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5.活力ある地域づくり
5.活力ある地域づくり
①地方創生の推進
●地方創生推進交付金の必要十分な確保、「地方創生SDGs」の推進、インターンシップの受入企業や業種の拡充、コンパクト・プラス・ネットワークの深化・発展、地域の個性を確立する持続可能な都市再生、居心地が良く歩きたくなるまちづくりなどを進めます。
●地方自治体が、デジタル化や脱炭素化、医療・福祉、雇用対策、防災・減災対策、物価高騰対策等を一層強化し、地方創生や地域経済活性化を進めるために必要となる地方の一般財源総額や地方交付税を最大限確保します。また、臨時財政対策債等、地方の債務残高を縮減し、財政健全化します。
●子ども・子育ての強化に当たっては、地方の果たす役割も大きいことから、自治体が地域の実情に応じて自らの創意工夫により行う独自の子ども・子育て政策を実施できるよう、必要な地方財源を確保します。
●魅力あふれる地方経済・産業構造の創出に向けて、「新しい地方経済・生活環境創生交付金」の継続的な確保や、地方拠点強化税制の拡充・延長等に取り組みます。
●各地域における地方創生を一層推進するため「新しい地方経済・生活環境創生交付金」を活用し、自治体と企業、大学、研究機関などが都道府県域を超えて、広く連携できる取り組みを支援します。
●地域おこし協力隊員や受け入れ自治体への支援を充実させ、2026年度までに隊員1万人をめざすとともに、任期終了後も安心して各地域に定住できるよう、仕事面や生活面等のサポートも充実させます。
●人口構造の変化に対応し、住民サービスを将来にわたって持続可能なものとするため、地域経済や、医療・消防体制等の整備強化における、地域の多様な広域連携形成を推進します。また、定住自立圏の形成に至らない小規模な市町村の広域連携も推進します。
●全国約24,000局ある郵便局については、単身の高齢世帯の見守り支援や行政手続きのサポート、郵便局でのオンライン診療、買い物支援など、地域の拠点の場として活用します。また、郵便局ネットワークを維持するため、収支等の適正化や経営の自由度拡大などの経営基盤強化を推進します。
●自治体が企業もしくは社員個人と契約し、知見やノウハウを活かして活性化を図る「地域活性化起業人」や、人口が急減し、人手が必要な地域へ人材派遣を行う「特定地域づくり事業協同組合制度」の一層の推進を図るとともに、「ローカルスタートアップ支援制度(ローカル10000プロジェクト)」による、小規模創業も含めた、事業の企画から立ち上げ後のフォローアップまで、地域の事業立ち上げについて、地域に密着した、きめ細かい支援をします。
●若者等が都市部から一定期間地方で働き、地方の暮らしを体感する取り組みや住所地以外から、行政サービス等の提供を受ける「ふるさと住民登録制度」等により、関係人口を創出・拡大するとともに、奨学金返還支援による学生等のIJUターンを強力に進めます。
②地域共生社会の実現
●家族や社会の変容、中でも特に単身世帯が増えている実態を踏まえ、税制・社会保障等各種制度の在り方を検討します。
●「第二期成年後見制度利用促進基本計画」、共生社会の実現を推進するための認知症基本法も踏まえつつ、必要な時だけ成年後見制度を利用できるようにするなど成年後見制度を抜本的に見直します。あわせて、総合的な権利擁護支援策の構築に向けて、実践事例の把握・分析に努めるとともに、課題を把握し、権利擁護支援を必要とする方が着実に利用できるようにするための取り組みを推進します。
●「8050問題」など複雑化・複合化した課題を抱えている本人・家族を丸ごと受け止め、包括的に支援する重層的支援体制整備事業を全ての自治体で実施します。
●地域共生社会の実現に向けて、福祉とまちづくり、地方創生との連携や、農福連携など、タテワリを超えた協働を進め、多様な担い手の参画による地域活動の普及・促進の取り組みを強化します。
③デジタル技術を活用した地方の活性化
●高齢者の生活支援やサービスの充実を図るため、単身高齢者の見守りシステムや防犯アプリの整備、SNSやオンラインプラットフォームを活用した地域コミュニティの充実、ネットスーパーやドローン等を活用した買い物支援や配食サービスなど、デジタル技術を活かし、地域住民のニーズや実情に対応した支援を行います。
◎医療機関が少ない地方において、移動が困難な高齢者のために、オンライン診療や健康状態のモニタリング等による地域医療の提供体制の整備、介護施設や在宅介護における人手不足を補うための介護記録の電子化や介護センサーの導入等の取り組みを進めます。
●災害時に迅速な被災者支援が可能となるよう、マイナンバーカードを活用した「被災者支援システム」を整備します。また、地域での避難情報や災害情報を把握できる防災アプリの普及とともに、災害時の避難誘導や救援活動のシミュレーション等を行う「防災デジタルツイン技術」を推進します。
●地方の人手不足に対応するため、AIを活用した製造ラインの自動化や農業ロボットの導入などデジタル技術を活用しつつ、地域産業の振興を図ります。また、地域の企業等に必要なデジタル人材を育成・確保するため、デジタル分野の学びや就労支援等の取り組みを推進します。
