【速報】盗まれた電線ケーブル約800キロを盗品と知りながら買い取りか 「ナンセイスチール」相模原工場の責任者ら中国籍の男2人逮捕 全国で盗まれたケーブルの“集積地”の可能性も 神奈川県警
日テレNEWS NNN
神奈川県平塚市の下水道処理施設から盗まれた電線ケーブルおよそ800キロを盗まれたものと知りながら買い取ったなどとして、金属買取業者の工場責任者ら2人が逮捕されたことがわかりました。 捜査関係者によりますと、盗品等有償譲り受けなどの疑いで逮捕されたのは、いずれも中国籍で、金属の買い取りなどを手がける「ナンセイスチール」・相模原工場の責任者、ソン・イー容疑者(46)と従業員のヤン・レイ容疑者(41)です。 2人は去年7月、神奈川県平塚市の下水道処理施設から盗まれた電線ケーブル6本、およそ800キロを盗まれたものであると知りながらおよそ60万円で買い取った疑いなどが持たれています。 この事件をめぐっては、下水道処理施設から電線ケーブルを盗んだとしてカンボジア国籍の男ら6人が逮捕されていますが、男らが犯行直後、「ナンセイスチール」の相模原工場に盗んだケーブルを運ぶ様子が工場の近くの防犯カメラに映っていたのに加えて、男らが調べで「常習的に相模原工場に売却していた」などと供述していたことから、「ナンセイスチール」の相模原工場で働く従業員の関与が浮上しました。 相模原工場では、カンボジア国籍の男らがほかにも、これまでに銅線ケーブルなどをおよそ11トン持ち込み、売却額はあわせて1025万円ほどになるとみられるということです。 捜査関係者によりますと、調べに対しソン容疑者は「その時間には出勤していないから関わっていない」、ヤン容疑者は「この日のことは思い出せない」 などと容疑を否認しているということです。
■「ナンセイスチール」が全国から盗まれた金属ケーブルの“集積地”になった可能性も
「ナンセイスチール」は金属買取や金属加工などを手がける会社で、全国に21の工場があります。 神奈川県内では2023年10月から太陽光発電施設を対象とした銅線ケーブルの窃盗事件が急増し、神奈川県警が去年、「金属盗対策プロジェクトチーム」を設置して事件の捜査を進めていたところ、各地で発生した窃盗事件に関与したとして逮捕された複数の容疑者が調べで、「ナンセイスチール」の工場に売却したと話したということです。 こうしたことから、神奈川県警は去年12月、「ナンセイスチール」の本社や相模原工場などの関係先に家宅捜索を行いました。 その後の捜査で、 ▼早朝に複数台の車の荷台に切断された大量の銅線が持ち込まれていること ▼持ち込んだ人物が作業着ではなく普段着を着用していることが 確認された ということで、神奈川県警は「ナンセイスチール」が一般的な業者とは異なる方法で買い取っていることから、盗まれたものであると知りながら金属ケーブルを買い取った疑いがあると判断したとみられます。 捜査関係者によりますと、ほかの県で発生した窃盗事件の容疑者も調べでナンセイスチールで売却したという話をしているということで、神奈川県警は、「ナンセイスチール」が全国の工場で盗まれたものと知りながらケーブルを買い取っていた可能性があるとみて、実態解明を進めています。