【やはた愛の書評
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私が敬愛する小説家や評論家は時折り、予言の書のようなものを発表することがある。
それは先日話題になった大災害の予知能力の類という意味ではなく、注意深く世の中の動きを見ていくと、自ずとその後の流れが見えてしまい、そこに警鐘を鳴らそうと作品に落とし込んだ結果、実際に危惧した事態が起きてしまうという流れが多いように感じる。
先月6/25に発刊された、古谷経衡氏の新書「激戦地を歩く」を読んでいると、まさに冒頭から“第三次世界大戦の前夜を生きる”というパートが繰り広げられており、本書において危惧していたことが6/22のイラン核施設へのアメリカの攻撃という形で起きてしまった。脱稿時期は4月頃とされるが、その約2ヶ月後のことだ。
【戦後80年】を迎える2025年の参院選では、排外主義や復古主義のような事を威勢よく言う政党の人気が出ており、まさに本書において取り上げられている、半藤一利の「40年周期説」に当てはまるので、詳細は確認されたい。
人間とは愚かだ。
だからこそ、本当の“保守”とは、歴史をしっかりと受け止め、反省し、2度と同じ過ちを繰り返さないと誓い、この国に住むすべての人々の命と生活を未来まで保って守ることだと思っている。
YouTubeやTikTokなどが台頭する中、改めて、作家たちの警鐘を1人でも多くの人が受け取るべき時に来ていると思うので、今後も、僭越ながら書評と言う形で私も残したいと思う。