消費税減税で日本経済が復活すると考えている経営者やマネジメント層は「コスト削減」や「コストパフォーマンス」に関する話題を好む人が多い。
なぜかというと、「消費税減税」を支持する人たちは、そもそも「消費税」を無駄なコスト、あるいはコスパの悪いシステムとして忌み嫌っているからだ。
彼らはこのムダなコストを削減することで、人も企業もそこで浮いたお金を経済活動に回せると考えている。コスパの悪いシステムがなくなれば効率よく経済が回り、減税に費やした財源もあっという間に回収できる、というわけだ。
ただ、残念ながら経済の専門家の中には、そのような都合の良い好循環は起こらないと考える人のほうが多い。
本連載の記事「消費税10%時代は終わるのか 減税論が企業戦略に与える波紋」(ITmedia ビジネスオンライン 2025年4月16日)の中で詳しく解説したが、コロナ禍で欧州では一時的に消費税減税を実施したが、消費喚起の効果はほとんどなく、個人も企業も「貯蓄」が増えただけだった。
これは「経済の原則」からすれば、何ら驚くべき話ではない。「国のバラマキ」によって平等な社会がつくれると主張していた共産主義国家の多くが崩壊し、中国が米国に匹敵するほどの弱肉強食社会になっていることからも分かるように、「国のバラマキ」では経済は成長しないのである。
人や企業が消費や投資にお金を注ぎ込むのは、基本的に給料や売り上げが上がったときだ。自分たちが成長して「稼ぐ力」が増えたことで、はじめて「消費する力」も上がっていく。それを受け、内需が7割を占める日本経済も上向いていくのだ。
ただ、消費税減税という「バラマキ」では、このような好循環を生み出すことはできない。
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