経営再建中の日産自動車は15日、国内主力の追浜工場(横須賀市)の車両生産を2027年度末で打ち切ると発表した。子会社の日産自動車九州(福岡県苅田町)に移管し、統合する。研究所、衝突試験場、輸出用の専用ふ頭といった工場機能以外は存続させ、工場跡地の活用は検討する。
約3900人(24年10月末時点)の従業員は27年度末まで、追浜で勤務を継続する。以降の雇用については、労働組合と協議を始めるという。
27年度までに国内外2万人を削減し、7工場を閉鎖する再建計画の一環。イバン・エスピノーサ社長は「現状の課題を克服し、持続可能な未来を築くための重要な一歩」と談話を発表した。
日産の「マザー工場」として、1961年に操業を始めた追浜工場の年産能力は24万台。累計1780万台余りを生産した。調査会社マークラインズによると、追浜工場の24年の稼働率は4割にとどまる。業界で8割前後とされる損益分岐点を大幅に下回っていた。
日産の24年度連結決算は、最終損益が過去3番目に大きい6708億円の赤字に転落。中国を除く世界の生産能力を24年度の350万台から27年度までに250万台に圧縮し、工場稼働率を3割引き上げる計画だ。