JAや卸業者が悪いのか

――大阪の堂島取引所で「コメ指数先物」が始まったのがコメ高騰のきっかけでは、という意見もありますが。

 市場取引は、現在、あるいは将来のコメの取引価格がどのくらいなのかを明らかにする機能はあっても、コメを持続的に高騰させる機能は薄いと見るのが妥当でしょう。

――JAやコメ卸がコメの価格を釣りあげようと、コメの買い占め・出し渋りをしたのではないか、という意見がありますが。

 上述したように、コメはそもそも不足していたのが価格高騰の原因、と考えるのが妥当でしょう。出し渋りしているように見えたのは、今年の8月に新米が出るまでに在庫切れする恐れがあったため、供給責任から、在庫切れを起こさないため仕方なく出し渋った、と考えるのが素直でしょう。

――小泉進次郎農水大臣が備蓄米を放出した途端、多くの銘柄米が出てきたのはなぜか? 値上がりするように出し渋っていたからではないかと疑う意見がありますが。

 興味深いことに、ウエルシアなどは米騒動が起きる前、網下米による格安米とブランド米の2種類くらいしか扱いがなかったのに、今は銘柄米を10種類以上陳列しています。

 これは商社が、格安米を販売するための網下米を確保したかったのに十分な量を確保できず、やむを得ず割高な網上米、つまり銘柄米を仕入れざるを得なかったことも影響しているのでしょう。

 また、新米が出るまでにコメを切らす事態を引き起こしてはいけないというプレッシャーが小売店にもあります。小泉大臣が備蓄米を追加放出すると決めるまでは、新米が出る季節までにコメの在庫がゼロになるという話まで出ていました。そうなっては一大事なので、小売りも卸も、コメを出し渋らざるを得なかったのでしょう。

 しかし過剰なまでに備蓄米が出てくることになったので、在庫切れする心配がなくなり、安心して出荷できるようになったため、多くの銘柄米が出荷されることになった、と考えるのが妥当と思われます。