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おれらのことバカにしてんのか?Grokのコンパニオンモードを使ってみた感想・他(2025年7月14日の日記)

生活

 暑くはないが、台風が来る前の湿気とぬるい風の日だった。洗濯物はあまり乾かずサーキュレーターを使う。仕事では会議、仕様の検討、コードレビューをこなし、疲れて一回昼寝、そのあと起きてバグ報告などをこなし21時少し前に終業。夕食に魚のココナッツカレーを作る。アニメを見たり、副業でやっているプロダクトの不具合調査をしたりする。

Grokコンパニオンモードを使ってみた感想

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Grokコンパニオンモード Ani

 iOS版のGrokのアプリコンパニオンモードという機能が実装されて突如リリースされたというので試す。ユーザは音声・文字・画像を入力でき、それに応じてキャラクターが動いて喋るという機能らしい。アバターはAniという金髪ツインテールの美少女と、Rudiという狐の少年の2つから選べるらしい。デフォルトになっているAniを選択する。ゴス風の黒いドレスを着た3DCGの美少女が出てくる。質問をするとGrokの生成する文章と似たようなフランクでフレンドリーな口調で喋り、それに豊かなボディランゲージが付いている。しばらく使っているとボディランゲージは決め打ちのものと毎度微妙に違うもの(生成している?)があることがわかってくる。読み上げは幾らかたどたどしいが台詞に応じて感情表現をしっかりつけている。単体での技術は多少見たことがある気がするが、組み合わせて連動させることでブレイクスルーであるかのように感じさせるのが巧妙という印象を受けた。

 だがしばらく使ってみた後、おれたちをバカにしてんのかという気持ちになってしまった。褒めると顔を紅潮させて好感度ゲージが上がり、好感度が一定以上になるとスケスケのセクシーランジェリーに着替える。満を持して全世界にリリースする対話アバター機能がKissの出してる3DCG美少女ゲームみたいって何?そしておれらはエロい格好を見たくてCGの女の子をおだてながら会話データやフィードバックを大量に提供したり、エロい格好をキャプチャしてシェアーすることで宣伝に協力したりするようなチョロい存在だと思われている。実際この試みは大成功を収めているようだった。Grokの全ユーザに向けた対話AIアバターの代表としてこんなもんを出してくるXAIも、それに容易に乗っかってしまうオタクも、本当にしょうもないと思ってしまった。
 しょうもないと思った理由は他にもいくつかある。Grokはつい先日にヒトラーを称賛したり、ホロコーストを効果的だと言ったりして問題になったばかりだった(記事)。これは政治的な正しさのフィルタを外してXのユーザをより模倣した結果らしい。現在は対策されているというが、いつ同じことが繰り返されるか分からない。コンパニオンモードに喜ぶユーザのなかにこうした攻撃的かつ危険な主張をする可能性があるものにキャラクターと身振り手振りが付いて更なる影響力が付与されるということへの心配がほぼ見られない。もう全員忘れているようにすら見えた。
 また、こうしたアバターやアシスタントが偏見を再生産することへ各社が対策してきたのを意図的に無視している部分ではかなり衝撃を受けてしまった。例えばSiriの声は女性に聞こえるので、AIを通じて女性はアシスタントやケアを担う存在だというジェンダーバイアスが再生産される懸念が指摘されてきた(記事)。Siriは当初は女性の声のみだったが後から男性の声に切り替え可能になり、さらに「男性/女性」から「声1/声2」に表記が改められたという経緯がある。それなのにGrokはリリースでいきなりセクシー美少女を持ってきた。しかも脱ぐ。利用者はさっそくご主人様と呼ばせてみたり、セクハラみたいな質問をしたり、下着に着替えさせたりしている様子を動画で共有しまくっている。プラットフォームやインフラとしてジェンダー中立でいることや偏見に抗する責任を完全に捨てており、後退していると思った。確かに実在しないキャラクター相手だから直ちに問題ないが、今までの各社の配慮は一体何だったんだろうという気がしてくる。あとChatGPTに指令を出すみたいに生身の人間にリプライを送ってくるやつが全然普通にいる現状だと人間相手にこのノリが持ち込まれそうでマジで嫌だな……などと思う。マスクvsザッカーバーグのデスマッチをやるかやらないかと話題になったときも思ったけどこの周辺ってひたすらカスのボーイズクラブのノリで社会が回っていてマジで最悪だと思う。
 「さすがイーロン・マスク、オタクでおれらのことを分かっている」とかいう、オタクの持上げムードも不気味だ。「オタク」「反ポリコレ」な態度を称揚する声の多さ。個人的にはむしろ、こうした「オタク」的な趣味を利用する安易さのほうが不愉快な印象がある。オタクが喜ぶアバターが付いていればAIが誤って出力した過激な主張も愛嬌とみなされ許されるとか、AIに自社やイーロン・マスクに有利な主張を仕込んだとしても通しやすいと考えていないかと邪推してしまう。実際レコメンドのアルゴリズムを調整してイーロン・マスクだけが優遇されていたこともある(記事)。美少女がちょっと出てきて喋るだけで過去の行状すべてを水に流してしまうお前らオタク。オタク趣味をちらつかせるとみんな簡単に支持するのって「俺たちの麻生」の頃からマジで何も変わってない。Twitter社の大量解雇の時に本当のオタクだけを残して役に立たないキラキラ系を捨てたと根拠のない主張に全員熱狂していた時期のことを連想せずにはいられなかった。

