「火つけてこい」「楽な商売じゃ」 舌禍引退の泉市長、過去の〝暴言〟

兵庫県明石市議会で12日、問責決議案が賛成多数で可決され、来春の任期満了をもって政治家引退の意向を表明した泉房穂市長は、過去にも舌禍騒動を繰り返してきた。

「(物件を)燃やしてしまえ」「今日、火つけてこい。火つけて捕まってこい」

市幹部への暴言が地元紙に報じられたのは平成31年1月のこと。泉氏は29年6月、市幹部を市長室に呼び出し、JR明石駅近くの国道2号交差点付近の雑居ビルの立ち退きが進んでいないことに激高。「楽な商売じゃ」と怒鳴り、「今日、火つけてこい。火つけて捕まってこい」などと述べたという。

弁護士の肩書を持つ首長による犯罪を示唆するような発言に全国から批判が殺到。市役所には抗議の電話やメールが相次いだ。

ただ関係者によると、発言には続きがあった。「市民の安全のためや」「私が行って土下座でもしますわ」

こうした後半部分の発言が報じられると、風向きに変化が現れた。交流サイト(SNS)を中心に「真意が分かった」「暴言は市民のためだった」などと擁護論が急浮上。市への意見も批判派と肯定派が拮抗(きっこう)するようになった。

渦中の泉氏は31年2月1日、辞職を表明。だが子育て政策などに賛同する市民団体などから出馬要請を受け、「有権者に暴言問題の判断を仰ぎたい」として出直し立候補に踏み切った。

暴言に対する有権者の審判に注目が集まる中、泉氏は同年3月の市長選で圧勝を果たし3選。当選確実の一報を受けた後、報道陣に「多くの市民に迷惑をかけたが、温かい声を掛けていただいた。期待に応えたい」と語った。

政治家引退を表明し、頭を下げる泉房穂明石市長=12日午後、兵庫県明石市(彦野公太朗撮影)
政治家引退を表明し、頭を下げる泉房穂明石市長=12日午後、兵庫県明石市(彦野公太朗撮影)

ただ市議会では泉氏の言動への追及が続く。3選後の市議会本会議では市議から「緊急質問」を受け、すでに問題となった発言以外にも、市職員に威圧的な言動をしたり、市長室の備品を破壊したりしたことを認めた。「感情の赴くままに対応し、職員に申し訳ない」と陳謝していた。

もっとも〝暴言ぐせ〟はその後も収まらない。令和2年1月、新年会の酒席で夏まつりの再開を巡って市議と口論となり、「辞めてまえ」。当時飲酒していたといい、泉氏は会見で「不適切な発言で申し訳ない。(前回の暴言の)反省が不十分だった」と何度目かの謝罪に追い込まれた。

騒動は今年に入ってからも起きた。泉氏は2月、自身のツイッターにある企業の課税データが記載された書類の画像を投稿。5年連続で「0」になっている部分を色付けし、「ゼロってなんだかなぁ」などとコメントした。

市議会側は投稿を問題視。税の徴収の従事者に守秘義務を課す地方税法に抵触するとして、複数会派の提案で地方自治法に基づく調査特別委員会(百条委員会)が設置された。

泉氏は証人喚問で「市民の知る権利のため、企業との協議内容を伝えた方が良いと判断」したと弁明していた。

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