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7.安心・安全の防災大国
7.安心・安全の防災大国
①令和6年能登半島地震からの復旧・復興
◎令和6年能登半島地震の被災地・被災者に寄り添いながら、自立再建が難しい被災者への住宅供給となりわいの再建・創造を実現するとともに、和倉温泉をはじめとする観光地や輪島塗などの伝統産業、農林水産業など、能登半島の魅力を活かした「創造的復興」を全力で推進します。
●上下水道の本格復旧を進め、復旧に際して十分な耐震化を行います。また、道路、港湾、河川、砂防、海岸、空港についても本格復旧工事を迅速に進めます。さらに、液状化ハザードマップの作成等を含む液状化対策を強力に推進します。加えて、宅内配管の修繕等への支援、非常時の代替水源として地下水等の利活用を推進します。
●復興まちづくり計画に基づく事業の実施に向けた具体的検討を支援するため、直轄調査や都市再生機構による技術支援の実施を推進します。
●円滑な公費解体が進むよう石川県と連携して取り組みます。また、災害廃棄物について、実行計画に基づく処理を着実に進めます。
●仮設住宅等における福祉・介護サービス等の提供体制の確立、デイサービス機能等を有するサポート拠点の整備を進めます。また、地域コミュニティの再生をめざし、NPOやボランティア団体等との連携により、要配慮者への見守り・訪問相談等のアウトリーチ型支援を強化します。
●災害公営住宅の建設を支援します。また、災害公営住宅にも、高齢入居者のための福祉・介護サービス機能等を有するサポート拠点及びコミュニティルーム等の整備を進めます。
●被災地の中小・小規模事業者への財政・金融支援をきめ細かく着実に実施するとともに、観光業、農業、漁業、伝統産業等への支援を強化します。「和倉温泉の創造的復興ビジョン」の実現とともに、輪島塗などの伝統産業や朝市の復活支援、農林水産業の再生等を通じて、能登地域の経済的支援を進めます。
●復興担当教員の加配を実施し、被災した子どもの心のケア、学習支援などに万全の体制で取り組むとともに、仮設住宅建設等で使用できなくなった校庭の代替地を確保し、子どもの安全・安心な居場所・学習場所・遊び場づくりを推進します。また、学校施設、社会教育施設、文化財、社会福祉施設等の復旧を支援します。
●被災者・被災地の支援にあたる医療・福祉等の専門人材や自治体の応援職員、ボランティアや民間支援団体等に対する宿泊や休息などに関する情報提供の徹底や相談窓口の設置や心のケア、被災地へのアクセスの向上など、支援する側への支援の充実を図ります。
●能登半島国定公園をはじめとする、被災した自然公園等施設の復旧を支援します。また、石川県が「創造的復興プラン」で示す、能登半島の豊かな自然資源を生かしたツーリズムと地域づくりの推進に向け、「トキと共生する里地づくり」の取り組みやトレイルの創設の取り組み等を後押しします。
②防災・減災・国土強靱化
◎埼玉県八潮市の道路陥没事故を受け、インフラ老朽化対策を強化します。「新たな5か年対策」として5年で20兆円強の事業規模の国土強靱化実施中期計画に基づき、防災・減災対策を強力に進めます。特に「防災道の駅」について100カ所の選定をめざし、重点的に支援するなど「災害対応拠点」を整備します。
●集中豪雨・台風・地震等による大規模災害からの被災地域が早急に復旧・復興できるよう、国庫補助金や特別交付税をはじめとした地方財政措置による十分な財政支援を講じます。
●地方自治体の防災対策を支援するため、関係府省庁が所管する防災・減災、国土強靱化に資する交付金や補助金、地方債など地方財政措置の充実・強化を図ります。また、全市区町村における国土強靱化地域計画の策定達成とともに、同計画に基づく取り組みを促進します。
