発達障害の認識に対する誤解
昨日の投稿で紹介した「親学推進議員連盟」は超党派による議員連盟であり、主な役員は以下の通りです。
●会長 安倍晋三
●顧問 森喜朗・鳩山由紀夫・山口那津男・保利耕輔・渡部恒三・平沼赳夫・渡辺喜美・大島理森
●会長代行 高木義明
●幹事長 鈴木寛
●幹事長代理 笠浩史
●事務局長 下村博文
共産党と社民党を除く超党派の議員連盟で、とりわけ公明党は熱心な推進役で池坊保子議員が「世話人」に加わりました。
親学推進議員連盟が目指したのは、
①政府に親学推進本部を設置して、必要な財政上の措置を講じ、教育基本法第10条を具体化するための家庭教育支援法の制定、家庭教育支援基本計画の策定
②地方自治自体での家庭教育支援条例の制定
③脳科学等の科学的知見、科学的根拠に基づく子供の「発達の保障」
④発達障害の早期発見・予防
⑤親子の絆を深める子守唄と親守詩の推進
などでした。
昨日の投稿では、⑤親守詩の全国的な広がりについて投稿しましたが、予期せぬ事態によって、解散せざるを得なくなりました。
それが、発達障害の認識に対する誤解です。
●”愛着形成の不足”と”愛情不足”は明確に違う
解散せざるを得なくなったきっかけは、大阪市での家庭教育支援条例案をめぐる騒動です。
大阪維新の会の市議団が提案を予定していた”家庭教育支援条例案”に「乳幼児の愛着形成の不足が軽度発達障害またはそれに似た症状を誘発する要因」と書かれていたことが、マスコミによって「愛情不足が発達障害の原因」と大々的に報じられました。
この文言が一人歩きしたことが契機となり、多くの反発を招きました。
その後、多額の助成金を支援していただいた日本財団の笹川会長に仲介していただき、発達障害の親の会の代表とお会いする機会をいただきました。
発達障害に対する親学の科学的知見について説明し、「親の愛情不足で発達障害になる」などとは全く考えていないことを十分に理解していただき、同席した同会の幹部全員の了解を得て固く握手して別れたにもかかわらず、組織的な妨害工作が展開されたのです。
マスコミのとんでもない誤報に対して、私は親学推進協会理事長声明を出し、産経新聞などで反論しましたが、炎上した誤解は瞬く間に広がりました。
教育界「出る杭ネットワーク」を提唱して、「出る杭は打たれる。出過ぎた杭は打たれない」と豪語してきた私が、「騒ぎの混乱の責任を取るべきだ」という周囲の忠告を受け入れ、生まれて初めて退きました。たとえ誤解に基づくものであっても「責任」は率先して果たすべきと決断しました。
そして、解散せざるをやむなきに至りました。
”愛着形成の不足”と”愛情不足”は明確に意味が異なり、私自身、愛情不足が発達障害の原因とは全く考えていません。
これを混同したことが混乱の原因であり、発達障害をどう捉えるかについての共通理解の欠如という根本問題があります。
●発達障害の二つの成因
発達障害は、多動・固執・注意欠陥・人格の未熟さ・自己中心性・破壊行為・社会不適応などが基本的な特徴ですが、成因は二つあります。
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