代表的なものは以下の3つである。
(1)「人口減少」という重いテーマを避けがち
(2)「コスト削減」や「コスパ」が大好き
(3)将来への投資より「目先の利益」
(1)については、現在「消費税減税」を訴えている参院選候補者の主張が分かりやすい。先日、都内である候補者の街頭演説を聞いていたら、集まった聴衆にこんなことを訴えてきた。
「皆さん、日本の衰退は1997年に始まりました! この年に何があったか分かりますか? そう、消費税が3%から5%に上がったんです」
この候補者によれば、「失われた30年」は5%、8%、10%と消費税を上げ続けてきたことで、日本人の消費や企業の経済活動がすっかり冷え込んだことが「元凶」だそうだ。だから、これを元に戻せば日本経済もスコーンと上向いて、物価も下がっていくという。
もちろん、いろんな主張があっていいのだが、驚いたのはこの日本経済論の中で「人口減少」という概念にまったく触れられていなかったことだ。
経済の専門家の中には、日本衰退の最大の要因を「人口減少」と位置付ける人が少なくない。例えば、この候補者が“日本衰退元年”と位置付けた1997年の生産年齢人口(15~64歳)は約8700万人で、そこから減少の一途をたどり、2024年には約7300万人となっている。この27年で、生産・消費活動の主役である現役世代が1400万人減少しており、これは東京都の人口に匹敵する規模だ。
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