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中国クオンツファンド、米学生の採用強化-トランプ氏のビザ規制照準

  • 連邦資金削減やビザ政策厳格化の影響を受けた学生が対象
  • クオンツファンドで人材争奪戦激化、中国勢も一角を占める-専門家

中国のクオンツ系ヘッジファンドは、米国の理工系学生の採用に力を入れている。トランプ米大統領による連邦資金削減やビザ(査証)政策厳格化の影響を受けた学生が対象だ。

  上海拠点のミンシ・インベストメント・マネジメントは先月、最近の米政策変更で博士課程を修了できなくなった学生を対象に、正社員として雇用する特別プログラムを始めた。海外留学の計画が頓挫する可能性のある中国の大学卒業者に対しては、インターンシップの機会も提供する。

  人工知能(AI)を使うクオンツファンド、上海GoKuテクノロジーズはこうした政策で不利益を被った能力のある学生を「歓迎する」としている。中国東部の運用資産100億元(約2100億円)のクオンツファンドも今年、米国など海外からAI研究者を3人採用した。

  外国人学生の米大学へのアクセスを米政権が制限する中、中国のクオンツファンドはその動きを利用している。

  ルビオ米国務長官は5月、一部の中国人学生ビザの取り消しが「積極的」に行われ、中国や香港からの申請者により厳しい審査が行われると述べていた。

  中国のクオンツファンドはこれまで資金力のある有名なグローバル大手との競争で苦戦してきたが、今回の機会を生かし米国の学生を呼び込もうとしている。

  人材紹介会社プリンシプル・パートナーズのパートナー、キャリー・チャン氏(香港在勤)は、「トップクラスのグローバルのクオンツファンド間で人材争奪戦は激化しており、中国のクオンツファンドも今はその一角を占めるようになった」と指摘した。

原題:China’s Quant Funds Boost US Recruiting After Trump’s Visa Curbs(抜粋)

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