●2026年度に設置予定の「防災庁」について、専門的な防災人材の確保・育成などにより、災害対応力を強化するとともに、十分な予算を確保し、都道府県や市町村への支援を充実します。また、最先端技術の活用等による大規模災害のデータ解析・集積による対応能力向上や対策の強化を図ります。
●全国の上下水道の耐震化率向上を図ります。また、緊急輸送ルートの整備、あらかじめ道路を多重化するリダンダンシーの確保、高速道路のミッシングリンク(未整備区間)解消を加速します。さらに、スーパー堤防の整備、水門や陸閘(りっこう)の新設・改良等の対策を強化します。
●線状降水帯の予測精度の向上を進め、発生可能性の半日前予測について、2029年に市町村単位での情報提供をめざします。また、次期静止気象衛星の2029年度の運用開始、海洋気象観測船やスーパーコンピュータを用いた技術開発などを推進します。さらに、気象防災アドバイザーや防災士等の人材の育成・確保を推進します。
●災害時に被災した電気・ガス・水道・通信等のライフラインの復旧状況の迅速・的確な情報提供を行うとともに、産業インフラやサプライチェーン等の強靱化、環境整備を促進します。また、平時から各業界や自治体等との連携強化、ネットワークの深化、リスク分散等に向けたさまざまな取り組みを進めます。
◎避難所や防災拠点となる公共施設等への太陽光発電設備などの再生可能エネルギーと蓄電池の導入は、災害時における照明や冷暖房器具の使用のほか、重要なライフラインとなるスマートフォンの充電など「電源の確保」につながるため、全国の避難所や防災拠点への再エネ・蓄電池の導入率100%に向けた取り組みを進めます。
●災害による停電時の医療機関をはじめ重要施設の電源確保を進め、電源車の優先的派遣体制の整備等を図るとともに、停電時にも地域住民の給油拠点となる「住民拠点サービスステーション」の整備を加速します。また、電動車を活用した災害時の電力供給機能の強化を図ります。
●被災都道府県における保健医療活動を総合調整する保健医療調整本部の設置を踏まえ、さまざまな保健医療活動チームとの連携、調整機能の強化等に努めるとともに、各地域(都道府県、市町村)に配置される「災害医療コーディネーター」の体制等を強化します。
●災害拠点病院、救命救急センター、社会福祉施設等の人命に係る重要施設の機能を維持するため、浸水対策など耐災害性強化、給水設備の強化、非常用自家発電設備の整備、危機管理対応力の強化を図ります。また、在宅の人工呼吸器使用患者に対して貸与可能な簡易自家発電設備の整備を促進します。
●災害時に被災した医療機関の支援に必要な情報をより迅速に収集・提供するため、医療機関等が利用する「EMIS(広域災害・救急医療情報システム)」のさらなる操作性向上等の機能拡充と、ユーザーの習熟度向上、研修体制の構築等を図ります。
●ドクターヘリの効果的な活用ができる全国的なネットワークづくりを含めた配備を進め、災害時の消防防災ヘリとの連携や運用体制等を強化するとともに、操縦士や整備士を育成・確保します。また、災害現場等に救命救急センターから医師や看護師を迅速に派遣するドクターカーの導入を促進します。
●災害などあらゆる状況でも、通信・放送インフラを確保するため、大容量蓄電池や携帯電話基地局、移動型基地局、無電柱化等の整備・強化を進めるとともに、被災状況を早急に把握できる最新技術の開発を支援します。
●南海トラフ巨大地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震、首都直下地震などの大規模な地震に備えるため、海岸堤防の整備、土砂災害対策、インフラや公共施設等の耐震化・老朽化対策、ブロック塀等の安全対策、空き家等の老朽建築物の除去などを進めます。
●南海トラフ地震の「臨時情報」に対する地域住民の事前避難や地域防災計画の周知、市町村への支援を推進します。また、地震による津波情報の高精度化、情報提供体制の強化を図ります。また、地震・津波観測監視システムの高度化・広域化を図り、空白地帯の解消をめざします。
