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岡部芳彦

岡部芳彦認証済み

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神戸学院大学経済学部教授/ウクライナ研究会会長

報告

解説記事にあるオルバン首相の執務室の「ツラン民族分布地図」は、北川鹿蔵を中心に「日本ツラン協会」によって作成されたものと思われます。この協会は記事にもある「汎ツラン主義」の普及のため設立されましたが、この思想は「アジア系」のフィン人、ハンガリー人、テュルク人、モンゴル人などウラル・アルタイ人種である「ツラン民族」の団結を唱えました。僕の研究テーマの一つは北川で、彼は南満州鉄道ハルビン事務所に勤めながらツラニズムの言論活動を行う一方、そこに住むウクライナ人を支援しました。彼の中ではウクライナ人も「ツラン人種」と考えていたのかもしれません。当時ある程度人気があったこの説ですが、まったく根拠がなく、現在では「トンデモ学説」扱いです。一方、日本の満州進出のイデオロギーの一つともなりました。その地図がオルバン首相の執務室にあるとは日本で忘れ去られた政治イデオロギーをもしかして信じているのでしょうか・・

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コメンテータープロフィール

岡部芳彦

神戸学院大学経済学部教授/ウクライナ研究会会長

政治・経済・文化などのウクライナ研究、日本・ウクライナ交流史が専門。ウクライナ国立農業科学アカデミー初の外国人会員。日本人とウクライナ人の交流史に関する著書を続けて刊行しているほか、ウクライナの詩集や民話の日本語への翻訳も行っている。ウクライナ内閣名誉章、最高会議章、ウクライナ大統領付属国家行政アカデミー名誉教授などを授与される。ロシアへの留学経験もあり。Yahoo!ニュース 公式コメンテーター「コメンテーターアワード2022」受賞。なお発信内容は個人の見解であり、所属先を代表するものではありません。

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