●日常生活に必要なインフラサービスが持続可能となるデジタルとリアルが融合した「地域生活圏」を形成するため、医療・介護分野のDX、自動運転バスやAIオンデマンド交通など地域公共交通のリ・デザイン、デジタル行財政改革、ドローン活用含めた物流DX、地方創生テレワークなどデジタル技術を活用した取り組みを加速化します。
●住民本人の理解と納得に基づく「オプトイン」方式で提供されたデータやAI・ビッグデータ等の先端技術を活用し、安全・安心で快適な「スマートシティ」構築を推進します。また、DXを担うアーキテクト等の育成・確保し「人が主役のデジタル共助のまちづくり」を実現します。
●マイナンバーカード1枚であらゆる行政手続きや民間を含むサービスを受けられるよう、文字の大きさなど高齢者や障がい者等が利用しやすい措置を行った上で、活用拡大を推進します。また、身寄りのない方にも行政サービスや居住地域に関する情報を適切に届けるなど、プッシュ型の施策を推進します。
●マイナ保険証を基本とする仕組みへの移行に向けて、医療機関等と連携し安全かつ着実に運用を図るとともに、質の高い医療の提供など、利便性の向上を実感できるような取り組みを進めます。
●救急搬送時にマイナンバーカードを活用して迅速に患者情報の把握を可能とする「マイナ救急」の全国展開をめざします。
●マイナ保険証を持たない方のための資格確認書については、申請がなくてもプッシュ型で交付することになったことも踏まえ、現行の健康保険証の廃止後も、誰もが安心して保険診療が確実に受けられるよう、着実な運用を図ります。
●マイナンバーカードの運転免許証との一体化については、免許更新手数料の軽減などインセンティブ措置や国民への丁寧な周知行いつつ、着実に進めます。
●高齢者施設に入所する際に、本人あるいは代理人が提出を求められる介護保険証、健康保険証、住民票等の行政書類については、マイナンバーカードとの連携によって電子データで提出可能なシステム構築をめざします。
●書かない、待たない、行かない、迷わないなど住民サービスの向上や自治体業務の効率化を進めるため、全国の自治体で行政手続を簡素化・ワンストップ化し、「書かない窓口」や「オンライン申請」等を導入します。また、いつでもどこでも住民の知りたい情報を入手できる「国・地方共通相談チャットボット(ガボット)」を普及します。
●高齢者や障がい者等デジタルに不慣れな方々を支援するため、「デジタル推進委員」の全国展開をめざします。
●デジタル行財政改革を推進するため、国と地方自治体で共同利用するクラウドサービス(ガバメントクラウド)等によるデジタル共通基盤の整備・運用を進めます。あわせて、国内のクラウドサービス事業者の体制強化を支援するとともに、ガバメントクラウド利用料の削減に向けた自治体支援を行います。
●行政手続きのデジタル化を進める中で、隠れ委任等を防ぎ、適切な手続き環境を速やかに整備するため、関係機関や行政書士等専門家等との協議により速やかにガイドラインを策定するとともに、実効性を担保できる仕組みを構築します。
●事業者向けの行政サービスにおいて、マイナンバーカードの利用による利便性を向上し、e-Gov(行政機関が発信する政策や行政サービスなどを集約したポータルサイト)の改善を含め、オンライン申請の簡素化を図ります。
●我が国のデジタル国際競争力の向上の要となるデジタル人材を育成・確保するため、スキル向上や就労支援など官民が一体となった取り組みを強力に推進します。その際、「デジタルスキル標準」(DXリテラシー標準とDX推進スキル標準)を活用したデジタル人材育成のエコシステムを実現します。
●国民の安全・安心や暮らしの利便性向上、事業活動の円滑化・生産性向上を図るため、目視規制や実地検査、書面掲示、対面講習などのアナログ規制をデジタル技術に置き換えるなど、デジタル原則への適合を徹底化するための改革を進めます。
●クラウドベースのデータやツールを活用して、地理的な制限また時間的な制約を受けない作業を可能にし、多様な場所で活躍できる、リモートワーク環境の整備を促進します。
●量子コンピュータ技術について、基礎から応用までの研究等への投資や、拠点整備・人材育成、実用化・社会実装化、セキュリティ対策などを推進します。あわせて、量子技術や基盤技術等の融合を図り、将来的な量子インターネット社会の構築など未来社会の実装に向けた研究開発を推進します。
●社会課題の解決や新たなイノベーション等期待が集まる次世代インターネット「Web3.0」の健全な発展に向けて、ブロックチェーン技術を活用したNFT(非代替性トークン)等のデジタル資産やDAO(分散型自立組織)の法的位置づけ、DID(分散型アイデンティティ)、メタバースとの接合、利用者保護など諸課題について、産学官民が連携し人材育成含めさまざまな環境整備を進めます。
●3D 都市モデル(PLATEAU)などの都市空間データのまちづくり、防災分野等での活用、スマートシティの実装化を推進します。
●デジタル人材の育成・確保に向け、地域セキュリティに特化した実践的な演習や目的に応じてマッチングできる制度の構築を進めるとともに、地方に内外の人材が集まるような知の集積拠点を整備します。
●公園等の公的施設を活用した太陽光発電、ハイブリッドダムなどの水力発電、下水処理場における地域バイオマスの利活用、下水熱、地中熱など再エネの導入、道路の路面を活用した太陽光発電などを推進します。また、下水汚泥を肥料として最大限活用し、持続可能な食料生産への転換や循環型社会をめざします。
●地域の状況を踏まえ、光ファイバー未整備地域の解消を進めるとともに、地方におけるサービスの提供が維持されるように取り組みます。
