一応、プロパガンダの歴史を研究しているわけだから、外国による世論干渉なんてのは日常茶飯事であることは理解しているのだけれども、その影響を過大視することのダメージみたいなのもあるわけで、そこが大変に悩ましいところではある。
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プロパガンダの目的は、説得して自分の味方にするということだけでなく、相手側を混乱させることもある。たとえば、ロシアがいまの日本に世論工作を仕掛けるとして、日本人を説得して「ウクライナとの戦争でロシアに味方するようにさせる」のは、ほぼ実現不可能。むしろ、
混乱と分裂をより深め、日本の政治を停滞させるほうが現実的な目的になる。その観点からすれば、ロシアの工作が明らかになることすら、必ずしもダメージとは言えない。「全ての情報はプロパガンダなのであって、何も信じられない」という心理状態を人びとのあいだに生み出せれば勝利とも言える。
最初のツイートで述べたように、世論干渉は確かにありうる。が、みんなが他者に疑心暗鬼になれば、民主主義の持続可能性は怪しくなり、権威主義国家にとっては有利な状況が生まれる。この点をどう考えるのかがとても悩ましい。