皆さん、お住まいの地域の候補者についてはお調べになったでしょうか。
こんにちは、倫獄です。
選挙が近づいてきましたね。
今日は、参議院選挙の仕組みをおさらいすることで、賢い投票先選びについて考えてみましょう。
◆◇◆意外と知らない衆議院との違い◆◇◆
さて、皆さん、そもそも参議院ってなにか知っていますか?
参議院は、日本の国会を構成する二つの議院のうちの一つです。
国会には、法律の制定や予算の議決など、国家の基本的な意思決定に関わる権限が与えられています。
衆議院と参議院の、いずれもこれに参加しますが、衆議院には一定の「優越権」がある一方で、参議院は衆議院と異なる選出方式と任期を持つことで、政治の急進的な変化を抑制し、制度の継続性や熟議性を確保するための機能が期待されています。
定数など、細かい違いは色々ありますが、
最大の違いは任期です。
衆議院は任期が4年。
しかも、4年任期を全うすることより、途中で解散が挟まって4年途中で任期が終わることも多いです。
どちらかといえば、「現在の民意」を反映するのが衆議院だと言えるでしょう。
これに対して、参議院は任期が6年あります。
3年ごとに選挙がありますが、改選されるのは半分ずつなので、
変な奴を選ぶと確実に6年居座ることになります。
逆に、じっくり腰を据えて取り組む必要がある政策課題などについて、粘り強く仕事をしてくれる議員を送り込めれば、かなり強力な手札になります。
また、議員定数は衆議院より少ないので、両院の議決という観点からは、参議院のほうが議員一人あたりの一票の価値が大きい、とも言えます(ただし、衆議院の優越あり)。
以下会員限定
◆◇◆参議院の選挙の仕組み◆◇◆
選挙の仕組みも衆議院とは異なります。
参院選では、投票用紙を二枚貰います。白色とクリーム色の投票用紙です。
一枚目の、白色の投票用紙は選挙区のもの。地元から出ている候補者の名前を書きます。
ここでも参院選の特徴があります。
選挙区の仕組みは地域によって異なりますが、都市部では複数人が当選する「複数区」が多く、地方では一人しか当選しない「一人区」が主流です。
複数区では、同じ選挙区から2人以上の候補者が当選します。
衆院選の場合、小選挙区といってどの選挙区でも、一つの選挙区から1人の候補者しか受かりません。
そうすると、当選した候補者以外に投票した人の票は、死票ということになります。
複数人が当選する参院選の場合、一つの選挙区から複数の候補者が当選することで、死票の数が減ることになります。
二枚目の、クリーム色の投票用紙は比例代表のものです。
こちらは、区分された選挙区単位ではなく、全国単位で行う選挙です。
議席の配分は、政党ごとの得票率に応じて決められます。
得票数を割り算して、議席数を割り当てる「ドント式」という方式です。
その上で、その政党が獲得した議席を、候補者の個人得票順に割り当てることになります。
この「個人得票数」というのがちょっと特殊なポイントで、
参院選比例代表の投票用紙には、
政党名を書くこともできますし、
候補者の個人名を書くこともできるんです。
政党名のみを書いた場合、その政党の議席を増やすことだけに寄与しますが、その政党の候補者名を書いた場合、その政党の中での当該候補者の当選順位を上げることにも役立ちます。
特に応援したい候補者がいる場合には、候補者名を書くのがお得です。
◆◇◆死票と泡沫政党のジレンマ◆◇◆
先ほど、選挙区における死票の話をしました。
全国区比例代表制においては、この死票が少ないことが知られています。
例えば、全国で約100万票を集めることができたら、だいたい一議席です。
SNSなどで話題になれば手が届かなくはない数字です。
実際、過去にも、知名度による得票を期待して、いわゆるタレント候補が参院選比例代表に立候補する例は沢山ありました。
また、泡沫政党にもチャンスがあるというのもポイントです。
全国で100万人のファンを集めれば議席が手に入るわけですから、小選挙区などとは難易度が全然違います。
こういった点から、比例代表制は、数多の少数野党が出現しやすい構造だともいえます。
ただ、これにはデメリットも潜んでいます。
比例代表制は、政党の多様性を保証する一方で、政局の安定性を損なう要因にもなりえます。