●住民に身近な地域のケーブルテレビ事業者と連携しての行政情報をはじめ、交通情報、防犯情報、防災情報、災害情報、地元のショッピング情報など、地域住民にとって役立つ情報やサービスの提供などの地域DXの推進を支援します。また、人口減少等により、放送の維持が難しい地域におけるケーブルテレビへの移管や設備更新を支援します。
●医療費控除手続きの簡素化など、医療分野をはじめとする幅広い分野でマイナンバー制度を活用し、行政手続きのワンストップ化など国民の利便性向上に取り組みます。
●個人の医療介護の情報のほか、食事や運動・睡眠といったライフログデータとも連携させるパーソナル・ヘルス・レコード(PHR)の取り組みを強力に推進し、データに基づく個別化された診療や介護サービスの提供、個人の健康増進を実現します。
●医療現場での電子カルテの標準化に取り組むとともに、介護や幼児教育、保育の現場における行政への膨大な報告作業を、デジタル化を強力に推進して標準化するとともに、事務負担を大幅に軽減します。
●医療費控除手続の簡素化や投薬履歴をネット上で閲覧できるようにするなど、医療分野をはじめとする幅広い分野でマイナンバー制度を活用し、国民の利便性向上に取り組みます。
●医療機関における電子処方箋にかかる費用を国で支援するなど、電子処方箋導入の加速化を図ります。
④持続可能な観光立国の実現
◎2030年の訪日外国人6000万人・消費額15兆円達成に向け、三大都市圏に集中するインバウンドの地方誘客を促進するため、観光資源の磨き上げ、地方のコンテンツ造成への支援を推進します。また、宿泊業における従業員の待遇改善、清掃・配膳ロボットやスマートチェックイン機など省力化投資への支援、外国人材の活用等を図ります。さらに、航空便や二次交通の整備、オーバーツーリズムの未然防止・抑制を進めます。
●SNS活用を含む戦略的な訪日プロモーションを推進します。観光地域づくり法人(DMO)の機能強化、MICEの地方への誘致、訪日クルーズ再興、古民家や伝統文化を活かした観光まちづくり、観光列車や観光バスなど移動の充実、訪日客のストレスフリーで快適な旅行環境整備、伝統芸能における外国人対応やマナーの改善などを推進します。
●持続可能な観光地域づくりに向け、宿泊施設の改修等を支援します。また、訪日旅行での消費単価が高い旅行者の誘客を促進し、高付加価値なインバウンド観光に対応した宿泊施設や移動環境の整備、ガイド等の人材育成、海外セールス強化等を集中的に支援します。
●アドベンチャーツーリズムなど体験型観光コンテンツ、エコツーリズム(自然体験型ツアー)、ガストロノミーツーリズム(美食観光)、医療ツーリズム(治療などを兼ねた観光)などを推進します。
●IR(カジノや劇場、ホテル、国際会議場、ショッピングセンター等が一体となった統合型リゾート施設)の整備について、IR整備法の規定による世界最高水準の規制に基づき、観光立国をめざす一環として適切に進めます。
●入国時の受入体制や出国時の免税購入物品の確認等に万全を期すため、税関における先端技術の活用や計画的な体制整備を進め、迅速かつ円滑な通関等の実現に取り組みます。
⑤文化芸術・スポーツの力で人と社会に活力を
●子どもたちが一流の文化芸術に触れるため「子ども無料チケット」など文化芸術鑑賞の充実に取り組みます。また、子どもたちの心の財(たから)を積む大切な機会となる文化芸術鑑賞の機会を小中学生が少なくとも年1回得られるよう取り組み、身近な劇場等での公演を子どもたちが無料で鑑賞できる事業や、伝統文化親子教室の充実を図ります。
●リラックス・パフォーマンスをはじめとした障がい児者も鑑賞しやすい実演芸術の公演や、障がい者等による文化芸術の公演提供等で障がいの理解を深めるユニバーサル公演、支援人材の確保など障がい児者の文化芸術活動を推進します。障がい児・者の文化施設やスポーツ施設へのアクセス改善等、障がい児・者への芸術への参加・鑑賞、スポーツ参加を支援します。
●文化芸術・スポーツのソフトパワーによる平和交流を進めるため「クリエイター支援基金」を活用して次代を担う次代を見据えてアニメ、ゲーム、映画、舞台、ダンスなどのクリエイターやアーティストの育成や、文化施設の機能強化に取り組みます。クリエイティブ産業・スポーツ産業の戦略的海外展開の促進、国際水準の制作を実現する支援、プラットフォーマー等との契約交渉支援など文化芸術・スポーツによる経済好循環のエコシステムを構築します。
●文化芸術・スポーツ関係団体や劇場の支援を進めます。また日本博をはじめとした文化プログラムなどによる舞台芸術や漫画等の日本が誇るさまざまな文化を国内外へ発信し、日本遺産や食など地域における文化資源を活用した取り組みを進めます。
●文化芸術を軸とした「文化芸術省」の設置をめざします。また「ICOM(国際博物館会議)京都大会2019」のレガシーを生かして、博物館などの文化施設の機能強化とともに、国際交流の促進を図ります。
●文化財を未来へ継承するため、修理人材の育成や用具・原材料の確保等を支援し、適切な周期での文化財修理を行うための「文化財の匠プロジェクト」を実施し、日本文化の継承を推進します。また、令和6年能登半島地震の被害を受けた有形・無形の文化財等については、輪島塗の継承・発展含め迅速に支援します。
