公明党トップ / 3.健康・命を守る、高齢者支援

3.健康・命を守る、高齢者支援

3.健康・命を守る、高齢者支援

①安心で質の高い医療提供体制の構築等

◎予防・重症化予防、健康づくり、検診強化などで健康寿命を延ばすとともに、重複検査・重複投薬の是正、医療DXの推進などで医療費を抑え、社会保険料の上昇を抑制します。

●患者の社会的背景を医療者が共有しながら治療の選択を支援する「共同意思決定」を幅広く定着させます。

●現在の地域医療構想については、2025年までの取り組みを着実に進めます。また、新たに策定する地域医療構想については、より効果的な医療機能の分化・連携を推進するとともに、かかりつけ医機能を有する医療機関を中心とした地域包括ケアとそれを支える後方支援機能、医療人材確保策なども取り込み、2040年頃を視野に入れた地域医療構想に見直します。

●医師偏在対策を進めるとともに、タスクシフティング・シェアリング(業務の移管・共同化)や勤務終了時から翌日の始業時までに一定の休息時間を設ける勤務間インターバルの導入など医師の働き方改革に向けた支援を進めます。チーム医療を推進するとともに、主治医が必要と認めた場合は医師の治療と「はり・きゅう」施術を活用できるよう制度改正をめざします。また、医療安全支援センターの充実強化を図ります。

●医師偏在対策については、地域に必要な医療提供体制の姿を明確にしたうえで、医師の配置策について経済的インセンティブを与える方法や規制的手法、オンライン診療の活用等を組み合わせた「医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージ」に基づき、地域間や診療科間、病院・診療所間の偏在是正を大きく前に進めます。

●地方の医師不足や地域別・診療科別の医師偏在を早期に解消するため、遠隔医療のさらなる展開を後押しするとともに、過疎地・離島等においても十分対応できるよう、広域的な連携による地域の医療提供体制の再構築を図ります。

●医療従事者の確保・定着に向けた勤務環境改善対策等を強化します。

●入退院時や在宅医療に医療機関と連携して対応できる「地域連携薬局」やがん等の専門的な薬学管理に医療機関と連携して対応できる「専門医療機関連携薬局」を推進します。あわせて、認定薬局制度の積極的な広報・啓発を行うとともに、認定薬局制度の円滑な推進を図ります。

●日本の医療安全保障を確保するため、透明性・予見性のある薬価算定基準への見直しを図ります。

●流通上の差益などを参考にした現行の薬価改定手法の見直し、中間年度改定のあり方の見直しなど、薬価の過度な引き下げが起こらない仕組みを検討します。具体的には、価格引き下げに偏る費用対効果評価ではなく、予防や生活の質向上といった評価を含めた、公平な評価を検討します。再生医療を含む新規モダリティなど、類似薬がない革新的新薬における薬価上の適切なイノベーション評価のあり方について、検討を進めます。

●後発医薬品の安定供給・品質の確保が可能な企業等を評価・支援するとともに、流通構造上の問題解消、小児がんをはじめとする革新的新薬のドラッグラグ・ドラッグロスの早期解消、経済安全保障の観点から必要な医薬品の国内製造への支援、医療機器・保険医療材料の安定供給確保に取り組みます。また、現状として、国は医薬品の需要量の実態把握ができないため、平時からの需給状況のモニタリングを通じて、供給不安の「兆候」を早期に把握する体制を構築します。

●企業による小児用医薬品の開発を促進する取り組みの強化や難病を含む希少疾病用医薬品指定の早期化の確実な推進、医薬品・医療機器の承認審査・安全対策に係るリアルワールドデータの活用促進、医薬品等の供給不足を踏まえたアクセス改善や薬事監視の質的な向上、PMDAの海外拠点を活用した薬事規制調和の推進等に取り組みます。

●官民協議会での議論を政策に充分に反映させ、創薬力強化施策に係る政府全体の総合調整・連携強化を行う仕組みを構築します。また、アーリーステージの制度的支援を強化するため、人材・目利き・インキュベーション機能に着目した「創薬エコシステム発展支援事業」を、今後創設される「革新的医薬品実用化支援基金」の正式な支援対象事業とするとともに、本基金に対して継続的な財政支援を講じます。さらに、新規モダリティの開発や製造を受託できるようなCDMOへの重点的な設備・人材投資支援を強化するとともにバイオシミラー製造に係る人材確保や設備整備に取り組みます。

●サイレントパンデミックである薬剤耐性(AMR)対策については、「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(2023-2027)」に基づき、抗菌薬の適正使用に関する国民・患者への周知を含め、AMR対策を推進します。特に、新規抗菌薬開発に対する市場インセンティブについては、抗菌薬確保支援事業の評価方法などの検討を進め、適切な支援を行うとともに、抗菌薬研究開発支援に関する国際連携を図ります。

●適切な医療を誰もが公平に受けることができるよう、医療政策の策定プロセスに患者や市民が参画できる仕組みづくりやその支援を行う担当窓口を政府内に設置する等、国民が安心して暮らせる健康長寿社会の実現をめざします。

