幹部から「何とかならんか」と電話、捜査に関わった元警官「入り口から間違っていた」…福井中3女子殺害・再審あす判決
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――(殺害)現場に行ってへんなら、共犯にはならんやろ。外で待ってただけやんけ。
「ほんまですか、ほんなら全部言います」
男性が作成したとされる調書が採用された確定判決では、A男の供述は「事件当日の夜、前川を車に乗せて事件現場の市営住宅に向かった。20~30分たった頃に前川が帰ってきて、助手席に乗り込んだ際に、右手に血がべっとり付いているのに気づいた」となっていた。
しかし、昨年10月の再審開始決定は、この供述について「信用性を肯定することはできない」とした。
当時の県警の捜査を「捜査機関が見立てたストーリーに見合った供述や証言を求めていたことは容易にみてとれる」と批判。男性は「A男は自分のことが怖かっただけ。誘導などしていない」と強調するが、決定は「A男には、関与を否定し続けると共犯者にされかねないと考え、自己の保身のため、警察による誘導に迎合する動機があった」とした。
県警は再審開始決定以後、「コメントする立場にない」などと発言を避けている。しかし、男性は語る。「A男も他の証言者も、言うことがコロコロと変わっていた。捜査本部はそれを証拠とする危険性に向き合わなかった。捜査の入り口から間違っていた」
判決が「供述誘導」を認定すれば、県警は説明を余儀なくされる。どのような判断がなされるか、注目だ。
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