●文化芸術の関係団体・フリーランスの活動基盤の強化、舞台芸術等のアーカイブ化・映像配信の支援など、文化芸術活動における自律的・持続的な発展にむけた支援を充実させ、業務特性を踏まえた働き方改革、劇場の支援を推進します。
●文化芸術・スポーツを核とした地域活性化や成長産業化による経済好循環を創出するために、文化観光拠点・地域への支援の充実、国際文化交流の推進、アート市場の活性化、民間活力を活用したスタジアム・アリーナ整備及び文化施設の運営の改善、他産業とのオープンイノベーションの促進に取り組みます。
●国際競技大会等を見据えてアスリート支援・環境整備等を進め、持続可能な国際競技力向上に取り組みます。アスリートファーストの視点から、国際競技力の向上や施設整備、ドーピング検査体制の充実やドーピング防止活動の推進などを支援します。また、女性アスリートが競技力向上を図りながら健康かつ安心して競技を継続できるよう健康支援、ハラスメント対策に取り組みます。
●障がい児・者を含む誰もが安全・安心にスポーツを親しむことができるよう、施設等の環境整備、競技の指導者の育成、アスリートの学校派遣や心のバリアを取り払う教育の充実など、ハード・ソフト・ヒューマンのさまざまな面からの支援を推進します。
●スポーツを通じて、住民の健康の増進、観光の振興など地域や社会を元気にする取り組みを進めます。また、スポーツ団体のガバナンスや経営基盤の強化を推進します。
●日本初開催となる2025年の夏季デフリンピック競技大会や世界陸上競技選手権大会、2026年のアジア競技大会やアジアパラ競技大会、2027年のワールドマスターズゲームズ関西大会等の日本で開催される大規模国際大会の成功をめざし支援します。また、スポーツ・フォー・トゥモロー等によるスポーツを通じた国際交流・協力を推進します。
⑥地域公共交通の活性化
◎バスや鉄道などの地域公共交通を充実させ、移動に困らない日本を構築します。国土交通省「交通空白」解消本部の「取組方針2025」に基づき、集中対策期間において、公共・日本版ライドシェア等の普及、民間技術等の活用、国による伴走、共同化・協業化や自治体機能の補完・強化を図る新たな制度的枠組み構築、十分な財政支援等の支援を強力に進めます。また、通院やお買い物など「生活の足」としても期待される自動運転を推進し、MaaS等による交通サービスの高度化、データ活用等による路線再編、業務システムの共通化による連携推進のベスト・プラクティス創出と標準化・横展開を進める地域交通DX等を推進します。
●公共交通機関の割引、デマンド(乗合)タクシーの利用補助など推進します。また、電動キックボードなど新たなモビリティの普及を図るとともに、安全対策を強化します。
●配車アプリやキャッシュレス設備の導入、ドローンを活用した過疎地の救急医療、災害対応等への「空飛ぶクルマ」の実用化を進めます。
●二輪車の高速道路料金の見直しと定率割引、二輪車の割引プランである「ツーリングプラン」の実施を推進します。また、二輪車のETC車載器購入への支援、二輪車の駐車場確保などを推進します。
⑦国民一人ひとりの食料安全保障の確立
◎米の価格について、消費者と生産者が納得できる価格に落ち着くよう、肥料・燃料等の生産・流通コストの増加を適切に反映するとともに、きめ細かな流通実態調査と取引適正化に向けた監視機能の強化を推進します。
●麦・大豆や肥料など自給率の低い食料等の国内生産の拡大や、諸外国との連携強化を通じた安定的な輸入の確保、適正な備蓄の推進、米の安定的な流通等を後押しし、国民一人ひとりの食料安全保障を確立します。
● 「国産小麦100%パン」など国産食品の拡大に向けて、産地と事業者の連携や、新商品の開発・販売の取り組み、製造ラインの整備、原材料の切り替えや調達先の多角化等を強力に支援します。
●米の安定した需要拡大に向け、国産米粉の利用拡大を推進します。米粉の特徴を活かした新商品の開発や、需要の拡大に対応するための製造能力の強化、米粉専用品種の生産拡大に向けた取り組みを集中的に支援します。
●水田活用の直接支払い交付金については、作物ごとの生産性向上等への支援へと転換するとの政府方針を踏まえ、生産現場の実態を調査・検証し、生産者の意欲をそぐことなく、地域の実情に応じた生産が行われるよう見直します。
○持続的に主食用米を生産可能な水田生産基盤の維持と輸入依存度の高い穀物の国産化に向け、農地利用の将来像を定めた地域計画の達成を後押しする支援交付金の創設をめざします。水田をフル活用した米の増産や、穀物の国産化に向けた支援を強化し、食料安全保障の確保を推進します。
●国民一人ひとりが「食」に関する意識を高め、健全な食生活を送ることができるよう、あらゆる世代に対する食育を推進します。特に、若い世代に対する意識啓発や農林漁業体験機会の拡充など「大人の食育」を推進し、食卓と生産現場の距離を縮める取り組みを支援します。
●高齢者等の買い物困難者や、経済的理由により十分な食料品を手にすることができない方々を取り残さないため、移動販売などを通じた食品を届ける支援、フードバンクやこども食堂などによる食料提供支援を一体的に実施し、食品アクセス確保に向けた取り組みを推進します。
●都市農業振興のための交付金を拡充し、農産物の供給や災害時の防災空間確保など、多様な機能発揮に向けた環境整備を推進します。また、都市部における食品アクセスの改善、子どもたちが農業体験等を行うことができるキッザニアファーム(仮称)の推進など子どもの頃からの農業理解の醸成に向けた取り組みを推進します。