歴史的には、ヴァイマル共和政下のドイツが典型例です。
当時のドイツ議会(ライヒ議会)では完全比例代表制が採用されており、その結果として著しい小党分立状態、いわゆる分極的多党制に陥りました。
政党間の連携は困難を極め、政治的混乱が深まる中で、ナチスの台頭を許す土壌が形成されてしまったのです。
この教訓を踏まえ、現代のドイツでは、得票率が一定割合(現在は5%)を下回る政党には議席を配分しないという「阻止条項(Sperrklausel)」が設けられています。
これは、多数の小政党が乱立し、政局の安定を損なうことを防ぐための制度的措置です。
ただ、極右政党の台頭を許してしまった今のドイツの状況を見ると、これがどの程度意味があったのかは少し疑問ではありますね。
他方、アメリカの主要選挙では、ほとんどが「一選挙区一人当選」の方式です。
得票2位では意味がなく、多くの票は死にます。
この構造が、二大政党制を維持する要因となっています。
実際、アメリカでは民主党と共和党、伝統的に二つの政党が政権を争う構図になっていますね。
実は、選挙制度の違いは選挙結果の在り方にも大きな影響を与えるんです。
◆◇◆【発展編】戦略的投票について考えてみる◆◇◆
さて、ここからはちょっと発展編です。
投票には、「最も支持する候補に入れる」という選択以外にも、「より現実的に影響を与える投票先を選ぶ」という戦略的なアプローチがあります。
一番入れたい候補者であっても、当選可能性がほとんどないような場合、自分の一票が死票になってしまうリスクが高まります。
そうなってしまうくらいなら、「絶対落としたい奴が落ちるように投票する」「受かりそうな中で一番マシな候補に入れる」といった戦略が現実的選択肢として浮上します。
そのような観点から、より賢い投票の方法はないのか、考えてみましょう。
参考になるのは、事前の情勢報道です。
日本では、選挙への影響を極力少なくするため、選挙情勢を報じる際は、調査から得た各候補者の支持率をそのまま表に出すことは避け、特定の表現で代用することが慣例となっています。
これは公選法の第百三十八条の三(人気投票の公表の禁止)をめぐるせめぎ合いのなかで維持されてきた、非常に厳しい慣例です。
ですが、世論調査の書きぶりから、ザックリとではありますが、今の情勢を読み取ることは可能です。
たとえば「ややリード」「競り合い」「苦戦」といった表現には、それぞれ想定される支持層の厚さや拮抗状態が反映されています。
報道内での記述順や扱われるスペースにも、暗黙の順位づけがある場合があります。
各社の記事を横断的に確認することで、当落線上の候補者や、いわゆる“安全圏”にいる候補者を、ある程度は読み取ることができます。
これにより、票が割れてしまって、落選の可能性が高い候補をあえて避ける判断や、「一票で当落が左右されるライン」を狙うという戦術が可能になります。
中でも、Xで選挙情勢の集約と可視化を行っている三春充希氏(情勢分析家)の投稿は、ビジュアル的にも見やすく、報道の傾向を把握する際の一助となるでしょう。
これを材料に、自分の選挙区のなかで、より競っている候補に投票をするといった、戦略的投票が可能になります。
◆◇◆まとめ◆◇◆
ここまで、参院選の仕組みや投票制度の特徴、戦略的投票の考え方について見てきました。
もちろん、最終的に「誰に投票するか」「どんな基準で選ぶか」は、みなさん自身の判断によるものです。
制度の構造を理解した上で投票することで、みなさんの意見が少しでも政治に反映されることを願っています。
本稿はあくまで一つの視点にすぎません。
最終的な選択は、ご自身の責任と意思で行ってください。
コメント
コメントを書くおはようございます
今一番ホットで必要な情報をタイムリーに届けてくださりありがとうございます
これで心置きなく何をしてでも当選させたくない候補者を落とすために、所属政党が好きではない候補者に投票する踏ん切りがつきました
有料会員しか読めないのがもったいない記事だと思います
長らく野党が頭角を表すこともなく空虚な選挙が続いていましたが、今回はなかなか白熱しているようで結果が楽しみです。
たしかに、死票にならないよう投票するというのもアリですよね。