●急病時に救急車を呼ぶべきか否かを電話で相談できる「#7119」を全国展開し、国民の安全・安心を守ります。

●一刻を争う救命救急において、ドクターヘリやドクターカー、救急車などあらゆる手段を使って医師が15分以内に現場に駆け付け、治療を行う「15分ルール」の確立が必要です。都道府県の県境を越えた基幹病院との距離などを重視する「生活圏優先」のドクターヘリの広域連携体制を整備し、全国をカバーする適正な配備数をめざします。夜間や都市部などの運行拡大に期待が高まるドクターカーの普及へ運行経費などの補助拡充も進め、「救える命を救う」取り組みを強化します。あわせて、大規模災害に備えたドクターヘリとドクターカーの効果的な連携について先進的な活用を推進します。

●公明党が主導した脳卒中・循環器病対策基本法に基づき、循環器病の予防を進めるとともに、循環器病を発症した疑いがある場合の搬送及び医療機関による受け入れを迅速かつ適切に実施します。また、脳卒中発症後4~5時間以内に専門病院でt-PA療法(血栓を溶かす薬<t-PA>を使って脳への血流を回復させる治療法)を受けることを含めて、循環器病患者に対する良質かつ適切なリハビリテーションを含む医療を迅速に提供する体制を強化します。さらに、循環器病の予防、診断、治療、リハビリテーション等に係る研究等を推進します。

●地方での出産、子育て環境において欠かすことのできない産婦人科医師の不足を解消するため、医療提供体制の効率化や産婦人科医師の養成、勤務環境の改善等を推進します。

●現役世代が仕事と治療を両立できるよう、病院の待ち時間の改善に向けて、AIの活用等の研究を推進します。

●献眼及び献腎移植等を推進し、待機期間の短縮をめざします。

●日本発の優れた医薬品・医療機器・再生医療等製品の開発と事業化を推進します。とりわけ再生医療等製品については、適切な評価のあり方を検討します。日本に創薬のホットスポットを創出します。

●ICTによる医療情報連携や診断支援などによる医療現場の負担軽減、AIホスピタルのような新しい技術を導入し、現場の負担軽減やサービスの質の向上をめざします。IoT機器による健康データ管理による生活習慣病の予防、AIによる健康相談システムの構築等で、医療現場の働き方改革を進めるとともに、超高齢化社会に備えた先進的なヘルスケアシステムを構築します。また、質の高いオンライン診療を推進します。

●マイナンバーカードが健康保険証として本格活用できるようになることを踏まえ、健康診断を「受けている」「受けていない」で保険料(保険税)を見直す等、一人ひとりの健康増進への努力を国民健康保険制度に連動させる仕組みの構築をめざします。

●国民の利便性の向上や自治体·医療機関の事務負担の軽減を図るため、接種券や予診票の電子化、医療機関から市町村への費用請求の電子化を含めた予防接種事務全体のデジタル化に取り組みます。また、予防接種の実施状況や副反応に係る匿名データベースを整備し、レセプト情報·特定健診等情報データベース(NDB)等との連結解析を可能とすることにより、我が国における予防接種の有効性や安全性の調査・研究を推進します。

●肝炎ウイルス検査体制を確保し、相談や職員の健康診断における啓発の実施、初回精密検査についての助成などにより、肝炎ウイルス検査の受検を促進します。また、肝がん・重度肝硬変患者の治療が受けやすくなるよう、2024年度から医療費助成の要件が緩和されたことを踏まえ、制度の利用促進を図ります。

●ライフコースに応じた予防接種による健康維持と疾病予防や国民のワクチンへのアクセスの改善等の予防接種施策のさらなる充実を図ります。具体的には、たとえば本年4月から定期接種化された帯状疱疹ワクチンについて、円滑な接種を推進します。また、RSウイルス、おたふくかぜについては、より高い安全性を確保し、定期接種化を進めます。あわせて、男性へのHPVワクチンについても定期接種化に向けた検討を進めます。肺炎の予防に向けたワクチン接種率向上と助成の拡充等に取り組むとともに、新たな肺炎球菌ワクチンの定期接種化を進めます。

●口唇口蓋裂治療の実態を調査するとともに、育成治療による支援の在り方を検討します。

●潜在的な患者数は500万人を超え、フレイルの要因、また、新型コロナウイルス感染症重症化リスクとして指摘されているCOPD対策について、認知度の向上、早期発見、治療、重症化予防のための体制を強化します。

●次世代医療基盤法に基づき、仮名加工の医療情報を、医療分野で情報収集・分析できる体制を整備するなど、創薬や治療法の研究開発を加速します。

●健康に関する情報提供や医療情報へのアクセスを向上させることにより国民のヘルスリテラシーを高め、健康寿命の延伸に寄与するとともに医療制度の持続可能性を強化します。

