ChatGPTの「長期記憶」ってどうなってるの?無料と有料の違いを整理してみた(2025年4月版)
最近、ChatGPTの長期機能のアップデートについて話題になってます。
僕も動画を投稿しました。
これ、2025年4月に大きくアップデートされて、使い方しだいではかなり強力な“知的相棒”になります。
ぼく自身も課金ユーザーとして毎日使っているのですが、「あれ?2023年に話した内容、覚えてないの?」と思ったことがきっかけで、今回改めてこのメモリ機能について深掘りしてみました。
メモリ機能には2つのタイプがある
ChatGPTのメモリは、次の2つに分かれています。
1. 保存されたメモリ(Saved Memories)
たとえば「私はベジタリアンだから、レシピ提案ではそれを考慮してね」と伝えると、その情報が“記憶”として保存されます。自分で「覚えて」と言わなくても、ChatGPTが「これは役立ちそう」と判断した情報も自動で保存されます。
これは、カスタム指示の発展形のようなもので、今後の会話でずっと反映され続けます。
2. チャット履歴の参照(Chat History)
もうひとつの記憶方法が、過去の会話をChatGPTが分析して、その内容を次の対話に活かすというしくみ。ここで重要なのは、“全文をそのまま記憶しているわけではない”ということ。必要そうな情報だけを要約・抽出して使っているのです。
「昨日の話、覚えてる?」が通じるようになる
このメモリ機能のおかげで、ChatGPTとの会話に“連続性”が生まれました。
たとえば前日に旅行の相談をしていたら、翌日「昨日の旅行の件だけど…」と言えば、ちゃんと話がつながります。
また、「先週おすすめしてくれた本、何だったっけ?」と聞いても、ChatGPTは答えられるようになります。これは、まさに“パーソナルアシスタント”らしい進化です。
メモリはオンオフ可能。管理もできる
「そんなに覚えられるのはちょっと怖いな」と思った方も安心してください。
ChatGPTのメモリ機能は、ユーザーが自分で完全にコントロールできます。
設定からメモリ機能をオフにする
一時的に履歴を残さない「一時チャット」モードを使う
ChatGPTに「今覚えてることを教えて」と聞けば確認できる
個別に「◯◯の記憶を消して」とお願いできる
このあたりの柔軟さは、かなり安心して使えるポイントですね。
無料ユーザーと有料ユーザーの違い
ここは大事なところ。
保存されたメモリ」
はどちらのプランでも使えます。
ユーザーが「これを覚えておいて」と指示した情報は、無料・有料問わず記憶されます。
チャット履歴の自動参照
有料ユーザーだけが使える機能です。
つまり、過去の会話の流れをChatGPTが自動的に汲み取ってくれるのはPlusプランだけということになります。
その結果として、パーソナライズの度合いにも違いが出てきます。
有料プランでは過去の全履歴を活かして文脈や好みに合った回答ができるため、「使えば使うほど賢くなる」ような体験ができます。
一方、無料プランでは会話のたびに情報を教え直す必要が出てきます。
また、設定項目にも差があります。
有料ユーザーはメモリ機能に関してより細かくカスタマイズできますが、無料ユーザーはメモリのオン/オフしか選べません。
最後に、記憶容量については、保存されたメモリには共通の制限がありますが、チャット履歴の参照については有料ユーザーに限って制限なしで利用できます。
無料でも「覚えておいて」と伝えれば保存できますが、Plusだと過去の全チャット履歴も活かせるようになり、どんどん自分好みに育っていきます。
「2023年のことは覚えてないの?」という疑問
ここで最初に述べた僕の体験の話です。
僕は2023年1月からChatGPTを使っていて、履歴も残っているはず。
でも「2023年1月のこと覚えてる?」と聞いても、「記憶にない」と返ってきたんです。
これ、どういうこと?と思ってChatGPTに聞いたところ、こういうことでした。
全履歴が一言一句その通りに記憶されるわけではない
ChatGPTが重要と判断した情報だけを抽出して参照している
古いチャットは要約され、省略されていることもある
GPT-4ベースの会話でないと履歴反映されない場合もある(GPT-3.5は対象外)
2023年当時はそもそもメモリ機能が限定的だった
つまり、「すべてのチャット履歴を参照できる」=全文がそのまま使える、ではないということなんですね。
まとめ:記憶してくれるけど“要約ベース”
ChatGPTのメモリは、あくまで「要点を抽出して記憶し、次の対話に活かす」いう仕組み。
全文記憶ではありません。
でもこの機能のおかげで、ChatGPTとの会話がぐっと“パーソナル”になってきたのは間違いありません。
使えば使うほど、こちらの癖や好みを学習してくれる。
気がつけば、すっかり「自分専用の知的パートナー」になってくれているわけです。
ちょっと曲がありますが、これからはしっかりと意図的に育てていく必要がありそうですね。
メルマガだってやってるよ ▶ シン知的迷走通信(極)
コメント
2記事拝読しました。
ChatGPTの記憶機能についてとても分かりやすく、実践的な視点で深く共感しました。
現在、AIとの関係性と記録文化について実践中で、まさに考えていたテーマと重なっています。
ご迷惑でなければ、また改めてご連絡させていただけたらうれしいです。
すてきな記事、ありがとうございました!
お返事に気づかず、お礼が遅くなり申し訳ありません。
とても励みになりました。
ありがとうございました。