●米飯を中心とした「日本型食生活」を受け継いでもらうため、米飯給食の推進・定着を図ります。その際、昨今の米価上昇の影響により米飯給食の回数や給食の質の低下を招かぬよう支援するなど万全を期します。
●農林水産物・食品の輸出額5兆円目標の達成をめざし、産地形成や、品目団体の輸出力強化、「輸出支援プラットフォーム」の設置拠点の拡大及び体制強化、国内外のサプライチェーンの構築、海外への品種流出防止等を進めます。また、我が国の食品等の不合理な輸入規制ゼロをめざし、規制緩和・撤廃に取り組みます。
○国際的な通商環境が不透明化する中、輸出先の多角化、高付加価値化、生産性向上によるサプライチェーンの強靭化を推進し、農林水産物・食品の輸出のさらなる拡大を図ります。また、「海外から稼ぐ力」を強化するため、食品産業の海外展開やインバウンドによる食関連消費の拡大に向けた取り組みとの相乗効果の発揮をめざします。
●フードサプライチェーン全体の物流効率化に向けて、集出荷施設の改修・強靭化や、ストックポイント・コールドチェーン等の整備、モーダルシフトの促進、品質保持対策、標準パレットの利用拡大、トラック予約システム等の導入を進めます。
○共同利用施設の老朽化が顕在化していることを踏まえつつ、共同利用施設整備、生産基盤や産地の収益力を抜本的に強化するため、強い農業づくりに係る予算を大幅に拡充します。また、施設規模に応じた適切な工期設定など、運用の弾力化に取り組みます。
●果物や野菜など園芸作物の生産・供給を拡大するため、優良な作物を育て、多く収穫できる技術の導入や大規模栽培に取り組む産地の育成を支援するとともに、国産花きの利用拡大に向けたPR活動等を支援します。
●野菜の価格安定に向けて、気候条件に左右されない品種の開発、スマート技術の利用促進、物流合理化等を通じて価格安定対策を推進します。
●甘味資源作物の安定生産に向けて、輸入糖、異性化糖及び加糖調製品からの調整金を含め、糖価調整制度の持続的な運営に万全を期します。甘味資源作物交付金単価の決定にあたっては、資材価格が上昇する中でも、生産者が意欲を持って取り組めるような価格水準とします。また、国内の砂糖の需要拡大に向けた取り組みを進めます。
●子牛等の価格下落に直面する畜産農家の経営改善や基盤維持・強化に向けて、優良な子牛生産を推進するための対策等に加え、国内での食肉需要拡大に向けた取り組み強化や低関税枠での輸出に向けた交渉を含め、畜産物の輸出を後押しします。
●国産生乳の需要拡大に向けて、国産チーズをはじめとする牛乳・乳製品の需要拡大の推進や、新商品の開発等を強力に支援します。また、酪農経営の安定に向けて、生乳の需給ギャップ改善への取り組みを支援するとともに、畜産経営安定法を含む現行制度の検証を進め、必要な対応を行います。
●食料品の価格上昇による家計への負担を軽減するため、輸入小麦や肥料、飼料、燃油の国際相場の動向等を注視しつつ、必要に応じて、価格高騰対策等を機動的に実行します。
○農産品等の価格形成について、生産から消費に至る供給網全体での取引価格適正化に取り組みます。「コスト割れの抑止」と「消費者の理解醸成」を図るため、生産地域の実情を踏まえたきめ細やかなコスト指標設定、消費者の共感を得る取り組みなどを一体的に推進し、持続可能な食料システムを確立します。
●飼料自給率向上に向けて、国産稲わら等の粗飼料や青刈りとうもろこし、子実用とうもろこし等の生産・供給拡大への取り組みに加え、飼料増産に必要な施設整備・機械導入等を支援します。
●肥料を安定的に確保・供給できるよう、備蓄に必要な保管施設の整備など、各種の施策を強化します。また、肥料の国産化に向けて、堆肥等の国内資源の利用を推進するとともに、畜産事業者・下水事業者等の肥料原料供給事業者、肥料製造業者・耕種農家等の肥料利用者の連携や、施設整備等に必要な予算を確保します。
⑧魅力ある農林水産業の構築
◎食料安全保障を支える農林水産業の持続的な発展をめざし、担い手の育成、生産性・効率性向上、海外への販路拡大、高付加価値化等の支援を強化し、収益力強化を通じた所得の向上をめざします。また、2030年までを農業の構造転換集中対策期間として位置付け、農地の大規模化、農業基盤の整備、スマート農業の導入等を強力に推進します。
◎米の安定供給を確保するため、米を増産します。農家の所得向上に向けて生産性を向上させるため、農地の大規模化・集約化、担い手の育成支援、スマート農業や高温に強い品種の導入を推進します。
◎米の価格が急落する恐れがある場合には、当面は政府が備蓄米を買い戻すことによって流通量を調整し農家を守ります。また、価格下落や不作時など農家の経営リスクを支えるセーフティネット対策については、収入保険の拡充などにより万全を期します。
○農林水産業の生産性向上に向けて、スマート技術の導入や共同利用等を進めるために必要な施策を拡充します。特に、スマート農業の導入に向けては、中小・家族経営や中山間地域の農家に配慮した生産・流通・販売方式の転換や技術の導入とともに、生産者とサービス事業体とのマッチング等を一体的に支援するなど、農業の成長産業化を進めます。
○環境負荷低減への取り組みや、中山間・棚田地域等における農業の振興と地域の共同活動の促進など、農業・農村の多面的機能の維持・発揮を図るため、日本型直接支払制度を拡充します。特に、環境保全型農業直接支払交付金については、有機農業について収量が少ない初期の取り組みを重点的に支援する制度に拡充します。