●国民がセルフメディケーションを積極的に活用できるよう、スイッチOTCを含め、ドラッグストアや薬局で購入が可能な医薬品・検査キット等を充実する等の環境整備を図ります。また、セルフメディケーション税制の拡充を図ります。

 

②がん対策の強化、生活習慣病の合併症予防を含む重症化予防対策の強化

○がんの原因となる感染症などリスクに応じた検診を実現するとともに、専用病床を必要としないα線治療や重粒子線治療、ホウ素中性子捕捉療法など放射線治療を充実させます。また、企業等におけるがん検診受診率も向上させて、女性、障がい者、非正規雇用者など誰もが質の高いがん検診と治療を受けられる社会を構築します。さらに、自治体等における相談体制の強化やNPO法人等の育成支援に取り組むとともに、テレワークや時短勤務など柔軟な勤務制度の導入などがんと共生できる社会を創ります。

●改正健康増進法を踏まえ、たばこの臭いや受動喫煙による被害等の現状について調査・分析を行い、飲食店等における喫煙専用室等の整備費用に関わる助成など、エビデンスに基づいた受動喫煙防止対策を強化します。

●診断時からの緩和ケアの徹底浸透と、がんの激痛に対する緩和的放射線治療と神経ブロックの推進及び人材育成を図ります。がんプロフェッショナル養成事業については、一層の均てん化が重要との認識のもと、十分な予算を確保します。また、がん経験者、医師等による外部講師を活用したがん教育を全国で展開します。

●がん医療提供体制を充実させ、がん治療法の選択について医療者と患者の共同意思決定(SharedDecisionMaking)を推進します。また、治療機会の均てん化を図るため、特に、創薬力、ゲノム医療、重粒子線治療、ホウ素中性子補捉療法、リキッドバイオプシー、国産のラジオアイソトープ等を用いた検査・治療を含む医工連携・研究技術開発を強力に推進します。

●積極的勧奨が再開されたHPVワクチンについては、被接種者やその保護者への普及啓発の強化を図るとともに、重篤な副反応があった方々への健康被害の救済、寄り添った支援を進め、接種後に症状を呈する方への適切な診療の在り方についての研究を進めていくよう国に求めていきます。

●膵がんや遺伝性乳がん・卵巣がん症候群などの診断が困難ながんの医療の質を高めます。

●「がんとの共生」をめざした療養環境の支援や、がん患者の就労支援に加え、相談体制や経済支援の強化、NPO法人等の育成支援に取り組みます。また誰もが、がん患者の外見ケア(アピアランスケア)に関する情報を適切に得られ、必要なケアが受けられるよう、医療者向け教育プログラムの構築と人材育成を進めます。

●がん治療における「免疫療法」を推進するため、「がん免疫総合研究センター」など研究開発体制を強化します。

●がん治療におけるゲノム医療を推進するために、研究開発の支援とともに、研究初期段階から知財戦略を立て、研究成果から得た知財を適切に管理できる制度とマネジメントができる人材を揃える体制整備を行います。がんゲノム情報を活用し、産官学での連携を通して、創薬と治療に活用できる環境整備を行うとともに、知的財産のオープンクローズ戦略を担う人材育成を支援、推進し、若手研究者、技術者が活躍できる環境整備に取り組みます。

●女性のがん患者とその家族等の生活をサポートし、妊よう性(妊娠するための力)の相談・対応、遺伝カウンセリング、アピアランスの相談・支援、小児・思春期・若年成人のサポートなどを行うとともに、若い夫婦が、がん治療に当たり、卵子や精子、受精卵を凍結保存する「妊よう性温存」を選択できるよう、妊よう性温存療法の費用負担を軽減し、将来子どもを持つ希望をつなぐ取り組みの全国展開を進めます。

●科学的根拠に基づく最新のがん情報提供について、国立がん研究センターのウエブサイトなど、インターネットを通じた情報発信体制の充実をめざします。

●メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予防と改善を目的にした特定健診の充実や効果的な先進事例の普及拡大など、必要な人材の確保を含めた体制整備を行い生活習慣病の重症化予防を図ります。

●生涯を通じた歯科健診の充実、入院患者や要介護者に対する口腔機能管理の推進など、歯科保健医療の充実に取り組みます。

●矯正歯科治療の保険適用の拡大をめざします。

●糖尿病や慢性腎臓病の合併症を含む予防・重症化予防を強化して、健康寿命の延伸を進めます。

●酒、煙草、さらに糖質の過剰な摂取がもたらす影響について調査・分析を行い、エビデンスに基づいた理解を深めるなど、食に関する正しい知識を普及します。

●住民主体の予防・重症化予防・健康づくりのため、食事・睡眠・運動の推進や就労促進を推進するとともに、介護保険の総合事業等を活用し、地域で有償ボランティアとして活躍できる取り組みを推進し、健康寿命の延伸による高齢者のウェルビーイング(満足度)の向上を図ります。

