄えた後石家河文化、三星堆よりもさらに数百年古い文明です。
当時の貴族の墓から重要な発見がありました。
目を大きく見開いた偶像、三星堆の像と似ています。
素材は玉という石、祭祀の道具に使われました。
多くの共通点を発見
後石家河文化の玉の像の頭にねじりはちまきのようなもの。
三星堆の青銅像にもあります。
縦長の冠をかぶった像も瓜二つです。
・程酪茜さん(盤龍城博物館)
「青銅の偶像を祭祀に用いる三星堆の芸術的な想像力は、後石家河文化から伝わったといえるでしょう」
1500km離れていますが、長江で結ばれています。
三星堆は、殷王朝とつながっていました。
「殷王朝の青銅容器」
「獣面紋」が特徴で、空想上のけものの姿が描かれています。
三星堆、多様な人々が行き交い文化が一つに混ざり合う場所だったのかも知れません。

●スタジオで
佐藤所長「閉ざされたものでなくいろいろなところとつながっていたのですね」
宮本さん
「三星堆の人々も長江中流域と同じような衣装を身にまとっていた、稲作農耕は長江中流域で始まっています」
「タカラガイ貨幣の役割、三星堆は南方とも交易をしていたことがわかりました」
「三星堆遺跡の一番の謎は、なぜ消滅したのかがわかっていません」
「中国の王朝交替と関係してるのか、この時期大きな争いがないので、外的なことでなく、文明自ら原因が内在しているのかもしれません」

ーーーおわりーーー

次回は「海の王者 平清盛」9月11日(水)22時放送です。

■感想

番組の最初、一目見て中国文明ではないものだなと感じました。
あれは、西の文化の遺跡ですよね。
1927年に農民が発見したけど、そのまま放置され、たまたま聞きつけたイギリス宣教師によって重要性が認識されたということです。
しかし、その後中国は戦争や文化大革命で三星堆遺跡は無視し続けられ、ようやく1980年代になって世界的に注目されるようになりました。
番組は、長江文明に属する古代中国の遺跡の一つであるという見解のようですが、それはどうなのかな?
フランスの中国学者によると、青銅器の不釣り合いに大きな目と眉毛は黒く、唇、鼻孔、耳の穴は朱色でした。
これは、商王朝とは非常に異なる儀式の慣行の証拠となると言っています。
なんでも中国文明だと主張する人たちなので、客観的な分析が待たれるところです。
また、粉々に砕かれて発見されたというのは、出雲王国の荒神谷遺跡の青銅器を思い出させてくれました。
政権が滅んだ証拠ではないでしょうか。


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