観測投稿

X上にて、「発信者情報開示請求命令申立は簡単である」という主張が多く見られた。

上記投稿は、名興文庫に関して継続的に投稿を行なっているアカウントが投稿しており、一部アカウントは東京地方裁判所にて開示決定が出ている。

名興文庫に関する投稿を継続的に行なっているアカウントより、発信者情報開示請求命令申立について具体的な手続きを発信しているアカウントは見当たらなかったことから、実際の手続きに関する説明を簡略ながら行う。

書類については、下記HPをご参照ください。

必要書類

発信者情報開示請求命令申立に必要な書類は下記である。
・発信者情報開示命令申立書
・証拠説明書
・陳述書
・X Corp.の登記簿謄本（履歴事項全部証明書）
・X Corp.のサービス利用規約
・X Corp.のWhois検索結果
・自身が運用しているアカウント情報
・権利侵害の投稿のスクリーンショット（URL込みのもの）

X Corp.は基本的に提供命令に対応しないため、裁判所HPにある【記載例②】をベースに開示を行う。
そのため、必要実費は下記となる。
・収入印紙１０００円
・レターパックライト１通
・開示が決定した後の切手代
・書類印刷代・郵送代

記載内容

発信者情報開示命令申立書の「当事者目録」には、X Corp.の登記簿謄本に記載されているアメリカ合衆国の住所を記載するのと同時に、「日本における代表者」の記載が必須である。

発信者情報開示命令申立書の「発信者情報目録」には、各投稿に紐づいたIPアドレスの開示を求めるのと同時に、ログイン通信が行われた年月日及び時刻、Xのアカウントに登録された電話番号とメールアドレスの開示も要求する旨を記載する。

発信者情報開示命令申立書には「投稿記事目録」と「権利侵害の説明」が必要であり、開示を要求する投稿を記載する。

開示を要求する投稿に関し、記載が必要となる項目は下記である。
・閲覧用URL
・ユーザーID
・投稿時間
・投稿内容

「権利侵害の説明」では、下記項目の記載が必要である。
（１）同定可能性
（２）申立人に対する人格権侵害
（３）違法性阻却事由の存在を窺わせる事情の不存在

記載に関して、下記ページのような形になります。

上記書類を準備し、裁判所に提出。およそひと月後に弁論となる。
弁論では、X Corp.の「日本における代表者」である隼あすか法律事務所が、申立人の権利侵害に対し反論する。
基本的に、X Corp.側が反論することなく開示に至るケースは、ない。

X Corp.側の反論を受け、申立人の反論を聞き、裁判官が開示の決定を下す。

以上が、簡略的ではあるが、発信者情報開示請求命令申立の手続きの流れである。