●喫煙者の健康リスクを減らすため、禁煙の推進とあわせ、従来の紙巻きたばこに比べて有害性物質の発生が少ないと厚生労働省(「加熱式たばこにおける科学的知見」研究)においても示された加熱式たばこについて、喫煙者の健康に与える科学的なメカニズムの解明、データの収集を行うため、必要な予算を確保し調査研究に取り組みます。

 

③感染症対策の強化

●これまでの感染症対応の教訓や知見等を踏まえ改定した政府行動計画に基づき、「内閣感染症危機管理統括庁」が、次の感染症危機に対応するための司令塔機能を十分に発揮し、ワクチンや診断薬及び治療薬等の研究開発や国産化、DXの推進等をはじめ実効性ある取り組みが進められるよう、新たに設置された「国立健康危機管理研究機構」(JIHS) との連携等も含め、国と地方の連携体制を強化するとともに、同統括庁の人員体制の確保や実践的な訓練・研修の充実等を図ります。

●今後の感染症危機に備えるため、病床確保や発熱外来等の協定の締結に向けて必要な支援を行い、新たな感染症の発生・まん延における医療体制の構築を推進し、医療機関の役割分担や連携強化、病床や発熱外来、自宅療養者等への生活支援、宿泊療養施設と医療従事者・物資の確保などを迅速に行える体制を市町村とも連携し構築します。

●災害派遣医療チーム(DMAT)等の災害・新興感染症に対応する医療隊について、新興感染症に係る研修等を着実に実施し、新たな感染症への対応力等を強化します。

●保健所、地方衛生研究所等の人員及び予算の確保など地域における感染症対策や公衆衛生のための体制を整備します。また、感染症対応ができる専門家の人材育成やデジタル化による業務の負担軽減等に取り組みます。

●市場性の乏しい感染症危機対応医薬品等(MCM)の開発エコシステムへの積極的投資を国が主導して行います。

●抗菌薬をはじめとした国民生活や医療上重要な医薬品や、個人防護具などの資機材を安定的に供給するため、国による備蓄や国産へのシフトを含め安定したサプライチェーンの構築をめざします。

●国内での下水サーベイランスや急性呼吸器感染症サーベイランス等、新たな手法を活用した全国での重層的な 感染症の監視体制を強化します。下水サーベイランスについては、下水中のウイルス濃度の調査・測定から、地域の感染状況を迅速に把握し、より効果的な感染症流行予測調査を強力に進めるため、下水サーベイランス(下水疫学調査)事業の実用化・全国展開に向けた予算を拡大し、産学官の連携を図りつつ、調査及び取り組みを加速します。

 

④国産ワクチン・治療薬の開発・実用化等

●国産ワクチンの迅速な実用化へ支援強化を要請してきた公明党の主張を踏まえ、新たに設置されたワクチン開発を推進する司令塔「先進的研究開発戦略センター(SCARDA)」等が中心となり、国産ワクチン・治療薬の開発・実用化に向けた企業や研究機関に対する研究開発支援を進めるほか、安全性の確認や迅速な承認、仮名化された情報を医療分野で収集・分析できる体制の整備や、円滑な生産・供給体制の確保までを全面的に推進する体制を強化します。

●より強力な変異株にも対応できるよう、世界トップレベルの研究開発拠点の活用・強化・維持による基礎研究、製薬企業における先端的研究をはじめ、新たな創薬手法によるワクチン開発等に向けた産学官の実用化研究を支援します。

●新型コロナのワクチン接種について、感染状況を十分に踏まえつつ、その有効性・安全性から接種の必要性や対象を科学的に判断し、国民の皆様に分かりやすく伝えていきます。

●ワクチン接種後の副反応について、健康被害が救済されるよう必要な対応をとるとともに、そのメカニズムや治療法についての調査研究が進められるよう政府に求めていきます。

●ワクチンや治療薬開発の研究体制整備を強化するため、エボラウイルスをはじめとする一種病原体等を取り扱うBSL-4施設の指定及び稼働について、地域住民及び関係自治体の理解を得つつ、取り組みを進めます。

 

⑤新型コロナウイルス感染症の後遺症対策

●コロナ後遺症は、「身体的症状」の持続のみならず、不安や気分低下といった「精神的症状」、また家族・仕事などの「社会的問題」など、医療機関のみならず社会全体での対応が必要であり、医療現場における診断や治療のほか、必要なメンタルサポート、精神科での治療、医療ソーシャルワーカーの介入など、各地域において複合的な支援体制を構築していきます。また、各自治体の後遺症に対する相談支援窓口の設置についても、引き続き支援します。

●コロナ後遺症に適切に対応するため、幅広い分野の専門医と、かかりつけ医が連携して対応できる医療体制を構築していきます。また、臨床現場での知見の集積・共有を支援し、多くの医療機関が後遺症治療に参画できる体制をめざし、コロナ後遺症の診療可能な医療機関のすそ野を拡大していきます。

●「コロナ後遺症」という診断がつかないため労災保険や傷病手当金が認められなかったなどとならないよう、医療機関に「診療の手引き」の周知等を行うとともに、治療と仕事の両立を図るための支援、生活困窮に対応する支援などに患者がアクセスできるよう、関係機関が連携して取り組む体制を構築します。また、後遺症についての社会的認知を広めていきます。