●日本海溝・千島海溝地震の被害想定を踏まえ、吹雪や積雪寒冷による避難時間の増幅や屋外避難による低体温症のリスク等、積雪寒冷地特有の課題に対して、事前の防災対策を講じる等、避難対策を整備・強化します。
●流域全体で水災害を軽減させる「流域治水」を強力に推進するとともに、健全な水循環のための「流域総合水管理」を推進します。また、河川の氾濫対策を進めるとともに、ダムを活用した事前放流、砂防ダムの整備、盛土の安全確保のための調査・工事などを進めます。
●内水氾濫対策を進めるため、排水ポンプ車の整備、小型浸水センサの普及などを進めます。浸水ハザードエリアにある住居などの移転や改修への支援を強化します。また、津波・高潮等のハザードマップの作成を促進し、浸水被害防止区域や津波災害特別警戒区域、災害危険区域等の指定を進めます。
●マイ・タイムライン(住民一人ひとりの防災行動計画)の普及促進を図ります。自動起動ラジオの配備などを進め、高齢者や障がい者など災害弱者の避難対策を強化します。また、「液状化しやすさマップ」や「まるごとまちごとハザードマップ」の作成を推進します。
●電線を地中化する無電柱化を進め、災害時の緊急車両のスムーズな通行を推進するとともに、良好な景観の確保、歩道の拡幅、ベビーカーや車いすの方の安全確保などを図ります。
●耐震強化岸壁を核とした防災拠点の確保による支援側・受援側の港湾が相互に連携した海上支援ネットワークの構築、港湾において官民の関係者が協働してハード・ソフト一体の各種施策で気候変動適応に取り組む「協働防護」の推進など、港湾の強靱化を進めます。
●首都・東京における大規模災害発生時に、首都中枢機能が維持できるよう、迅速かつ確実に機能し得る首都機能のバックアップ体制、人口や都市機能などの一極集中を是正する取り組み、代替機能の整備の充実・強化を図ります。
●事前復興まちづくり計画の策定について、十分な予算を確保するとともに、計画策定を検討・実施する自治体に対する技術的助言などの支援を推進します。
●気候変動による海面水位の上昇や海流変化、治水対策の推進等に伴う河川からの土砂等の流入量減少、堆積減少に伴い、沿岸部の養浜が必要な地域が増加していることを踏まえ、陸域から海域への土砂供給と養浜対策との関係の研究促進、具体的な養浜対策を進めます。
●住宅や建物の耐震性向上や耐震診断、耐震補強や改修にかかる諸費用の負担軽減、エレベーターの「地震時管制運転装置」の設置などを促進します。また、市街地の不燃化、延焼遮断帯の整備を推進するとともに、感震ブレーカーの普及を図ります。
●大規模災害の被災地における断水への対応として、井戸水の活用を進めます。井戸の所在の確認、井戸所有者の協力要請及び事前登録、定期的な水質調査を推進するとともに、災害時の活用についても各自治体において地域防災計画に記されるよう取り組みます。
●災害等の緊急時に企業等が事業継続のための体制や対策を備える計画であるBCP の策定を促進するとともに、策定・運用がなかなか進まない中小・小規模事業者に対する普及・啓発や支援を行います。さらに、認定制度である「事業継続力強化計画」の普及・促進を図ります。
●防災における世界共通の国際規格「防災ISO」を策定し、防災に役立つ製品やシステム、サービスを提供する民間企業などのさまざまな取り組みを促進し、新たな防災産業の発展を図ります。また、防災における国際貢献・協力の取り組みを国連等と連携し推進します。
●大規模災害時に発生する災害廃棄物を円滑に処理するため、広域処理体制の強靱化を図ります。また、市町村における「災害廃棄物処理計画」の策定や改定を促進するとともに、民有地内の堆積土砂等の撤去作業への支援を行います。
●TEC-FORCE(国土交通省緊急災害対策派遣隊)の体制・機能強化を図るとともに、復旧・復興を担う自治体の技術職員の不足に対し、平時・大規模災害時にわたって全国の自治体職員の派遣体制の強化を図ります。
