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pixivFANBOXの手数料値上げから見る、表現規制の「必然的な」判断

2025年6月9日、pixivFANBOXは次のような記事を公開した。

いつもFANBOXをご利用いただきありがとうございます。

この度、2025年9月1日(月)より、R-18コンテンツを投稿する設定にしているクリエイターの皆さまを対象に、サービス手数料を現行の10%から12.9%へ変更させていただきます。

全年齢設定(R-18コンテンツを投稿しない設定)にしているクリエイターの皆さまのサービス手数料に変更はございません。

サービスの安定的な提供と品質維持のため、何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます。詳細は以下をご確認ください。

▼現在のサービス手数料(〜2025年8月31日)
全てのクリエイターを対象に、支援額の10%

▼2025年9月1日以降のサービス手数料
R-18コンテンツを投稿する設定にしているクリエイター:支援額の12.9%
全年齢設定にしているクリエイター:支援額の10%(変更なし)

※ご自身の設定はクリエイター設定ページにてご確認いただけます。

R-18設定クリエイターの皆さまへサービス手数料改定のお知らせ(2025年9月1日〜)

つまり、今年の9月以降、FANBOXでは成人向け設定で活動しているクリエイターのみ、利益から手数料を追加で徴収する、という変更を行うと告知したのである。

一見すると手数料値上げ自体はよくある話に見える本件だが、問題はこれが「成人向け設定のクリエイター」に限定して値上げしていること、そしてその理由が「決済代行会社の要請などに柔軟に対応するため」というものだ。

サービス手数料改定の背景と理由
FANBOXはサービス開始以来、さまざまな創作ジャンルで活動されているクリエイターの皆さまに安心してご利用いただけるよう、開発・運営に取り組んでまいりました。

しかしながら、昨今の社会情勢の変化に加え、クレジットカード会社や決済代行事業者からの要請により、特にR-18コンテンツにつきましてはコンテンツの審査に必要なコストが年々増加しております。そのため、現在の手数料を維持したままサービスを提供し続けるのが難しい状況となっています。

今後も多様な決済手段と、皆さまが安心してサービスを利用できる環境を提供し続けていくために、R-18コンテンツを投稿するに設定しているクリエイターの皆さまのサービス手数料を改定させていただく運びとなりました。

皆さまには大変ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解とご協力をいただけますと幸いです。

サービス手数料の活用と今後のFANBOXについて
いただいたサービス手数料は、厳格化するコンテンツの審査基準に柔軟に対応するための審査体制やシステムの強化、専門スタッフ追加の費用などに活用させていただきます。

また、今後も変わらず、FANBOXをご利用いただいているクリエイターの皆さまが継続して創作に取り組めるよう、新機能の追加や既存機能の改善にも取り組んでまいります。

R-18設定クリエイターの皆さまへサービス手数料改定のお知らせ(2025年9月1日〜)

つまり、端的に言うのなら「決済会社の言い分に沿うように表現を締め上げるためのコストがかかりすぎるから、その分のコストは締め上げられてるクリエイターが払ってね」ということを、この告知では宣言しているのである。その根拠は、

いただいたサービス手数料は、厳格化するコンテンツの審査基準に柔軟に対応するための審査体制やシステムの強化、専門スタッフ追加の費用などに活用させていただきます

という記述に、自らその旨を語っている点からも明白といえよう。

これは成人向けでアダルト作品をFANBOXに掲載している作家・創作者からすれば、たまった話ではない。
なにせ、基準不明な性器修正に何度も振り回され、ワード単位で記事を非公開にされ、それらへの異議申し立ては一切聞き入れるつもりもなく、さらには運営の考えをエスパーできなければ問答無用でBANしてきた例に枚挙に暇がないpixiv運営が、これを言っているからである。

実際、私も「本当にその規制は、自分たちのためになっているのか?」を問いかけるために行った実験に対して、アカウントの凍結という強硬手段で返事を受け取るに至ったのだから、この状況は歪なのは間違いない。

当事者からすれば、「まともに仕事をしていないのに、こっちから金を更に取るのかよ?」という不満が出るのも無理はない。事実、この告知は多くの批判が上がっているし、その多くは運営の怠慢を批判する声に偏っているのが見て取れる。

私自身も成人向けの表現を嗜む側として、この変更は流石に看過ができず、現在別のサービス(ci-en)への移行を予定しているほどである。

とはいえ、私は一辺倒にpixivを批判するつもりは、実はあまりない。というより、この問題はpixivだけが悪いのかといえば、実はそうでもないというのがおそらく、構造から見える実情である。
すなわち、「なぜ、pixivは成人向けユーザーの利益を削ってまで、この判断をしなくてはならなかったのか?」という問いの視点で見ることで、全体を見渡すことができるからである。


pixivは本当に表現規制をしたがっているのか?