●コロナ後遺症の科学的なメカニズム解明、治療法の確立のため、臨床現場におけるリアルワールドデータの活用を図りつつ、必要な予算を確保し調査研究に取り組みます。

 

⑥難病・小児慢性特定疾病その他の希少疾病対策の強化

●「難病医療法」及び「改正児童福祉法」に基づき、さらなる指定難病の対象を拡大するとともに、難病診療連携拠点病院や移行期医療支援センターなどの難病医療提供体制を充実します。また、診断・治療法の確立に資する調査・研究を促進しつつ、AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)による研究と連結させて治療薬・治療法の開発を一気通貫で進めます。さらに、難病対策地域協議会や難病相談支援センターを充実するとともに、就労・生活支援や小児慢性特定疾病の自立支援事業を着実に推進します。

●線維筋痛症、軽度外傷性脳損傷など、国民から新たな疾病として確立の要請が強い病態への対策を総合的に進めます。

●脳血管疾患や脳外傷等を受傷した高次脳機能障害の方が、発症から治療後の生活まで、それぞれのライフステージに合わせた支援が適切に受けることができるよう、医療・介護・福祉における支援体制の整備を推進します。また、脳脊髄液減少症の方やその家族に寄り添った支援を進めます。

 

⑦ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)総合対策の推進

●「HTLV-1総合対策」に基づき、全国の妊婦健診におけるHTLV-1抗体検査の着実な実施と感染が判明した母親への適切な保健指導(断乳等)により母子感染を着実に防止します。その際、鹿児島県や鹿児島市で実施されている助成事業で、感染している母親に対して粉ミルクを支給することで母子感染のリスクを最小限に抑え、ミルクの受け渡し時の子育て相談等により安心の子育てを支援する「ミルクサポート事業」の先行事例を横展開するなど、HTLV-1の母子感染対策を強力に推進します。

●HTLV-1キャリアやATL(成人T細胞性白血病)、HAM(HTLV-1関連脊髄症)患者の医療提供体制や相談体制を充実します。さらに、「HTLV-1関連疾患研究領域」として特化した予算を活用し、戦略的に新規治療薬の研究開発を推進します。

 

⑧アレルギー疾患対策の推進

●「アレルギー疾患対策基本法」に基づき、全国どこでも適切な医療が受けられるよう、アレルギー疾患医療中心拠点病院への支援を継続するとともに、都道府県拠点病院の医療水準の向上に取り組みます。また、アレルギー疾患に対する最新治療へのアクセス向上のため、都道府県拠点病院と地域医療機関のさらなる連携強化を図ります。

●医療従事者や保健師、学校教職員等に対するアレルギー研修を充実するとともに、地域の保健医療を支える専門職がアレルギー疾患対策の保健活動について学ぶ国立保健医療科学院におけるアレルギー研修を継続して実施します。学校や保育所、児童福祉施設に続いて、障がい児施設や高齢者施設等でのアレルギー対応ガイドラインの策定を推進します。

●「免疫アレルギー疾患研究10か年戦略」に基づき、免疫療法をはじめ、効果的な治療薬・治療法の研究開発を強力に推進します。

●2022年3月に改訂された「アレルギー疾患対策の基本指針」に基づき、対象となる6疾病(食物アレルギーやアトピー性皮膚炎等全ての疾患)に対して全国どこでも適切な医療が受けられるアレルギー医療の均てん化に向けて、アレルギー専門医や看護師、保健師などの医療従事者の育成と都道府県拠点病院を中心とした診療連携体制の整備を急ぐとともに、都道府県アレルギー疾患医療連絡協議会等の地域推進体制の強化を図ります。

●医療現場でのラテックスアレルギー(医療用手袋などに使われている天然ゴムの成分によるアレルギー)などの安全対策を強化します。

 

⑨再生医療の安全性確保と推進、性差医療の推進、てんかん医療の向上

●「iPS細胞」等による再生医療を迅速かつ安全に受けられるよう、先進的な研究開発への助成等の支援、臨床研究や治験環境の整備、承認審査の迅速化、専門的知識を有する人材の確保と養成などを推進します。

●骨髄バンク、さい帯血バンクの運営に必要な予算を十分確保するとともに、患者・ドナー情報登録支援事業を着実に推進します。あわせてiPS細胞ストック構想に、さい帯血を活用するために必要な体制整備に取り組みます。

●患者自身の細胞からiPS細胞を作る「マイiPS細胞プロジェクト」を推進します。

●iPS細胞等を用いた再生医療研究やがん研究、感染症研究を加速し、健康長寿社会の実現に貢献します。

●造血幹細胞移植により免疫を失った人に対して同じワクチンを再接種する場合、予防接種法の定期接種の一つと位置づけるなど、退院後の費用負担の軽減を図ります。

●100人に1人が発症するとされる、てんかんについて、てんかん支援拠点病院の機能を強化して、てんかん医療の質を高めるとともに、患者が全国どこでも安心して相談、就労支援が受けられる体制の整備、誤解や差別の解消に向けた教育の充実など、総合的なてんかん対策を推進します。また、難治性てんかんに対して、大麻由来薬物の治験を推進し多様な治療法の選択と特殊ミルク(ケトン・フォーミュラ)の安定供給を確保します。

