『週刊現代』より

赤字病院で頻発する「医療ミス」

貧すれば鈍するというべきか、赤字の病院では、医療そのものの質の低下も否めない。

ワースト5位の千葉県がんセンター(純医業収支マイナス59億8600万円)では2021年、60代の男性がん患者が血液検査・薬物投与のミスにより死亡。

10位の神戸市立医療センター中央市民病院(同マイナス45億2700万円)でも今年2月、がん治療薬「オプジーボ」の投与ミスで70代男性が亡くなった。

16位の市立札幌病院(同マイナス39億800万円)では昨年度、医療事故が一昨年より60件も多い222件に増えたという。

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以前、近畿中央病院に勤めていた医師はこう明かす。

「公立病院や半官半民の病院の経営陣は、赤字でもまるで危機意識がないのです。

建て替えなどの面倒事は後回しにし続け、不祥事が起きれば部下に責任を押しつける。利益を上げるために患者に不要な検査を受けさせ、難しい症例は他の病院に回す。

私はそんな病院、早く潰れてしまったほうがいいと思いますよ」

世界に冠たる日本の医療が、哀しい「終末期」を迎えようとしている。

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「週刊現代」2025年07月21日号より

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