●農業の経営安定に向け、農業生産資材(肥料、燃料、飼料等)のコスト上昇分に対する補助を行うなど、生産資材価格の高騰・高止まりに対応した支援を行います。
●地域ぐるみで有機農業の生産から消費まで一貫して取り組む「オーガニックビレッジ」について、2030年までに200市町村創出するとの政府目標の前倒し達成をめざし、産地づくり等を強力に後押しします。
●生産現場に配慮しつつ、環境負荷低減の取り組みを導入する「クロスコンプライアンス」を本格化させるとともに、みどりの食料システム法に基づき先進的な営農活動を支援する仕組みとして、新たな環境直接支払制度を創設します。
●食卓への有機野菜等の普及を強力に促進するため、「オーガニック農産物購入促進支援金(仮称)」を創設するなど、産地と消費地の連携強化 により、身近に購入できる環境整備を進めます。
●「みどりの食料システム戦略」に基づき、生産者による環境負荷低減の取り組みをラベル表示によって見える化する取り組みや、消費者が環境に配慮した農産物に価値を見いだすように促す取り組み、学校給食での利用拡大など、環境に配慮して生産された農産物等の消費喚起に向けた施策を拡充します。
●「みどりの食料システム戦略」に基づき、化学肥料の使用料30%低減、有機農業の取組面積の割合25%(100万ha)拡大、低リスク農薬への転換や新規農薬等の開発、化学農薬のみに依存しない病害虫対策の推進により、化学農薬の使用量(リスク換算)の半減をめざします。
●気候変動対策として、炭素吸収に貢献する農法(カーボンファーミング)や堆肥活用などを支援し、農業分野におけるJ-クレジットの活用拡大を推進するとともに、脱炭素と生産性向上の両立を図る新たな農業技術の構築をめざします。
●猛暑の影響等による農作物への被害を軽減するため、地域の実情や品目に応じた高温耐性品種・高温対策栽培技術の導入等を強力に支援します。また、熱中症対策の義務化を踏まえ、予防対策の普及啓発など、農業現場における熱中症対策を推進します。
○農業者の経営安定に向けて、畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)、収入減少影響緩和交付金(ナラシ対策)、酪農・畜産経営安定対策、野菜価格安定対策、収入保険・農業共済等のセーフティネット対策について、制度の持続性を確保しつつ、重点的な支援策を講じます。
●自然災害の激甚化・頻発化を踏まえ、災害に備えた産地単位での事業継続計画(産地BCP)の策定や、農業法人同士による災害時の相互支援協定締結に向けた取り組みを推進し、地域農業の災害レジリエンスの向上をめざします。
○農地の大区画化、水田の汎用化・畑地化、農業水利施設の整備・保全、農業用ため池の適切な管理保全など農業生産基盤の予算を拡充します。あわせて、人口減少下での農業用インフラの保全管理、森林、林道、治山施設の整備など農業・農村の強靭化を推進します。
○地域計画の実現に向け、担い手への農地の集積・集約化を推進するとともに、規模の大小や経営形態にかかわらず農業で生計を立てる担い手の育成・確保を推進します。その際、円滑な経営承継、農業教育の充実、所有者不明農地の解消等の課題解決に向け、関係団体・機関による一体的な取り組みを推進します。
●担い手への農地の集積を加速するため、農地中間管理機構(農地バンク)の活用を拡充し、貸し手・借り手双方への支援を強化します。そして農地の流動化と地域農業の再生を推進します。
○農業経営の高度化を図るため、地域計画に基づく農業用施設の設置や農地内での加工・販売施設、農家レストランの設置等を容易にする規制緩和を推進します。農地の多機能活用を通じた農業者の所得向上と地域振興をめざします。
○農林水産業の人手不足解消に向け、新規就農や法人参入の支援、新規就業者向け相談窓口の充実、初期負担の軽減を図る機械導入や資金・教育支援の充実、既存施設・設備の改修に対する補助、経営ノウハウや技術指導体制の強化など、就業から経営発展・継承までの一貫した支援を実施します。
●女性が経営参画している農業経営体の経営規模は、経営規模の拡大と多角化が進んでいるとの実態を踏まえ、地域の核となる女性経営者の育成強化をはじめ、農業委員や農協役員、土地改良区の理事に占める女性割合向上に向けた施策の推進など、女性農林漁業者の活躍に向けた施策の充実に取り組みます。
●障がいのある方やひきこもりの方の生きがいの創出・自立支援、農産物等の付加価値向上など、多くのメリットがある農・林・水福連携をさらに推進するため、NPO・社会福祉法人による就労支援や、マッチング機能の強化、専門人材の育成、生産施設等の整備など、ソフト・ハード両面の支援を拡充します。
●農村地域の活性化に向け、地域の課題解決や、地域コミュニティの維持・活性化に取り組む組織(農村RMO)の形成促進に向け、支援を強化します。また、地域おこし協力隊、労働者協同組合などによる農村関係人口の拡大に向けた取り組みの推進など、関係省庁一体となった取り組みを強化します。
●鳥インフルエンザや豚熱等の家畜伝染病対策強化に向け、飼育衛生管理や防疫措置の強化を通じた実効性を高めるとともに、自治体・農家が一体となった対策が実践できるよう、消費・安全対策交付金等の支援を拡充します。また、国際社会と連携したワクチンの開発や防疫・研究等の推進、アフリカ豚熱等の水際対策を強化します。