 

⑩自殺防止、メンタルヘルス、うつ病、摂食障害等

◎職場や地域における早期発見・治療体制の強化など心のケアを必要とする人に寄り添ったメンタルヘルス対策を進めます。

●パワハラ・セクハラなどハラスメントを許さない社会の実現をめざし、周知・啓発や指導・監督、被害を受けた場合の相談体制の強化などを推進します。取引先・顧客等からのカスタマーハラスメントや、妊娠・出産・育児休業等に関するマタニティハラスメント、教育・研究の場におけるアカデミックハラスメント、フリーランス・就職活動中の学生へのハラスメント等も含め、あらゆるハラスメント対策を進めます。

●職場でのメンタルヘルス・チェック体制の充実を図り、産業医による面接指導や健康相談の確実な実施、担当者等への研修などを推進します。

●うつ病などの精神疾患について、メンタルヘルス・ファーストエイドの考え方を用いた普及啓発、AIを活用し自分で心の健康をチェックできる「KOKOROBO(ココロボ)」の活用、心の不調に悩む人を支える「心のサポーター(ここサポ)」の100万人養成、また、メンタルヘルスの定量的評価に関する研究を進めるなど、職場・地域における早期発見・治療体制を強化するとともに、認知行動療法や適切な薬物療法の普及を促進します。

●SNSを活用した自殺防止など24時間相談体制を充実するとともに、ひきこもり等さまざまな生きづらさを抱えている方々が安心して過ごせる居場所を地域に増やす取り組みを推進します。

●第4次自殺総合対策大綱に基づき、子ども・若者の自殺対策のさらなる推進・強化、女性に対する支援の強化、地域自殺対策の取り組み強化、総合的な自殺対策のさらなる推進・強化等を図り、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現をめざします。

●子どもや若者の自殺防止対策を強化するため、関係省庁が連携し政府を挙げて、「こども・若者の自殺危機対応チーム」の全国展開等の取り組みを推進します。

●拒食症や過食症などを含む摂食障害について、国民の理解を深める啓発活動を進めるとともに、安心して相談・治療できる支援体制を整備します。

●テレワークなどオンラインで仕事を行う方や、オンライン授業を受ける学生等の増加を踏まえ、遠隔型のメンタルヘルスケアの充実を図り、産業医や大学内のカウンセリングセンター等によるオンラインでの健康相談を推進します。子どもや若者の自殺防止対策を強化するため、関係省庁が連携し政府を挙げて、「こども・若者の自殺危機対応チーム」の全国展開等の取り組みを推進します。

 

⑪障がい者施策の充実

●障がい等さまざまな生きづらさを抱えながらも働く環境を整えるため、雇用と福祉の連携を図り、障がい者雇用の推進、通勤・勤務に対する支援、就労準備支援事業を活用した支援付就労等多様な就労を支援します。

●障がい者等の自立と社会参加の促進のため、全国(都道府県・指定都市及び中核市)にICTサポートセンターを設置し、障がい者の情報通信技術(ICT)の利用機会の拡大や活用能力の向上を図り、機器開発を推進し情報へのアクセスを円滑に行えるように支援します。

●医療的ケアを必要とする成人の教育や雇用・労働などについてのニーズを把握し、支援策につなげる取り組みを推進します。

●誰もが安心して暮らせ活躍できる共生社会を実現するため、改正障害者差別解消法に基づく、民間事業者による合理的配慮の提供の義務化を踏まえた法内容の周知啓発等の取り組みの強化をはじめ、第5次障害者基本計画に盛り込まれたさまざまな障がい者施策を総合的に充実・推進します。また、必要に応じて、障がい者施策を見直しつつ、障害者基本法、障害者虐待防止法などの法制度の改正を行います。

●発達障がい者(児)について、家庭と福祉、教育の連携(トライアングル・プロジェクト)により、切れ目のない支援を推進します。

●強度行動障がい者(児)が暮らす場所と必要な医療を受ける連携体制を十分に確保します。地域移行が困難なことをふまえ、質の高いグループホームの在り方について検討します。

●障がい者が安心し、生きがいを持って地域生活を送れるよう、グループホーム等の整備、在宅就労などの就労・定着支援、発達障がい児・者の地域支援体制の強化に取り組みます。

●地域における障がい者の自立と社会参加の促進を図るため、全国の障がい者の芸術文化活動に関わる支援センター等の整備拡充により、障がい者の芸術文化活動を推進します。

●新生児聴覚スクリーニングにより、聴覚障がいのある子どもを早期に人工内耳や補聴器などの適切な治療や療育につなげる体制を整備します。また、聴覚障がいに応じた人工内耳や補聴器の支援を行います。さらに、難病による聴覚障がいに対する補装具の特例支給を推進します。