●消火活動中心の防災訓練を見直し、地域防災リーダーなどの防災人材の育成・活用、災害対応能力の向上を図り、地方自治体や地域の防災力を強化します。
●地域防災力向上のため、「地区防災計画」の策定を促進するとともに、防災訓練や防災イベントを含めた地域の防災教育等、住民一人ひとりの災害対応力や防災の知識や技術を養うための取り組みを加速します。
●災害ボランティア人材の育成・確保のための仕組みを充実させるため、ボランティアコーディネーター等の人材育成や、重機・建築・設備等の専門職ボランティアのネットワーク化等の取り組みを推進します。
●サービスステーション(SS)の災害対応能力の強化やネットワーク維持等を通じて、燃料供給体制を強化します。
●学校教育における災害リスクの学習、実践的・効果的な避難訓練やワークショップの実施、学校と地域防災コミュニティが連携・協働する取り組みを推進します。また、幼稚園や保育所での避難訓練の実施や未就学児を対象とした防災教育を推進するとともに、教材開発や人材育成を図ります。
●三大都市圏の海抜ゼロメートル地帯において、高台等の整備、学校や公共施設、民間ビル等の活用促進、自治体と連携した水害に強いまちづくり等を進めます。また、大型台風の接近段階で、周辺自治体への避難や垂直避難など実効性のある広域避難対策を推進します。
●津波避難困難地域の解消を図るため、沿岸部における津波避難路や津波避難タワー、人工高台(津波避難マウント)等の整備、津波避難ビルの指定等の津波避難施設の整備・確保、簡易トイレや防風シート等の備蓄確保が進むよう、技術的、財政的な支援を強化します。
●火山噴火による被害軽減のため、避難確保計画の作成の推進、火山研究者の育成と継続的な人材確保、火山に関する調査研究の一元的な推進、登山届のデジタル化ならびにオンライン提出の普及等の対策を進めます。
●火砕流や火山泥流、土石流の発生に備えるため、砂防設備等、火山対策施設の整備を加速するとともに、火山災害警戒地域が指定された全国50火山における市町村の火山防災対策を推進します。
●富士山などの大規模噴火時における首都圏等を含む広域降灰による被害の軽減や、社会的混乱の抑制のための対策を進めます。特に、降灰による交通機関、ライフライン施設等の都市基盤への影響についての的確な調査・研究の実施とともに、具体的な対策の検討を進めます。
●「新総合防災情報システム」(SOBO-WEB)を中核とした防災デジタルプラットフォームの整備を着実に進めます。また、必要な機能を拡充し、地方自治体や指定公共機関での確実な利活用を推進します。
●ドローンや人工衛星を活用して被災地域の状況を早期に把握し、救急救命活動や復旧作業に役立てます。さらに、海底を含む活断層の詳細調査を進め、それに基づいて地域ごとのリスク評価を加速します。これを防災計画に反映させ、インフラの耐震補強や避難計画の見直しを進めることで、被害の最小化を図ります。
●デジタル防災の導入による住民向け防災アプリの開発など利便性の向上を図るため、防災分野のデータ連携基盤の構築・強化、マイナンバーカードを活用した避難所運営などデジタル防災の取り組み、防災分野での民間サービスの周知・普及促進を推進します。
●民間の先進技術を活用した地方自治体の負担軽減や災害対応力の強化、被害の最小化、被災者支援の充実を図るため、「防災×テクノロジー官民連携プラットフォーム」の活用等により、自治体が抱える災害対応の課題やニーズと、民間企業等が持つデジタル等の先進技術とのマッチング支援を強化します。
③被災者支援の充実
◎避難所へのTKB(T:トイレ、K:キッチン、B:ベッド)、スフィア基準の導入など、全国の避難所環境の改善を加速するとともに、在宅避難や車中避難などの「避難所外避難」を余儀なくされる被災者への見守り・訪問、福祉サービスの提供など標準化し、快適で安心できる避難生活・生活再建に向けた切れ目のない支援を実現します。