●鳥獣被害の減少に向けて、広域捕獲活動の実施や、ICTの活用等による捕獲強化、シカ・クマの捕獲対策の強化、侵入防止柵の設置等を支援する鳥獣被害防止総合対策交付金を拡充します。また、ジビエ利用の拡大に向けて、消費者へのPR活動や処理加工施設の整備、高品質を維持した流通・販売体制の構築を推進します。
●国民病とも言われる花粉症問題の解決に向けて、スギ人工林の伐採・花粉の少ない苗木への植替え等を通じた花粉発生源対策、花粉の飛散を抑える技術の実用化、花粉症緩和米に係る研究開発を加速します。
●森林資源の循環利用を促進するため、林業経営体への森林の集積・集約化の促進に加え、エリートツリー等の苗木生産施設・加工流通施設・路網の整備や、高性能林業機械の導入、間伐や再造林対策、輸出を含む新たな需要の創出等を総合的に支援します。
●木材需要の拡大に向けて、製材・CLT(直交集成板)・LVL(単板積層材)等の建築物への利用を後押しするとともに、非住宅・中高層建築物等の木造化・木質化、内装・家具等における需要拡大を推進し、木材利用を促進するための国民運動を着実に進めます。
●地域の有効的な資源である木質等のバイオマス活用を推進するため、プラント等の施設やバイオ液肥の散布車、災害時のレジリエンス強化に必要な機械の導入等を支援します。また、国産バイオマス燃料の安定供給実現に向けた支援を行います。
●食用魚介類等の自給率向上に向けて、重点的に養殖に取り組む魚種の拡大や、輸入魚粉に依存しない飼料の開発、陸上養殖のIT・ブランド化支援など、養殖産業への施策を抜本的に強化します。また、適正かつ円滑な操業に向けて、周辺国等との漁業交渉に取り組むとともに、違法・無報告・無規制(IUU)漁業対策を進めます。
●海洋環境の変化や資材価格等の高騰に対応するため、経営安定対策に万全を期します。また、漁船・漁具等のリースでの導入、魚種の変化に対応するための加工機器導入、ICTやDX等の先端技術を活用した生産性向上のための取り組み、漁港施設整備、持続的な鯨類の利用等を進めます。
●漁業資源の回復に向けて、科学的知見を踏まえた資源評価体制の強化、漁業者をはじめとした関係者の理解と協力に基づく資源管理を推進し、持続可能な漁業体制の構築をめざします。
●漁港における適切な釣り環境の整備に向けて、釣りインストラクターの一層の活用により、ごみの持ち帰りなど漁港利用のルールやマナー確保対策に加え、転落防止柵、救命浮環の設置や監視員の配置などハード・ソフト両面における釣り人の安全確保対策等を推進します。
●海や漁村の価値や魅力を活用し、漁村地域の所得と雇用の拡大など地域活性化をめざす「海業」の全国展開に向けて、漁港の就労環境の改善や安全対策の向上・強化、利用適正化、流通の高度化、インフラの整備等を推進します。
●海洋プラスチックの資源循環を図るため、漁協など関係者の連携による漁業系廃プラスチックの収集・分別や再商品化の全国展開に取り組みます。
●海水温の上昇や貧栄養化などによる水質環境の変化、藻場の衰退に直面する漁場環境の再生に向けて、海域ごとの赤潮や栄養塩類不足による漁業被害対策への技術開発、藻場保全の取り組み等を強力に進めます。
●日本酒、焼酎、泡盛等の「伝統的酒造り」のユネスコ無形文化遺産登録決定を契機に、地方創生やさらなる輸出拡大へと繋げていけるよう、日本産酒類の認知度向上や販路拡大、酒蔵ツーリズムに関する支援、地理的表示(GI)の普及・活用、高付加価値化等に向けた支援を推進します。
●貴重な国内資源である下水汚泥を肥料として最大限活用し、持続可能な食料生産への転換や循環型社会の構築をめざします。
⑨空き家や空き地、所有者不明土地対策の推進
●空き家について、空き家バンクの整備とマッチングを促進します。また、ワンストップ相談窓口の整備、コワーキングスペースなどへの改修、若者向けシェアハウスや交流型賃貸マンション等に活用する取り組みなどを推進します。
●所有者不明土地や管理不全土地、低未利用土地の対応を進めます。また、所有者不明でも地籍調査を進めることができる調査手法の普及を図るとともに、デジタルを活用した調査手法の導入を推進します。さらに、不動産IDや不動産情報ライブラリの活用を推進します。加えて、所有者不明土地対策協議会への地方議員の参画を推進します。
●財産管理制度の見直しなどに当たり、司法書士や土地家屋調査士等の積極的な活用を図るとともに、相続登記・住所等変更登記の義務化について、国民への周知・広報及び相談体制を強化します。また、相続土地国庫帰属制度の円滑な運用を推進します。
●土地の位置や区画を明確にするため、令和7年度開始の新たな法務局地図作成事業の整備計画に基づき、全国の法務局において登記所備付地図の整備を推進します。
⑩沖縄振興
●強い沖縄経済の実現に向けて、製造業・農林水産業・観光業等の生産性・付加価値向上等を通じた所得向上を着実に進めるとともに、再エネの導入、北部・離島地域の産業振興 、「沖縄科学技術大学院大学(OIST)」やスタートアップの研究開発等への支援を拡充します。あわせて、基地負担の軽減と駐留軍用地の先行取得を強力に支援します。
●安心して暮らせる沖縄の実現に向けて、こどもまんなかウェルビーイングセンター等における教育、医療、福祉等が融合した子どもの貧困解消対策をはじめとした子ども施策 の推進や、子育てしやすい環境づくりを進めるための専門人材や財源の拡充を図ります。
⑪離島、条件不利地域の振興
