報告5に関する補足
2025年3月26日、名興文庫はnote記事「発信者情報開示請求命令申立について」を公開した。
上記記事に対し、下記投稿を観測した(以下、本件投稿という)。
名興文庫が公開した「発信者情報開示請求命令申立について」であるが、同記事に貼っているリンクを見てもらったらわかるように、裁判所HP「11. 発信者情報開示命令申立て」の記事であり、「令和6年11月1日現在」と注記がある記事である。
裁判所HP「11. 発信者情報開示命令申立て」では、下記記載がある。
SNS等のインターネット上の投稿によって自己の権利を害されたとする者は、一定の要件の下、SNS等を運営するコンテンツプロバイダ(CP)に対して権利侵害投稿を行った際のIPアドレスやログイン時のIPアドレス等の開示を求めたり、発信者がSNS等に侵害情報を記録する通信を媒介したアクセスプロバイダ(AP)等に対して発信者の氏名・住所等の開示を求めたりすることができます。
同記事「手続のフローチャート図」にあるように、CPで可能なのは「発信者情報開示命令」と「提供命令」、APで可能なのは「発信者情報開示命令」と「消去禁止命令」である。
本件投稿には「旧式の方ですよ」「新式は「開示命令」の時点でCP・APにログ消去禁止とポスト保存までセット」とある。
プロバイダ責任制限法が改正・施行されたのは令和4年10月1日であり、本件投稿が「旧式」としている旧式とは、令和4年10月1日以前の方式であると予想される。
しかし、名興文庫が参照としている記事は、裁判所HP「11. 発信者情報開示命令申立て」の記事であり、「令和6年11月1日現在」と注記がある記事である。旧式ではない。
報告5にて、名興文庫は「X Corp.は基本的に提供命令に対応しないため、裁判所HPにある【記載例②】をベースに開示を行う」と説明した。
新式の「発信者情報開示請求命令申立」では、CPが提供命令に応じる場合、CPに対しAPの開示を申し立てることが可能である(提供命令申立)。しかし、X Corp.は提供命令に対応しないため、X Corp.に直接AP開示を申し立てるのは困難である。
よって、「手続のフローチャート図」にある書式集②のルートでの開示となる。
提供命令申立に応じるCPが相手方となる場合、書式集①を裁判所に提出、APから氏名等情報を保有している回答があった後、APに対して発信者情報開示請求を行う。その際、ログの保存の観点から「消去禁止命令」を同時に申し立てる。
本件投稿は、「旧式の方ですよ」と説明しているが、これは誤りである。名興文庫は新式の方式で発信者情報開示請求命令申立を行っている。旧式ではない。
本件投稿は、「新式は「開示命令」の時点でCP・APにログ消去禁止とポスト保存までセット」とあるが、説明が簡略されている。新式は、CPで可能なのは「発信者情報開示命令」と「提供命令」、APで可能なのは「発信者情報開示命令」と「消去禁止命令」である。
以上、本件投稿の内容に対し、名興文庫は否定する。
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