まず、なぜ値上げをしなければならなかったか、という点に立ち返ると、この判断は決済代行会社に対する忖度から始まっていることに着目できる。

すると、そこから最初に掘り下げるべき部分は、「そもそもpixivはそうまでしてユーザーの投稿を規制したかったのか?」という点である。

そして、この問いに関しては、おそらく答えは「否」である。

――というと語弊があるのはとても分かる。幾度となくpixivから排除された経験のある人なら、この答えは理解できないかもしれない。
ので、より詳しく言う必要がある。すなわち、ここでの「否」の意味は、「表現規制をしなければ身を守れないと思い込んでいるから、結果的に防御的な規制をユーザーに求めている」ということになる。

pixivは、そもそもR-18コンテンツの投稿をほぼ自由に引き受けることで、大きく成り上がってきたサービスである。2010年代ごろを知っている者からすれば、無修正での投稿すらも今ほどうるさく言われることはなかったのも記憶している人はいるはずだ。あらゆるアブノーマルな性癖を持った投稿者でも、自由に投稿し、同士を見つけあえる場所、というのも、かつてのpixivの立ち位置としては大きく果たした成果でもある。

しかし、2013年からBOOTHが、2018年からFANBOXが運営を開始し、pixivは直接の金銭利益を得るためのサービスを擁するようになっていった。これ自体は企業の営利活動として当然の経過ではあるものの、そこに重なるように決済代行会社などの業者との関わりが、極めて密接になっていくこととなった。

これが直接の原因であるか、という可能性はあくまで「可能性」の域を出ないものの、2020年前後からは特に規制が厳しくなっていったことは間違いがない。pixiv本体サービスでも、あやふやな基準で修正不足を理由にBANされることもあったり(他サービスでOKだったり、同人で頒布したものだったりでも後追いBANの事由っていうことも少なくはない)、BOOTHやFANBOXに至っては「児童搾取に該当する表現」などを「要修正」として記述を禁じたりといったことも激増していったのは、創作者であれば体感的に嘘とは言い切れないはずである。
性器修正に関してだけ引き抜いても、「警察から業務委託されているインターネット・ホットラインセンターからの要請により~」という文言を幾度となく繰り返し、その脅し文句が私の立場によって無効化されていてもなお頑なに使い続けているあたり、倫理が求められる判断すらも極めて硬直化した運営状況であることは明白だろう。

……という現実はまず、前提として間違いなく「ある」ことは事実だ。でも、その事実に対して、「事実」という語のみで消費してしまうのは極めて勿体がない。だからこそ、私はあえてここで問いを立てているのである。「なぜ、そうまでして規制をユーザーに強いなければならないほど焦っているのか?」と。

その問いのもとで見れば、いずれの判断も「そうしなければサービスが生き残れないからやらざるを得なかった」という、無責任ながらに足掻いている様子も見て取れるのである。

  • 「決済代行会社がどれだけ理不尽なことを言ってこようと、機嫌を損ねれば最悪売上を奪われかねない」

  • 「だから、どれだけユーザーから反発されてしまったとしても、まずは売上を確保するべきである」

  • 「これは生き残るための戦略として必要だから、従えないユーザーはリスクとして排除しなくてはいけない」

「決済代行会社の理不尽に対応しきれなくなってきた……仕方がないので、成人向けユーザーに手数料を転嫁させるしか……」

こういった判断がこの数年何度も何度も重ねられてきた結果が、今回の判断なのだろう、というのは容易に推論ができる話である。

すなわち、元凶となっている話の一端、というより元凶の一番大きいウェイトは「決済代行会社・クレジットサービスによる理不尽な規制の要求」というのは、おおよそ見当のつく話だろう。
pixivはそれと、ユーザー/クリエイターの要求や批判、あるいは諦念という避けては通れない構造とで二重に圧力を抱えたまま、そのジレンマの中で溺れている、その板挟みの中で、どうしても生存のためには決済業者に尻尾を振らねばならず、それゆえに利用者の声は無視する必要が生じてしまう。

結果として、ユーザー視点では理不尽にしか思えない判断を、pixivは連発「しなくてはならなくなった」――というところかと思われる。


では、pixivは悪くないのか?

