「骨も丸ごと食べられる魚」の養殖に成功 どうやって、骨をやわらかくしたのか?
子どもが熱中できることを応援する
杉浦教授は、子どものころから魚が大好きで、魚を捕ったり飼育したりすることに熱中していました。 「興味の対象がマンガやゲームではなく、魚でした。魚以外の勉強は身が入らず、すぐに眠くなりました。高校生のころは魚に関する一般知識は十分ありましたが、より専門性の高い知識を得たくて水産学部に進学しました。好きなことはもっと知りたいと思って勉強しますよね。実際、専門分野の勉強はとても楽しかったです」 最近の学生を見ていて感じるのは、「授業にはきちんと出席し、真面目ですが、学びに対して受動的で、つつがなく卒業して就職することを目標にしている学生が多い」ことだといいます。 「私はお子さんが最も熱中できることを全力で応援してあげるのが、保護者の役目だと思います。子どもはそこに何か感じるものがあるのですから、『完全燃焼するまで、とことん自分でやってみなさい』と背中を押してあげましょう。『一生懸命やる』というのが大事で、仮にそれが将来に直接つながらなかったとしても、いずれ自分のやりたいことを自分で見つけて頑張っていく原動力になるはずです」 <プロフィル> 杉浦省三(すぎうら・しょうぞう)/滋賀県立大学環境科学部生物資源管理学科教授。栽培漁業センター、民間養魚場勤務を経て、青年海外協力隊(シリア水産局タブカ支所)で国産飼料の開発研究に従事。その後、米国オーバン大学、ワシントン大学、アイダホ大学、ニュージャージー医科大学などで魚類栄養学・飼料学の研究を行う。2005年、滋賀県立大学環境科学部助教授を経て、2014年から現職。専門は水産増養殖、魚類栄養学。ハーバード大学大学院では教育哲学を専攻。著書に『父性教育論』(丸善プラネット)など。
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