●災害救助法の救助費について、直近の物価水準を勘案し、適切に決定する仕組みを導入するとともに、災害救助法や被災者生活再建支援法の支援対象の見直しを進めます。
○避難生活から生活再建に至るまで被災者一人ひとりに応じた支援を切れ目なく実現するため、災害ケースマネジメントを取り入れた実地研修や、災害ケースマネジメントのモデル事業等を通じた知見の共有や説明会による周知・啓発など、取り組みをさらに進めます。
●高齢者や障がい者等の避難行動要支援者を確実に避難させるため「個別避難計画」の策定を全国各地で着実に進めるとともに、計画策定が一部に留まっている自治体等に対して、策定の支援をきめ細かく行います。
●被災後に心身への負担などが原因で命を落とす「災害関連死」について、全国主要市区の半数で認定のための審査会設置を条例に規定していないことから、迅速な審査を行うためにも、条例による審査会設置に関し自治体を後押しします。
●被災者に迅速な住まいの提供を行うため、平時から空き家や民間賃貸住宅、公営住宅の空き室等を登録・確保し備えるとともに、全国のムービングハウス、キャンピングカー等の移動式応急仮設住宅等の活用を推進します。また、仮設住宅やみなし仮設でのペット飼育可準備を迅速に進めます。
○高齢者や障がい者、妊産婦・乳幼児等の要配慮者を受け入れる福祉避難所の指定を促進するとともに、受入対象者を調整し、人的・物的体制の整備等を図ることにより災害時に直接、福祉避難所への避難等を促進するなど要配慮者の支援を強化します。また、緊急防災・減災事業債を活用した指定福祉避難所の強化を進めます。
●帰宅困難者に向けた、災害状況や公共交通の運行状況などの情報提供体制を強化するとともに、被災者に避難等に必要な情報を自動で提供する「防災チャットボット」などのAI等の最新技術を活用した避難対策や防災対策等を進めます。
●帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設の確保を進めるとともに、高齢者や障がい者等の災害弱者への配慮を図りつつ、備蓄の確保等を進めます。また、より多くの一時滞在施設の確保に向けて、民間施設の協力等も含めた対策を進めます。
●被災自治体が支援を迅速に受け入れられるよう、支援協定の締結と活動拠点の確保を推進します。家屋や建物の危険度及び被害判定を合理化し、住宅の解体や災害廃棄物処理の手続きを簡略化・効率化します。
●被害認定調査や罹災証明書の発行手続きの簡素化・迅速化を図るとともに、デジタル技術、AIやドローンを活用した被害状況の調査が可能となる省力化の取り組みを進めます。また、住居被害が準半壊以下であっても、ライフライン等の損壊により生活の再開が出来ない場合の被災認定のあり方についても検討を進めます。
●防災基本計画に基づき、「人とペットの災害対策ガイドライン」を活用した取り組みを強化するとともに、ペット並びに同伴避難が可能な避難所の整備・見える化や同行避難訓練の実施など災害時のペット対策に取り組む自治体に対する支援を充実させます。
●災害発生時に、住民に分かりやすい災害情報や避難情報、公共交通機関の情報等を提供するため、ケーブルテレビの光化やラジオ放送ネットワークの災害対策の推進等、情報通信基盤の強靱化を進めるとともに、緊急速報メール、スマートフォン向け情報サイトやアプリ等の連携や活用、機能強化等を図ります。
●多言語による災害に関する情報発信等、外国人が必要な情報を入手できる環境整備に取り組みます。また、SNSの特性を活かした災害情報の発信を強化するとともに、社会的混乱防止のため、誤った災害情報やデマ等への対策を講じます。
●被災者が安心して生活再建できるよう、医療・保健・福祉の協働・連携体制の構築を一層進めます。また、「クラウド型被災者支援システム」を活用し、避難所の管理を適切に実施し、罹災証明書の早期発行・交付を行うとともに、義援金等の支援をプッシュ型で行う体制を整備します。