ここまでの構造を把握したうえで、pixivの判断は正当だったか、ということを検証すると、これもまた答えは「否」である。

というか、そのような理不尽をユーザーに強いなければならない状況を認めつつ、それでもあえて決済業者の顔色を伺い続ける選択をし続けること自体が、無責任にすがりすぎと言わざるを得ない。

pixivは確かに、決済業者に嫌われれば、サービスが立ち行かなくなる可能性が極めて高い立場にあることは理解できる。それは従前どおりの事実として、解説した通りである。
しかし、それはユーザーやクリエイターにそのことを説明しなくても良い理由にはならないし、それどころかクリエイターの描きたい表現を一方的に制限しても良い理由には絶対的にならない。

表現者は、どのような悪辣な表現だろうと、「表現をすること自体にまず意味を持っている」のである。わいせつな表現ひとつとったってそうで、だからこそ、私は自分のウェブサイトでわいせつ無修正イラストを堂々と掲載しているのである。なぜなら、「わいせつでなければ描けない価値」を、自分の責任のもとで描いているからである。

pixivの利用者だってそうだ。プラットフォーム上で作品を公開することが原則認められている以上、利用者は何を投稿しても本来許されるはずである。これは、規約以前に「表現の倫理的責任」という指標の中で、自身が「描きたいから描き、見せたいから載せた」という純粋な要求と責任請け負いの中で生じた祈りそのものとして、許されなくてはならない営為のはずだからだ。
それを制限するには、同じく制限する側が倫理的に「そこまで言われても、うちでは掲載できません」と言い切るだけでなく、「なぜ掲載できないのか、なぜ表現が規制されなければならないのか」を、事細かに、個別に説明しなくては、筋が通る話ではない。

それであるにも関わらず、現実としてはその説明責任は、pixivからは果たされてこなかった歴史があるし、今現在ですらその説明は行われないままに、今回のような金銭的責任転嫁をクリエイターに押し付けようとしているのである。

そのような、構造的暴力の繰り返しを延々と続けることが、許されてよいはずが無い。私はそのように思わざるを得ない。


では、なぜそうまでして説明責任を果たしたくないのか?

ここからは、pixivについてあれこれ明確に断言できるほど、私もpixivの内部のことを知っているわけでもないし、それでありながら逐次断言するのは無責任な記述にしかならないため控えるべきである、という前提の元で考察していく。

ともかく、前項において私はpixivを痛烈に批判こそすれど、pixivを批判したところで、結局は何も変わることはないのもまた事実として理解している。「pixivが悪い」と彼らを詰るだけでは、これまでのように制度的に防衛線を張られるだけであり、「個別具体的なことは答えられません」と突っぱねて、さらに無責任にすがろうとするだけで終わる。

だからこそ、私はさらに、その「沈黙」にも意味があるのだと考えるようにしているのである。
彼らpixivが、なぜユーザーの声を聞き入れようとしないのか。なぜテンプレ応答に徹し、その横暴に「従わざるを得ない」と思わされてしまうのか。
これにも、pixivなりに「できないこと」が積層した結果としての応答なのである。

では、改めて「なぜ説明責任を明確に果たせないでいるのか」。

それは、pixivは元来より「責任を請け負うことが苦手だから」という答えに集約できる。それはこれまで引き起こされてきたpixivの不祥事を辿ってみれば、よくわかる話である。

2008年のカオスラウンジ事件とそれに派生される現代アートタグ問題から始まり、特に2022年のセクハラ事件におけるピクシブ社のずさんな対応での無責任さからも分かる通り、pixivはもともと「責任を引き受けて運営をする」ということに意識レベルで希薄なのである。
とはいえ、それもまた「希薄である」という結論のままで終わらせるつもりもない。

