「なぜ “火” を選択した…」交際相手への執着で放火、ストーカーの元消防士…専門知識を悪用した犯行に懲役6年の実刑判決 殺人予備は無罪 恋愛感情から暴走した軌跡とは
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「なぜ “火” という選択をとったのか…」と問われた元消防士の林陽太被告(27)。消防学校で学んだ知識が、皮肉にも重大な犯罪の道具となってしまいました。富山地方裁判所は7月11日、高岡市消防本部の元消防士、林陽太被告に対し、現住建造物等放火罪などで懲役6年の実刑判決を言い渡しました。一方で殺人予備・放火予備については無罪としました。 【写真を見る】「なぜ “火” を選択した…」交際相手への執着で放火、ストーカーの元消防士…専門知識を悪用した犯行に懲役6年の実刑判決 殺人予備は無罪 恋愛感情から暴走した軌跡とは 林被告は2022年8月、かつて交際していた女性のAさん(当時22歳)の新たな交際相手の男性の実家に放火。また2023年5月には、Aさんの自動車にGPS機器を無断で取り付け、97回にわたり位置情報を取得するストーカー行為を行いました。 さらに同じ月、Aさんが勤務する消防署内の女性専用室に2度にわたり侵入するなど、一連の犯行で起訴されていました。 林被告は「自分の思いを優先させていた」とし、Aさんと別れた後も未練を断ち切れずにいて、GPSで監視行為を続けていたことについて「今考えると気持ち悪いと感じると思う」と述べています。 ■「怖がらせたかった」殺人予備と放火予備については無罪 裁判の最大の争点となったのが、2024年5月31日未明に立山町のアパートで起きた事件です。 起訴状などによりますと林被告は、Aさんの新たな交際相手である男性のアパートの玄関ポストから約4リットルのガソリンを流し込んだとされています。 検察側は「火災が発生すれば被害者の生命に対する重大な危険が生じる行為を入念に準備した上で行った」として、殺人予備と放火予備の罪に問うよう主張しました。 しかし富山地裁の梅澤利昭裁判長は「被告人にはガソリンの臭いで “被害者を怖がらせるという嫌がらせの目的があった”とするにとどまり、放火するつもりがなかったとの合理的疑いが残る」として、これらの罪については無罪と判断しました。 林被告は公判で「ガソリンを流し込んでその臭いで恐怖を感じさせる計画だった」と主張。火をつけるための道具は持っていなかったと述べていました。
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