御三家がもたらした「ロックの大衆化」
ツイストの解散により、「ロック御三家」は完全に死語となり、世良公則はソロとしての音楽活動に加えて、俳優としても名を成していく。
そんな「ロック御三家」が、日本のロック界にもたらしたものを一言でいえば「ロックの大衆化」だ。
矢沢永吉など、それまでのロック勢に加えて、吉田拓郎や井上陽水のフォーク勢も、テレビ出演を嫌った中、Char、原田真二、世良公則&ツイストは、テレビにガンガン出まくった。そしてルックスの魅力も相まって、アイドル的な人気を得た。
ロックやフォーク、つまり当時の言葉でいう「ニューミュージック」勢は「テレビなんかで俺の魅力は伝わらない」とうそぶいたが、あれから半世紀近く経って、冷静に顧みれば、テレビの歌番組で、たった1曲で大衆を魅了できる音楽家の方が真のポップスターではないかと言い返すことが出来る。
こうして、「ロック御三家」による「ロックの大衆化」の地盤の上に、颯爽と、いやジョギングパンツ姿で、滑って転んで、コミカルに登場したのが、サザンオールスターズだったのだ。