●認知症の人等の大幅な増加や障がい者等のために、地方自治体が、市民後見人を育成し担い手を確保できるよう研修等の支援を拡充するとともに、誰もが早期に成年後見制度を利用できるよう、成年後見制度利用促進基本計画等に基づき、地域連携ネットワークの機能強化や関係者間の連係・協力体制の強化に取り組み、持続可能な権利擁護の支援を推進します。家庭裁判所の必要な定員の確保など体制整備を引き続き進めるとともに、家庭裁判所が地方自治体、行政機関や成年後見実施の民間団体と連携を図ることによって監督体制強化をめざします。

●高次脳機能障害の実態調査とともに当事者や家族等の支援を進める関係機関の確保と生活・就労など地域で支える支援体制の充実を図ります。

●2025年デフリンピック(ろう者のオリンピック)東京大会の成功に向けた機運醸成や各種準備、出場選手のための環境整備の一層の向上、電話リレーサービスの一層の普及、全国の自治体での海外選手との交流事業等を推進します。

●視覚障がい者の方が情報を得やすい社会の実現に向けた情報アクセシビリティ向上の取り組みを加速するため、国や自治体等から届く公的な通知文書などへの「音声コード」の普及を進めます。

●盲ろう者の生活を支えるため、盲ろう者向け通訳・介助員の育成と待遇改善や就労支援、相談や生活訓練を自治体で受けられるよう取り組みます。

●片目失明者等への支援について、小眼球症を含めた片目義眼への保険適用も含めて、2022年度から行われている調査研究の結果を踏まえつつ、当事者の意見を聞きながら適切な対応を検討します。

 

⑫老後の安心のために(認知症施策、介護、年金等)

●認知症と共生できる社会を実現するため、認知症の人の社会参加の場づくり、官民一体となった認知症バリアフリー化の推進、地方自治体の相談体制整備、医療・介護提供体制の充実、認知症サポーターが地域で活躍できる場づくり、家族等支援の充実、若年性認知症への支援、初期集中支援チームの体制強化、認知症本人のピア活動(当事者同士の支え合い)などを進めます。また、自治体の認知症施策推進計画の策定を支援します。

●尊厳あるケアと適切な医療や福祉サービスを提供することをめざし、認知症サポーター講座に加え、ユマニチュードをはじめ効果的な研修の普及展開などで、行動・心理症状(BPSD)に対する理解及び対応向上を図ります。

●行方不明になった認知症の人を一刻も早く見つけられるよう、警察のほか交通機関や商店、地域住民らが協力する「SOSネットワーク」の導入を進めます。また、多くの地域住民の協力が得られるよう、その仕組みを丁寧に周知します。

●認知症根本治療薬の開発・早期実用化や最先端の技術を活用した早期診断法の研究開発を進めるとともに、認知症の人の心身の特性に応じたリハビリや予防・介護方法に関する研究を進めるため、認知症研究開発費を大幅に拡充します。

●施設等において認知症の利用者に対する手厚いケアが可能となるよう、報酬上適正に評価されるよう見直しを進めます。

●誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせるために、家族に頼れない又は家族がいない人が増えていることを念頭において、医療、介護、予防、住まい、生活支援を地域の中で一体的に受けられる「地域包括ケアシステム」を再構築するとともに、幅広く高齢者等からの相談を受ける地域包括支援センターの体制強化及び住民主体のサービス拡充のための環境整備を行います。

●急増する高齢者のニーズに対応し、生活支援サービスなどを確保するため多様な担い手による地域の支え合いの体制づくりを進めます。そのため、地域医療介護総合確保基金を活用し、各自治体の地域支援事業(介護予防・日常生活支援総合事業)の取り組みを支援します。

●介護支援にポイントを付与する「ボランティア・ポイント」の普及促進や元気な高齢者への「お元気ポイント」付与をめざします。

●高齢者の「通いの場」を中心とした介護予防・フレイル対策と生活習慣病等の疾病予防・重症化予防を一体的に実施する取り組みを推進します。また、「通いの場」に理学療法士等リハビリテーション専門職を派遣したり、利用者の生活機能を改善するため専門職による短期集中的な支援を行うC型を推進したりするなど生活期におけるリハビリテーション提供体制を整備します。

●認知症の主たる要因の一つに難聴が指摘されています。加齢による難聴など気づかないうちに進行し、適切な支援や受診につながらず、孤独・孤立に陥る場合もあります。加齢による聴力低下を早期に発見し、適切な支援につなげるため、身近なところで聴力チェックが受けられる体制を整備します。難聴に悩む高齢者が医師や言語聴覚士などの助言のもとで、自分にあった聴覚補助機器等を使用する体制を整備するとともに、そのための必要な財政的な支援も検討します。

