「DMで提訴伝えられた」ガーシー氏への公示送達は「違法」 大阪高裁が審理差し戻し
ガーシー(本名・東谷義和)元参院議員が公開した動画により名誉を傷つけられたとして、元兵庫県警警察官の男性が東谷氏に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁(浜本章子裁判長)は10日、東谷氏に1千万円の支払いを命じた1審神戸地裁判決を取り消し、審理を地裁に差し戻した。東谷氏は訴訟を起こされたことに気づいておらず、男性側が交流サイト(SNS)のダイレクトメッセージ(DM)機能などで知らせるべきだったと判断した。 男性は、東谷氏が令和4年4月にユーチューブの自身のチャンネルに投稿した動画で、「ヤクザと賭けマージャンしてクビになった」などと発言されたとして提訴。東谷氏は口頭弁論に出頭せず、今年1月、請求通りの賠償が命じられた。 判決によると、東谷氏は住民票の住所から引っ越していたため呼び出し状が届いておらず、判決報道で訴訟を起こされていたことを知った。地裁が呼び出し状などを裁判所などに一定期間掲示し、法律上届いたとみなす「公示送達」の手続きを行ったことが違法として控訴した。 浜本裁判長は判決理由で、公示送達は当事者の住所などが「手段を尽くして探索したが分からない場合」に限られると指摘。DMでの連絡は「通常期待される手段」だといえ、これを行わずに行った公示送達やその後の判決は違法だと結論付けた。