なぜ「責任意識が希薄になってしまわなければならなかったのか」。

この問いについては、もはやpixiv内部の構造的問題を照らす話になってしまいかねないが、少なくとも外部から見る限りにおいては、そういった度重なる不祥事を繰り返す中で、「責任を持った語りを会社の顔ですれば、自分たちの今までのやり方を根本から否定する言葉しか残されていない」状況に、自分から沈んでいってしまったから、と言えるのかもしれない。

「Accelerate creativity. 創作活動を、もっと楽しくする。」という企業理念から始まったpixivにとって、「ユーザーに真摯に応えること」は当然筋の通った話である。しかし、pixivにとっては、もはやこの理念に基づく対応をユーザーに行うには、あまりにも不祥事と忖度を抱えすぎてしまった――だからこそ、現在のpixivはユーザーに寄り添った運営を行うということは、倫理レベルから行えなくなっているのだろうと思われる。
だからこそ、必然的にユーザーを切り捨てなくてはならなかったのである。

……もちろん、これはあくまで推察に過ぎないが、「ユーザーを一方的に排除しなくてはならない理由」に対する考察としては、相当に的を得た視点ではないだろうか。

要するに、

説明責任の放棄

ユーザーとの信頼関係の崩壊

対話的姿勢の欠如

更なる無責任な沈黙

という連鎖を、延々と繰り返してきて限界化しているのが、今現在のpixivである、というところであろう。


悪意なき構造的破綻に、ユーザーはどうすべきか

これまでの通り、pixivは基本的に単純な「悪」と断罪できるような構造ではなく、「不誠実に立脚して肥大化したがために、不誠実でしか語れなくなった」という自縄自縛状態に陥ったサービスだと言わざるを得ない。そのようなサービスに対して、ユーザーはどうすべきなのか。あるいは、どのように受け止めるべきなのかを考える。

まず、ユーザーが取れる最も簡単な対応としては、もはや「他サービスを使うべき」であるとしか言いようがない。というより、(あえて暴力的になるかもしれない言い方ではあるが)これほど不誠実な対応に縋らねばならないほどに破綻した構造を持ったサービスを使い続けることは、表現者としてのあなたの責任を否定されてしまう可能性が極めて高いためである。

あなたは、どんなに軽いエロだろうと高カロリーなグロだろうと、「その表現でなくてはならなかったからそう描いた」という必然性のもとで、作品として仕上げたはずだ。その時点で、あなたは自分の作品を「自分のもの」と言い切れるほどに、最低限の責任を自覚して、引き受けていることは否定しようのない事実である。この文脈における「責任」は、あなたの作品にとって、そしてあなたにとってもどこまでも誠実で、尊ばれるべき重大な人格そのものである。

しかし、pixivはそのあなたの大事な「人格」を、自社の経営的事情や決済業者への忖度という理由をもっともらしく言い訳……することすらも放棄して、

しかしながら、昨今の社会情勢の変化に加え、クレジットカード会社や決済代行事業者からの要請により、特にR-18コンテンツにつきましてはコンテンツの審査に必要なコストが年々増加しております。そのため、現在の手数料を維持したままサービスを提供し続けるのが難しい状況となっています。

と、もはやpixivの運営コストと表現規制コストをクリエイターに全面的に押し付けることに、後ろめたさを隠せないほどに限界化している可能性が極めて高いのである。

すなわち、これ以降にさらに決済業者が圧を掛けて、pixivがそれに従い続けていけば、現在の12.9%どころでは済まないほどにさらに収益を削っていく可能性があるのだ。
その上、pixivのユーザー軽視の一方的な規制は、おおよそ撤回されることなく継続されていくことも予見できる以上、今よりpixiv関連サービスでマネタイズを模索するのは、将来的にも健全な活動にはなり得ない。

ゆえに、私もCi-enへの移行を検討し始めているし、Visa/Mastercardを排しているとはいえ、まだ「創作者の表現における責任」に対して理解のあるFantiaやCi-enを使うほうが、創作活動においても不要なストレスを抱えずに行うことができるだろうからだ。

