竹中平蔵「給料を上げるのは間違った政策だ」石破茂も結局はポピュリスト「利権団体を守る自民党」と参政党への危惧
石破茂も結局はポピュリストだ
これは政治家だけの問題ではありません。国民が政策をちゃんと考えなくなって、「自分に寄り添ってくれるか」ということだけで投票行動を決めるようになった。国民の政策理解度が落ちています。 また、メディアの政策理解度も落ちています。普通のワイドショーの司会者が政策議論をやっているから、表面的な問題にしかならない。これでは本質的な政策議論は不可能です。 かつて池田勇人内閣が1960年代に掲げた所得倍増計画(10年間で実質GDPを2倍にするというもの)を引き合いに出す人もいますが、あの時は下村治という優秀なブレーンがバックにいて、この成長は可能だということを理論的に裏付けていました。GDP1000兆円の公約などには裏付けがなくて、まさにポピュリストとしての発言なのです。 そういう意味では、石破さんも結局はポピュリストです。都合のいいことしか言わない。重要なことを避けて通っている。そして、ここまでくる自民党は本当に一度負けた方がいいのかもしれない――そう思っている自民党支持者は少なくないと思います。 そんな中で、東京都議会議員選挙では参政党が躍進したことが話題になりました。これは新しい現象だと思います。ここまで伸びると予想できた人は少なかったはずです。
私にどのぐらい寄り添ってくれるの?
なぜこのような現象が起きているのでしょうか。今回の選挙みたいに各党の政策に違いがないと、不満を持っている人が「私にどのぐらい寄り添ってくれるの?」ということが投票先を左右することになってきます。 前の衆議院選挙で国民民主党が「手取りを増やす」と掲げましたが、それはまさしく「寄り添ってくれる感じ」がしますね。今度は参政党の「日本人ファースト」です。現状に不満を持った人たちにとっては「寄り添ってくれそうな感じ」がするのでしょう。 今、「自分たちは取り残されている」という思いが、国民の間にすごく広がっています。その蓄積された感情を、参政党はうまく拾っているように思えます。 ただし、参政党の政策はよくわかりません。読んでみてもいまいちわからない。参政党の元幹部は「メロンパン一個食べて翌日に死んだ人はたくさん見ています」などと発言していたこが話題になりましたが、これは完全に陰謀論の世界の話です。