現代思潮新社、ホームページで廃業発表 表現の自由巡り「サド裁判」

伊藤宏樹
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 出版社の「現代思潮(しちょう)新社」は15日までに、今年9月末で廃業すると自社のホームページで発表した。

 石井恭二氏(2011年死去)が設立した「現代思潮社」が前身で、石井氏の引退を機に社名を変更した。1959年に刊行したフランスの作家で思想家のマルキ・ド・サドの小説「悪徳の栄え 続」は、わいせつ文書として発禁処分を受け、石井氏は翻訳したフランス文学者の渋沢龍彦とともにわいせつ文書販売、同所持の罪で起訴された。69年に最高裁で有罪が確定した裁判は「わいせつか、芸術か」が問われた。

 ホームページには、「かねてより石井恭二が念願としていた『出版社としての死滅』を成就、石井との約束を果たすことができ、万感の思いを感じております」との文を掲載した。

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