●高齢者の聴覚検査の在り方について、必要な調査研究等を行います。また、有毛細胞は一度損傷すると元には戻らないことから、高齢者のみならず若年層も含めて難聴に関する正しい知識の普及啓発が図られるよう、周知広報を強化します。

◎介護・保育等、社会保障を支える担い手の給料を全産業平均(月額38.6万円※)まで引き上げることをめざし、段階的な取り組みを進めます。
※38.6万円は賞与込みの給与。2024年6月分の給与に、前年の1~12月分の賞与の1/12 を加えて算出した額

●訪問介護をはじめとした介護職員の賃金を全産業平均まで引き上げることをめざし段階的な取り組みを進めるとともに、離職防止や生産性の向上、人材のすそ野を広げる取り組み、外国人材が働きやすい環境整備、介護職の魅力向上など、あらゆる施策を総動員して介護人材の確保に取り組みます。

◎介護の相談体制や家族への支援強化、事業所のDX化などを進め、安心してケアできる体制を整えます。
〇介護離職を防止するため、改正育児・介護休業法に基づき、労働者が家族の介護に直面した旨を申し出た時に、両立支援制度について個別の周知と意向確認を行うとともに、家族介護に直面する前の早期の段階に両立支援制度の情報提供を行うことを事業主に義務付ける制度について、周知・広報等に努めます。さらに、介護休業などの取得や柔軟な働き方を促進するとともに、休職者をサポートする社員の支援を充実させるなど、ワーキングケアラーへの支援を強化します。また、フリーランスや自営業等における介護の実態を把握し、必要な支援を検討します。

●「地域包括ケアシステム」の要となるケアマネジャーの専門性の向上と処遇改善を進めるとともに、法定研修の見直しを含めた負担軽減を図ります。また、国家資格化を検討します。

●訪問介護事業において、移動支援やハラスメント対策、メンタルヘルス対策を重視し、一人でサービス提供を行う特性も踏まえつつ、安全に配慮した健全な労働環境を整備します。また、介護職員の研修体制を強化するなど、質の高いサービス提供を支援します。

●低年金者への福祉的な措置として、最大月額5,000円(年6万円)を支給する「年金生活者支援給付金」の実施状況等を踏まえ、さらなる拡充を検討するとともに、障害基礎年金の加算など所得保障の充実に向けた検討を進めます。

●厚生年金等の未加入問題に取り組むとともに、マイナンバー制度を活用して「免除制度」の確実な適用を図るなど、国民年金等の未納・未加入問題の解消に取り組みます。
○高齢者支援の充実で、生涯にわたり、安心と生きがいある社会を築きます。そのため、シルバー人材センターを充実させることに加え、ハローワークの機能強化や新たな「人材バンク」の立ち上げなどを検討し、高齢者が安心して学び・働くための支援を強化します。高齢者の活躍を推進する法律を制定し、ワンストップの相談体制を整備するとともに、リ・スキリングによる人材育成と資格・認定制度を創設します。

●高齢者は地域共生社会を支える大きな力であり、地域のニーズと高齢者のマッチングを行う“橋渡し”や有償ボランティア等多様な活躍の場を確保するとともに、老後を見据えた現役社員への研修といった企業の取り組み促進など、新たな方策を検討します。

◎現在の年金受給者はもちろん、将来世代にも安心できるよう、老後の所得保障の充実に向けて、すべての方に共通する基礎年金の給付水準を底上げします。

◎パート・アルバイトの方も、働く企業の規模にかかわらず厚生年金に加入できるよう、被用者保険のさらなる適用拡大を進め、保障を充実します。

◎高齢者が働きやすい環境を整備するため、在職老齢年金の見直しを進めるとともに、ハローワーク等のマッチング機能の強化や定年後における継続雇用後の処遇改善に取り組みます。

●障害年金に特化した相談窓口の設置など相談体制を強化するとともに、障害年金の審査の適正性・公平性をより一層向上させるための措置を講じます。

●高齢化の進展や核家族化等に伴い、家族がいない又頼れない単身者が増えている実態を踏まえ、家族を前提とした各種制度を見直すとともに、終活サポートを含め、誰もが安心して利用できる終身サポート事業を制度化します。特に住まい支援は極めて重要であり、低廉な家賃でかつ入居時から入居中、退去時まで一貫して支援が受けられる居住サポート住宅を10年間で10万戸確保をめざします。また、誰もがお亡くなりになられた後の葬儀や埋葬、財産処分などを第三者に安心して託せる仕組みを構築します。

●単身高齢者の方々に対する身元保証や日常生活支援、お亡くなりになられた後の支援等のサービスを提供する民間事業者が守るべき留意事項などをまとめた「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」の普及啓発と実効性を担保する仕組みを構築します。また、日常生活自立支援事業を拡充・発展させた新たな事業の創設、成年後見制度の見直しなどを進めます。

●地域共生社会を支える高齢者への施策の強化に向けて、有償ボランティアなど多様な活躍の場の確保や、老後を見据えた現役社員への研修といった企業の取り組み促進など、新たな方策を検討します。

ソーシャルメディア