「ほぼ下着で腰を振る姿に愕然」上京した娘が地下アイドルもどきとして性搾取されるまで。可視化された「可愛い」がもたらす悲劇【専門家解説】
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若年層を中心に、美容整形やそれを生かした仕事への関心が急増している。SNSや動画配信の発展によって、タレントやインフルエンサーのみならず、水商売で働く女性など、「可愛くなって稼ぐ」モデルケースが可視化されたことで、従来とは異なる憧れが生まれつつある。
美容案件に詳しいジャーナリスト・小諸弓氏はこう話す。 「厚生労働省の医療施設調査によると、美容外科標榜診療所は2020年から2023年の3年間で43.6%増加し、2,016施設に到達しました。特に20代・30代の美容外科医の割合が増えており、若い世代の需要拡大に対応しています」 さらに、日本美容外科学会の「全国美容医療実態調査」では、美容医療の施術数が2024年に305.8万件と過去最高を記録したという。 「非外科的施術を中心に、心理的ハードルの低い“プチ整形”が急増しています。特に若い世代の抵抗感は年々薄れている印象です。整形の理由としては、コンプレックスの解消や自己満足といった声が多く聞かれます。国民生活センターには、美容医療に関する相談が2023年度に6,264件寄せられ、前年度(3,798件)から大幅に増加しています。そのうち健康被害などの“危害相談”が848件(女性が80.1%)に上っており、『可愛くなって稼ぐ』という目的への投資が活発化する一方で、消費者トラブルも増加しているのが現状です」 小諸氏は続ける。 「『みんなやってる』『可愛ければ勝ち』という短絡的な発信がSNSでバズることの影響は非常に大きい。一方で、整形のリスクや、キャバクラ・地下アイドル業界の構造的な問題については語られる機会が少ないのが実情です。特に、承認欲求や孤独を抱えた若者ほど、“手っ取り早い居場所”としてこうした世界に飛び込んでしまうケースがあります。背景には家庭との関係性や、自己肯定感の低さが関係していることも少なくありません」 実際に、ある母親は、大学に進学した娘が整形を繰り返し、“消費される性”の世界へ足を踏み入れてしまったことに深い衝撃を受けている。 「大学進学後、1年ほど顔を合わせていないうちに、娘はまるで別人のようになっていました。コンセプトカフェで働いていることがわかり、さらには一糸纏わぬ姿で地下アイドルとして踊っている現場を目撃して…。ほぼ水着で腰を振っているんですよ?あんな露わな姿で…。もうどうしていいのかわかりません。自分たちの教育が足りなかった——そう思うと、悔やんでも悔やみきれません」 次女が可愛いという言葉にほだされて行った行為は【関連記事「脱いでなんぼ」の世界線に唖然。娘が歩む引き返せない修羅の道と母の過去】でお読みいただける。 【取材協力】美容ジャーナリスト|小諸弓氏 【聞き手・文・編集】常田真悠 PHOTO:Getty Images 【出典】厚生労働省|医療施設調査
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