●大規模災害が発生した際に、民間のデジタル人材を地方自治体の災害対策本部に派遣し、災害対応のデータベースやシステム構築など技術的サポートを行う仕組みである「災害派遣デジタル支援チーム(仮称)制度」を創設します。
●地域住民に正確で適切な情報を提供し被災者の心のケア等にも資する「臨時災害放送局」(災害時の臨時FM放送局)について、各自治体が資機材やアナウンサー等放送局開局の備えに向けた体制整備を促進します。また、信頼性の高い情報を確実に入手できるよう、地方のケーブルテレビネットワークの光化や辺地共聴施設の設備更新を促進し、耐災害性強化を推進します。
●救助活動時等における、ハイスペックドローンや小型軽量化された車両・資機材を全国配備するとともに、緊急消防援助隊や常備消防を充実・強化します。
●女性や若者にも興味や目的感をもって消防団に入団していただくため、処遇の改善やドローンなどのDXを含めた資機材の整備、防災知識の向上、スキルアップへのサポート等による、団員の一層の確保を進めるとともに、地域の防災力の向上を図ります。
●有事を含む「こどもまんなか社会」の構築へ、被災地での子どもの居場所づくりを含めた心のケアの取り組みを推進します。特に、被災した子ども等のメンタルヘルスケアに欠かせない「避難所のキッズスペース」を確保するため、避難所ガイドラインを見直し、当該スペースの設置を「初動」で実施する項目に位置づけます。
●能登半島地震を含む自然災害の被災者等の生活や事業の再建を支援するため、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を活用した債務整理支援等を継続します。
●災害時にネットワーク断絶した場合にも被災者支援を切れ目なく実施できるよう、J-LISのクラウド版被災者支援システムとともに、オフラインでかつマイナンバーカードを持ってこなくてもマイナンバーを活用できるオンプレミス版被災者支援システムの両方を自治体において整備することを推進します。
●高齢者を住宅火災事故から守るため、火災予防の徹底、禁煙の推進及び消防庁検討会(「加熱式たばこ等の安全対策検討会」(2019年))で示された火災発生の危険性の低い加熱式たばこへの切り替えなどを含め、情報提供と啓発活動に取り組みます。
④女性の視点を活かした防災・減災対策
●女性の視点を活かした防災対策を推進するため、国の中央防災会議の委員や専門委員の女性の割合を増加させるとともに、地方防災会議の委員に占める女性の割合を3割以上に拡大します。さらに、国、地方ともに、男女共同参画の観点から5割達成をめざし後押しします。
●国・地方における災害対策本部において、男女共同参画を担当する部局の参画や女性職員の配置を進めます。
●女性や子どもの目線に立った防災対策を進めるため、全国の男女共同参画センターの災害対応ネットワークの拡大、地域における「女性防災リーダー」の見える化や育成に向けた研修・訓練の充実、カリキュラムの統一等を図ります。また、平常時から、男性への防災とジェンダー等に係る意識改革の研修等の取り組みを強化します。
●女性の視点を生かした避難所運営を強化するため、避難所等に必ず女性職員を配置し、被災した女性、特に、妊産婦・乳幼児・子育て家庭等のニーズや課題等を把握しつつ、プライバシー配慮、衛生対策、適切な情報提供や相談支援体制の整備、トイレの確保、性被害や暴力、DV が起きるリスクを未然に防ぐ取り組み等を進めます。
●女性の視点からプライバシーを十分に確保できる間仕切り、生理用品、乳児用液体ミルク、紙おむつ等、災害備蓄品の選定・見直しを行い、必要十分な物資の確保を図ります。また、賞味期限間近や、賞味期限を過ぎても一定の検査基準をクリアした食品については、子ども食堂や子ども宅食、生活困窮者等の生活支援につなげます。
