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36年前、日本中の魂が震えた“不平不満まみれの大名曲” バブル社会に一石投じた“音楽界のスピードスター”

  • 2025.7.16

「36年前の今頃、どんな曲が心に響いていたか覚えている?」

1989年、音楽シーンに革新的な楽曲が続々と登場してきたた中で、ひときわ印象的な曲がリリースされた。

その曲の名はーーユニコーンの『大迷惑』(作詞・作曲:奥田民生)

今回は、ユニコーンらしさが詰まったこの楽曲の背景とその魅力を深く掘り下げてみたい。

会社員がいきなり単身赴任ーー実体験から生まれた“大名曲”

ユニコーンは、1986年に広島県にて結成。なんとその3ヶ月後には早くもソニーのオーディションに合格し、翌年1987年にメジャーデビューを飾るなど、まさに音楽界のスピードスターだった。

そんなユニコーンが1989年4月29日にリリースした1枚目のシングルが『大迷惑』。実は、ボーカルの奥田民生と親交のあったレコード会社の社員が転勤することになったことをキッカケに、彼をテーマとして作られた曲だという。歌詞には、そんな彼のもどかしい状況や不満がつぶさに描かれている。

ようやく手に入れた夢のマイホーム、愛する妻と優雅に過ごす日々。そんな幸せ絶頂とも言える折に、係長から3年2ヶ月の単身赴任が唐突に言い渡されるーー

会社に反抗したいのに反抗できないもどかしさ、お金を稼ぐことに対する疑問、妻への愛情と離れてしまう悲しみ、それなのに独りになれば美女の誘惑には抗えない下心、それでも埋まらない寂しさ、帰りたいのに帰れないことへの憤り……

唐突な辞令を出してくる係長、そしてさまざまな感情がごちゃごちゃに入り混じるような苦しい現状に対して、全力で「大迷惑だ」と主張しているのが、この“大名曲”なのだ

なぜ『大迷惑』は広く受け入れられたのか?そのメッセージ性と時代背景

1996年 ユニコーンのボーカル 奥田民生 (C)SANKEI

『大迷惑』が大ヒットした理由は、当時の時代背景と見事にマッチした社会的メッセージにある。

1980年代後半、日本はバブル経済の真っ只中。過労や社会的な格差、転勤制度や単身赴任などによる労働者のストレスが問題となっていた。そんな社会背景において、会社員たちの不安や不満、社会に対する批判的な気持ちを代弁するかのように、ユニコーンはストレートに、そして高らかに「大迷惑」と叫び散らかしたことで、広く共感を呼び起こし、日本中の魂を震わせたのだ。

また、日本の企業文化や社会の常識に対する疑問や反発を歌いながらも、その表現が非常に軽妙で、どこかポップな雰囲気を持っていることも、この楽曲の大きな魅力。この絶妙なバランス感覚が、社会的メッセージを発信しながらも聴きやすい楽曲として大ヒットした理由の一つと言える。

テーマや歌詞と、多ジャンル的なメロディの化学反応

ユニコーンの音楽は、ポップ、ロック、パンク、ファンクといった多様なジャンルを自由に融合させる点に魅力がある。その特徴は、この『大迷惑』にも顕著に表れている。

パンクやロックに影響されたアップテンポでエネルギッシュなサウンドとキャッチーなメロディ、スピードを保ちながらも時折散りばめられたキメや“間”が作用したメリハリのある曲構成、さまざまな音が次々と心地よく折り重なる“計算されたゴチャゴチャ具合”ーー一度聴いたら耳に残ってしまうのは、そういったメロディ的な“楽しみ”がふんだんに盛り込まれているからであろう。

こういったユニコーンならではのユーモアを音楽に交えながらも、その根底には前述したような鋭い社会的メッセージが込められているのだ。この聴きやすさとテーマ性の深みの化学反応こそが、この楽曲が単なるエンターテインメントを超えて評価される所以であり、当時の音楽シーンに新風を吹き込む斬新さを持っていたのだろう。

時代を超えて愛され続ける『大迷惑』

『大迷惑』は、当時の音楽シーンにおける革新性だけでなく、その普遍的なテーマと共感を呼ぶ歌詞によって、今聴いても心に深く刺さるものがある。

時代がいくら変わろうとも、働く者たちの苦悩と戦いは続いている。そんな彼らの社会への不満や感情の葛藤を、この楽曲は相変わらず「大迷惑だ」と代わりに叫んで、多くの人の心の中で響き続ける。


※この記事は執筆時点の情報です。

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