「ポンペイの呪い」が効いた? …ナチス略奪のモザイク作品、80年ぶりに帰還
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.07.16 08:22
第二次世界大戦中にナチスの将校がイタリアから略奪した古代ローマのモザイク作品が、およそ80年ぶりにイタリアへ戻ってきた。
ANSA通信によると、今回の返還はその遺物を所有していたドイツ人家族の自発的な意思に基づいて行われた。この家族は、イタリアの文化財保護専門警察「国防警察司令部(TPC)」に直接連絡し、返還の意志を伝えた。
返還された作品は恋人関係の二人を描いたモザイクで、第二次大戦中にイタリアに駐留していたナチス・ドイツ軍の大尉が盗み、あるドイツ人に贈ったものだった。
TPCはこの遺物の真贋および出所を確認するため調査を行い、その結果、このモザイク作品がベスビオ火山の近くポンペイから出土したものであることを突き止めた。
すべての確認手続きが完了した後、この作品は2023年9月16日、ドイツ・シュトゥットガルトにあるイタリア総領事館を通じて正式にイタリアへ返還された。
その後、保存・修復作業を経て、ポンペイ考古学公園にて返還式が開かれ、TPCのフランチェスコ・ガルガーロ司令官が公園長ガブリエル・ツフトリゲル氏に直接モザイク作品を引き渡した。
ツフトリゲル氏は、「本日の返還は、開いた傷を癒すようなものだ」と述べ、このモザイクが西暦79年のベスビオ火山噴火によって失われる前のポンペイの歴史を再構成する上で重要な役割を果たすと強調した。
また彼は、「盗まれた遺物への所有欲が、重荷となるという意識の変化を自発的な返還者たちからよく感じる」と語った。さらに「ポンペイの呪いを恐れて返還する人も少なくない」とも伝えた。
「ポンペイの呪い」とは、ポンペイ遺跡から小石一つでも盗めば不幸が訪れるという一種の迷信だ。科学的根拠はないが、この迷信のおかげで実際に多くの文化財が戻ってきており、ポンペイ遺跡には返還された遺物とともに「謝罪の手紙」を展示する特別スペースまで設けられている。
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