⑤東日本大震災からの創造的復興
◎「第2期復興・創生期間」以後も、事故原発炉の廃炉の完遂、除去土壌の復興再生利用・県外最終処分、住民の帰還促進、福島イノベーション・コースト構想と福島国際研究教育機構との連携による新産業の創出、農林水産業・観光・なりわいの再建、移住・二地域居住を含めた関係・交流人口の拡大に総力を挙げて取り組みます。
●震災の経験と教訓を風化させることのないよう、被災地・被災者に寄り添いながら、個人の尊厳が尊重された「人間の復興」、「心の復興」を成し遂げるまで総力を挙げて取り組みます。
●東京電力福島第一原発の廃炉に向けて、「復興と廃炉の両立」を大原則として、廃炉・汚染水・処理水対策を、世界の叡智を結集して安全かつ着実に進めます。また、ALPS処理水の処分について、安全性の確保と風評対策・なりわい継続支援に万全を期します。
●福島復興と廃炉・処理水等対策、特に、ALPS処理水放出に伴う安全確保・風評対策・なりわい継続支援の徹底、帰還困難区域の避難指示解除への取り組み、福島国際研究教育機構の取り組みやスタートアップ創出等イノベ構想の具体化や、なりわい再建、新産業創出や芸術文化も含めた新たな魅力づくり・交流人口の拡大等に取り組みます。
●燃料デブリの取り出しについて、国、東京電力、原子力損害賠償・廃炉等支援機構が一体となり、確実に取り組みます。同時に、研究開発基盤などの整備を進め、原子力・廃炉に係る高度な技術を持った人材を育成・確保するとともに、地域の方々の不安に真摯に向き合い、廃炉の必要性や安全かつ着実に進めることの情報発信に努めます。
●福島県内の除去土壌等について、復興再生利用の案件創出に取り組むとともに、復再生利用の必要性や安全性等の積極的かつ分かりやすい情報発信を進めるなど、県外最終処分に向けて、国として責任を持って取り組みます。
●特定復興再生拠点を中心に一人でも多くの住民の帰還が実現し、移住等も含めて復興が進捗するよう、買い物や医療・介護等の生活環境の整備など、住民が安心して帰還でき、円滑に生活を再開・継続できる環境の整備に全力で取り組みます。また、移住・定住の促進のみならず、二地域居住、交流・関係人口の拡大に取り組みます。
●福島イノベーション・コースト構想を強力に推進するとともに、衛星・宇宙関連などの将来の産業化も見据えた環境整備も含め、実用化開発や実証の誘致等を進め、産業集積の求心力を高めます。また、福島新エネ社会構想を加速し、再エネ導入拡大を着実に進め、福島再生・未来志向プロジェクト等の取り組みを推進します。
●観光復興を促進するため、福島の復興の姿に触れる「ホープツーリズム」など観光誘客コンテンツの充実・強化や受入環境整備、プロモーションの強化等を図ります。また、ALPS処理水の海洋放出による風評への対策として、被災地の沿岸部における海の魅力を高める「ブルーツーリズム」を推進します。
●福島をはじめ被災県の水産物や水産加工品を販売促進する取り組みへの支援や、風評に伴う万が一の需要変動に対応した基金等による支援を行うとともに、福島の漁業の本格操業に向けて、漁業人材の確保や就業に必要な漁船や漁具の導入を支援します。
●風評の払拭に向け、科学的根拠に基づいた分かりやすい情報発信を強化します。特に、放射線教育副読本などの活用や、SNSでのプッシュ型広告の活用など、子どもや若い世代への教育・啓発を進めます。また、震災や原発事故の経験や記憶、教訓をさまざまな形で伝承し、風化対策を継続的に実施します。
●地震・津波被災地域については、心のケアやコミュニティ形成等の被災者支援、造成された土地や津波被災を受けた移転元地等の活用、中核産業である水産加工業の再生などの残された課題への対応を着実に進めます。
●震災による犠牲者への追悼・鎮魂とともに、各地の震災遺構や伝承館、祈念公園や国営追悼・祈念施設とも連携し、震災の経験と教訓を後世に継承します。