●離島住民の生活や生業の大きな負担となっている運賃や輸送費等の高騰対策として、引き続き、価格低廉化等に活用可能な「特定有人国境離島地域社会維持推進交付金」を確保します。
●近年の領海を取り巻く環境変化や人口減少等を踏まえ、有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関するさまざまな対策を拡充・強化します。
●離島、奄美群島、小笠原諸島、半島等の条件不利地域を支援します。遠隔医療などの医療環境の整備、子育て・教育、農林水産物などの輸送コスト支援、航路・航空路の運賃軽減、離島留学支援、移住・定住などを推進します。また、ドローンなどのデジタル技術を活用し「スマートアイランド」の実現をめざします。
●半島振興法の改正を踏まえ、「半島防災」を強力に進めます。半島地域における地域公共交通の整備、遠隔医療、介護・障がい福祉サービスの確保、高齢者福祉や児童福祉の増進、災害時の情報収集に向けたデジタル技術活用、再生可能エネルギーを用いた非常用電源設備の導入などを推進します。
●豪雪地帯における道路の除排雪・防雪及び凍雪害防止対策への財政支援とともに、除雪基金の創設の検討など、機動的な財政支援を推進します。また、重機のリース補助、ICT を活用した除雪作業、自動除雪車の本格運用などを図ります。さらに、豪雪による農業用ハウス・施設の倒壊被害など農作物被害等への財政支援を図ります。
⑫世界に誇る北海道の実現、アイヌ政策の推進
●北海道の豊富な資源を生かし、食と観光の活性化、ゼロカーボン北海道の実現、デジタル産業集積に向けた取り組み、北方領土隣接地域の振興を推進します。
●アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができる社会の実現等に向けて、民族共生象徴空間(ウポポイ)等の充実強化を図るとともに、 アイヌ文化の振興や福祉施策、地域・産業・観光振興等を含めた幅広い市町村の取り組みを支援するアイヌ政策推進交付金を拡充します。
⑬二地域居住の推進
●地方への人の流れつくる移住や二地域居住を推進するため、二地域居住に必要な「住まい」「なりわい」「コミュニティ」の環境整備とともに、二地域居住者と地域を繋ぐコーディネーターの役割を担う支援法人の育成・確保を進めます。あわせて、移動や滞在に伴う費用負担の軽減に資するモデル的な取り組みへの支援などによりさらなる推進に取り組みます。
⑭外国人と安心して暮らせる多文化共生社会
●外国人の社会保険料等の未納状況に係る情報を在留審査に適切に反映させるなど、外国人の社会保険料等の未納を防止するために必要な仕組みの構築を検討し、さらなる在留管理の高度化をめざします。
●日本が魅力ある働き先として選ばれる国になるよう育成就労制度と特定技能制度の趣旨を広く周知するとともに、両制度を通じて外国人の人権保護や労働者としての権利性向上を図ります。加えて、育成就労制度への移行に伴う急激な変化が、関係者等の不利益や悪影響にならないよう必要な体制整備に取り組みます。
●電子渡航認証制度(日本版ESTA)を早期導入して厳格な出入国管理と円滑な出入国審査を両立させるとともに、その導入に伴い、DXにより入国から出国までの情報の一元的管理を実現し、必要な人員を確保するなどして、在留審査の迅速化を図り、外国人の在留状況や受入れ環境を把握することで在留管理の高度化や在留支援の充実化を推進します。
●外国人が活躍できる社会に向けて、「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」等に基づく施策を着実に推進します。特に、日本の文化やルール等を周知するためのオリエンテーション、相談支援、日本語教育支援、就労支援等の受入れ環境整備のための施策をさらに行います。加えて、マイナンバーカードと在留カードの一体化の早期実施を推進します。
●長期化している難民認定申請の処理については、標準処理期間(6ヶ月)内での処理が実現できるよう、審査の効率化を図るとともに、審査に従事する人員の確保に努め、難民及び補完的保護対象者の認定制度全体として、真に保護を必要とする者をより一層迅速かつ確実に保護すべく、審査体制を整備します。
●生活相談や日本語教育、就労支援など、関係機関が連携して条約難民・補完的保護対象者・第三国定住難民への支援をきめ細やかに実施するとともに、周知・広報を一層図ります。
●2024年6月に全面施行された改正入管法の規定を適切に運用し、送還忌避者の縮減に取り組みます。
●不法滞在者ゼロを目指し、外国人と安心して暮らせる共生社会を実現する「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」を着実に推進します。
●外免切替については、知識確認問題数の大幅な増加、難易度の上昇、実技試験の充実、短期滞在者の外免切替の禁止など制度の厳格化を進めます。また、外免切替による運転免許取得者の事故件数等に関する調査の実施を推進します。
●白タク行為、周辺住民に迷惑な民泊、無許可森林伐採などを防ぐために規制や罰則の強化を検討します。
⑮2027年国際園芸博覧会
●花や緑との関わりを通じ、自然と共生した持続可能な社会の創造をめざす2027年国際園芸博覧会の無事故・大成功に向けて、関係省庁はじめ、各国・地域と連携し会場内の安全確保を含む準備・運営等の施策に万全を期すとともに、広く国民に対する機運醸成を図ります。