もちろん、その移行が億劫となる可能性は否定できないし、それでもFANBOXを応援したい、という気持ちを持つ方もいることは、私も認めている。
しかしながら、自分の表現のあり方や創作への真摯さを強く持っている人ならば、今のpixivの「無責任にならなければ生き残れない立場」という泥舟に、一緒に乗っかって沈むなんてことをしなくても、もっと安定して経済活動もできる環境もあるのだから、移行しない手はないと、私は思う。

更に言えば、というかこれはもっとよく考えてほしいのだが、pixivの今回の手数料値上げは、構造的に見れば「表現規制の原資を表現者に支払わせる」という形となっている点は、倫理的に相当外道を突っ走った態度である。
それはすなわち、あなたの懐のお金で、他の罪のない成人向け作家が理由なく排除される構造に加担していることを意味する。

その倫理的な「ヤバさ」を聞いてもなお、それでもpixivFANBOXを利用し続けるのなら、それもまた覚悟ある選択だと思う。だが、わずかにでもそこに背徳を感じたのなら、今すぐにでもpixivから離れるべきである。
制度的な加害の責任を、あなたにも負わせようとしている。それが、今のpixivの姿だからだ。

とまあ、ここまでを掘り下げて現実的に考えれば、結局pixiv(とその関連サービス)は利用しないのが正解になりつつあるのだ。
今はFANBOXのみだが、同様の理由でBOOTHも手数料の値上げを打ち出してもおかしくない。
そのうえ今よりも規制が厳しくなる可能性を否定できる根拠すらないのだから、これらに乗っかり続けるのは、今や極めて非合理的な判断にならざるを得ないのである。


最後に:決済業者に対してできることは?

ここまでを念頭に踏まえ、pixivがこうならざるを得なかった元凶である、決済業者に対してできることはないのか。
その答えは、「限定的には対抗できるが、即時的な手段はない」である。

決済業者がなぜここまで横暴な経済的検閲という暴力を振るうことができているのかといえば、そもそもに「その検閲の責任を、誰一人引き受けようとしない」「責任を引き受けなくても許される構造が業界の根本から成立している」という前提があるためである。

たとえ、経済的検閲によって取引相手が干上がり、廃業したとしても、「判断はブランドが……」「代行会社が……」「アクワイアラが……」といった形で、どこか別のところに判断の責任を転嫁できる構造が、徹底的に存在し続けているのがまず問題である。

  • その判断の責任は誰にあるのか。

  • 誰がそれを許可したのか。

  • その制限によって相手が不利益を被ると分かっているのか。

  • 分かっていてなぜそうしなくてはならないと思ったのか。

  • その確信は、どんな倫理に基づいているのか。

そういった問い詰めに対して、決済業界は徹底的に目を背けてきたことは構造からも明らかだし、事実、これらの問いに対して明確に返答できる余地は、ほぼないというのが見立てである。だから、これを決済業界が突きつけられたところで、おそらくは無視されるのが関の山だろう。

だからこそ、それを関の山だと終わらせてはならないのである。

これらの問いに答えられなかったということ。それ自体が、何よりも構造が不整合であることの証拠で、決済業界全体が不健全な業界となっている可能性を示唆している。これは既に、この時点で論理的に成立しうる話であることから、この点をもって政治に働きかけることが、今まさに表現者の前に市民である私達に課せられた、社会に対する責任のあり方ではないか、と思うのである。

「経済的検閲によって一部の合法的な業界が一方的に干上がらせられている可能性を指摘して、なおも決済業界は応答を拒絶している」
という沈黙自体がなによりの証拠であり、それで当事者が廃業が頻発することが状況から分かっていて、それでもなおあえて廃業「させてでも」「検閲したかった理由」を問うために政治に訴えるというのは、極めて合理的な社会への態度となる。

クリエイターは政治を語るな、というのは合理的ではない。
合理的でないと感じた感情の発生源を論理で問うことにこそ、個々人での現状への対策の道が切り開かれうるのである。

それを各人、この記事を書いた私も含め、各々の責任として語ることができたなら、自ずと後退した表現の場を回復させることも、そう難しくはないと、私は信じている。

だからこそ、今はまずpixivから撤退するところから始めてみるのが良いと、私は提案したのである。


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