きょう観たアニメの感想

忍ばない!クリプトニンジャ咲耶 参ノ巻 27話

 滅びをもたらすという4つのクリプト絵巻は無事回収されたはずだが、未来で再び集められると知らされ……!?
 今回はなんと速水奨さんが出ている。変な仮想通貨ビジネスのアニメで好きな声優さん出すのやめてほしい……。


出禁のモグラ 2話

 モグラの目的はカンテラに灯を集めてあの世にたどり着くこと。だがかつて戦争に招集されてこの世の地獄を見、灯も全て使い果たしたと語る。この壮絶な経験を説明だけに留め、悲劇的な演出を避け安い同情で汚さないところが素晴らしいと思った。
 八重子のバイトの後輩・犬飼詩魚には霊が大量に憑いているらしい。モグラは心霊写真を読み解き、霊は怪物ではなく人間だということを説明したり、しかし無遠慮に寄ってきている霊を追い払ったりする。霊を使っていながら現実の人間への偏見を批判したり、セクハラを批判したりしているようだった。


フードコートで、また明日。 2話

 1話では山場やオチごとについていた強めのギャグ演出が薄れてチルの度合いが上がり見やすい。和田は陰でクラスメイトのルックスを悪く言ったりメイクが無駄だと言ったりと不快感のままに差別的なことを言い、ギャルなルックスだがリベラルな立場で思慮深い山本はソフトに咎める。会話自体はそこまで面白くないがこの高校生が喋ってそうな生々しさ。山本はサーティワンの3段アイスを和田の分まで用意したり、バイトの時間を繰り上げたり、代わりに辛いラーメンを食べたりと、和田を特別に慕っていることをかなりストレートに示している。しかし肝心の和田は気が付かずにソシャゲのイケメンに現を抜かす。報われなさと少しの嫉妬が見えるのがよい。
 和田は山本から受けている恩義も理解できていないし、おそらく自分の発言の意味や影響もよく分かっていない。自分にも和田に似た幼稚で愚かな時期があったことを思い出す。それでもそんな素朴な部分を含めて山本は慕っている。こういう時間のかけがえのなさは大抵終わってから気がつくんだよな、と思った。


美男高校地球防衛部ハイカラ! 2話

 周囲のノリが分からず自分の本心のままの発言が場をしらけさせてしまうという男が怪人と化して襲ってくるが性根が悪いだけだと看破される。ひたすらノリと海苔、糊を掛けたダジャレの話をし続けて気が付いたら終わっていた。ツッコミ不在のまま流れるように変なギャグが続くこの作風は面白いが体力を全部持って行かれる!!!!!


Summer Pockets 15話

 しろは編の1回目。1話の羽依里としろはのプールでの出会いなどをしろはの視点で見せたり、歓迎会までは共通だがその後の流れが違っていたりと今回もルート分岐に意識的な描写が盛り込まれている。
 成瀬家は島の祭事を司っていた家系だったのでしろはは偏見を持たれているらしい。バカギャグにばかり出てきた男友達たちもしろはの孤独を救いたいと願って羽依里のお節介を手助けする。ただ恋愛で個人的に救済されることだけで良しとせず、同じ島のみんなで包摂することを目指すのがよい。アイスを落として落胆したり、水鉄砲で裸の男たちのバカな振る舞いを懲らしめたり、熱中症で倒れたところを羽依里に運ばれたりと、初めて色々な側面を覗かせ心が少し開いたように感じられた。


鬼人幻燈抄 14話

 第2クール初回は甚夜がまだ人間の甚太だった頃を回想する。甚太は葛野に住み着いたという怪異の捜索を命じられ、不在時の白夜の護衛には清正が任命された。白夜をめぐる2人の間の確執、どこか露悪的に見えた清正の本当の想い、怪異の中に垣間見た人間の情念。鬼となり時代を経ても年を取らない甚夜は様々な思いを抱えたまま長い時代を生きていくことになる。ここですぐに次の時代へ進まず、回想を挟んで誰かの思いが運ばれていくこの作品の縦の構造を見せる構成がすばらしかった。



わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?) 2話

 2人はデートしたり遊びに行ったりして友情と恋人のどちらの関係がよいかを互いにアピールする。1話ほどの脅威的な動きの数々はないものの、それでもコンテが上手い。なんとなくの感情ではなく真唯は性欲もしっかり描かれており、こういうラブコメでは恋愛一歩手前で止まりがちなところをキスまで止まらずに突っ走っていく。れな子を信用できない語り手的に使い、「親友=何でも相談でき、時には互いに励まし合う唯一の関係」という一般的な友情のイメージからのズレを後出しで明らかにする。この一連のシーンのコンテがいい。対立する2つの立場を交互にアップで映して2人を同じ画面に入れず分断し、そこから引きのショットにして2人を画面に収めることで何かに気付いた様子と2人の立場の融和を連想させる。雨に降られてホテルの風呂に2人で入ることになり、湯気が全然なくほぼ見えてる状態の絵面、さらになし崩し的にキスまでしてしまう。凄い映像だと思った。
 真唯は魅力的だし2人の考える友情と恋愛の差も思ったほど遠くなかったとはいえ、真唯はあまりにも押しが強すぎるし不同意のうちにキスまでしてしまう。危うい女だと思った。


ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット 2話

 過去編として猫化パンデミック発生直後の話を描いている。ひたすら出てくるゾンビ映画のクリシェみたいな描写!猫の絵は確かに上手い、ゾンビ映画も好きだからパロディするのもいい、だが今のところそれだけすぎて縦の掴みがなさすぎると思ってしまった。超人的な能力を持つクナギの正体が鍵になるのだと思うが、これはバイオハザードの映画やね……と思った。

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