第五話 (2) 「大相撲柴又場所・実況」
柴又帝釈天の霊験あらたか


「本八幡の大黒家でカツ丼。真間川の桜並木。弘法寺のしだれ桜。「野菊の墓」碑。矢切の渡し。柴又帝釈天。柴又八幡神社。」と 聞くと、「文化的」な
香りを思い浮かべる方々も多いことだろう。が、しかし、筆者は ・・・『 荷風亭 寅次郎 』 である。寅次郎とは、「寅さん」 こと 車寅次郎的な人間でもある
ことだ。したがって、常に女性に惚れる率が高いし(その場合は失恋率も異常に高い)。・・・意外にも、惚れられることも多く、遭難率も異常に高いのだ!!

●市川市という町は、荷風大先生もそうらしかったが、荷風亭寅次郎も好きな町である。田舎とはいっても、総武線の北側には、なぜか品格を感じさせる
ところがあった。特に、結構有名らしい女子学園もいくつかあって、朝夕には清楚で、華やかで、明るい雰囲気が感じられたものだ。そのせいか? 暮らし
ていた割りには、飲食をふくめて歩き回るコースも決まっていて、悪さをした記憶もないし、思い出すこともない。当時は、結構、いろいろと勉学に勤しんで
いた時代にも重なる。市川市の図書館にも足を運んだことも思い出すくらいだから、寅にとって唯一の「青白き文学青年、勉学青年」の時代かも知れない。

↑・・・・・とは、言っても、一歩、市外に出てしまうと・・・『世間の荒波』は、純情可憐なる?青年に容赦なく襲い掛かるもの。
       意志薄弱? 清濁併せ呑まされやすき? 寅次郎にとって、 とうてい 抗し切れるものではなかった・・・・・ と 白状せざるを得ない。

 
その2. 『柴又帝釈天』様にまつわる 合(愛)縁奇縁 

 さて、「荷風亭寅次郎」 と名乗るからには、柴又事件?を お話しなければ、読者様の御納得をいただく訳にはいかないだろう。

    「 いろは 」には 四十八文字。 相撲には 四十八手といわれる数多くの決まり技があると聞く。

 突き出し。寄り切り。押し出し。上手投げ。下手投げ。小手投げ。掬い投げ。出し投げ。首投げ。二丁投げ。掛け投げ。櫓投げ。
 内掛け。外掛け。切返し。蹴手繰り。渡込み。二枚蹴り。足取り。居反り。突き落し。巻き落し。とったり。肩透かし。外無双。
 上手捻り。下手捻り。鯖折り。網打ち。引き落し。叩き込み。吊り出し。送り出し。一本背負い。五輪砕き。仏壇返し。寄せ掛け。
 立ち掛かり。・・・・・・・・ おっと・・・・・ 最後の2つは、相撲の決まり技では無い。 !!!!!!!!
『寄せ掛けとは、向き合って立ったまま技を掛ける。ものであり、立ち掛りは寄せ掛けと同じだが、片足を上げる』技であるという。
「柴又の帝釈天様」と荷風亭寅次郎とのご縁は古く、昭和33年からの因縁である。炎天下に喉の渇きを癒そうと立ち寄ったのが最初だ。自転車配達では
神社仏閣や公園は重要な基地でありオアシスとなる。無料で水分補給ができるし、時にはトイレのお世話になる場合もある。繁華な街中で、俄かに便意
に襲われた際の苦しみは辛いものだ。街中をあちこち彷徨い歩き、ついに、「伊藤左千夫ってしまった(野○)」経験も数多い。そんなわけで、信心するしな
いにかかわらず、有難~いポイントであった。 暑い頃、縁日の日に人だかりがしていて、覗いて見ると 「目隠しをしたままで、助手が指名した人の占いをし
ている人がいた」。豊島区から来ている女性の占い師だったが、これが随分と当たるらしいのだ!。『特別無料サービス』 ということを確かめて、俺も手をあ
げたのだが・・・・・干支から人相風体、仕事から悩みの果てまで、見事に当てられてしまった。! ・・・・(この占い師さまには、その後の人生の岐路などの
際に幾度かご判断を仰いだことがある)。 帝釈天様の境内での その日は、「私の将来は、大酒飲みでスケベな人間になってしまいそうな心配」を、抱いて
いることを打ち明けたのだが・・・師いわく・・『男はスケベでなくては役には立たない。スケベ根性を喜んで育てなさい。また、将来は大酒呑みの会社に縁
がある』との判断結果であった!!!・・・・・ つまり、俺の場合は、帝釈天様の境内において、帝釈天様を後見人にして、将来にわたって、「スケベと大酒
呑み」の公認をされた
って寸法なのだ!!!!   後日談になるのだが・・・・「俺は数年後、・・・大酒呑み揃いの会社にスカウトされた」 のだ!!!!。

これも余談になるのだが、今の俺の女房の義理の姉にあたる人が、「柴又駅」 の まん前の家に住んで居たんだそうだ! とかく 世の中ってやつは面白い因縁があるものだ!

●じつは、「 大相撲・柴又・臨時場所 」 のお話は、大酒呑み揃いの会社に移ってからの事件になる。   



◆春は桜のマッ盛り。 柴又の有名料理店を会場に、「花見の宴」が催おされた日のことである。
業種柄もあって宴客には江戸っ子気質の職人さんも多いし、それぞれが一家言持った連中だ。主催者側は大酒呑み会社だから、酒量に制限などあろう筈
もない。当然、仲居さんも入るし、宴たけなわとなれば、テンヤワンヤの大騒ぎとなる。 トイレも入れ替わり立ち代りの放水客で繁盛してしまうから大変だ。
しかし、トイレにも穴場があるのだ。宴席のある棟とは違う場所にあるものは閑古鳥が鳴いている場合もある。 俺はワイワイと五月蝿い連中との連れション
を嫌って閑古鳥へ行った。放水式くらいは喧騒を逃れて悠然とすべきである。睨んでいたとおり誰もいない!。さて、溜め込んでいたために大型化している
ノズルを引き出しながら、持ち前のイタズラ心が湧き上がり2、3歩後退した。ここは、一面タイル貼りで仕切りだけがある様式だから、「出初式」みたいに放
水が可能である。実際に放水を始めても、まだ飛沫が心配なほど勢いが強かった。角度調節しながら、また、2、3歩下がるが、見事な放水である。・・・・・
●その時! ガタンと音がして・・・奥まった所にあった扉が開き・・・女性が姿を現したのである・・・・・・ (そう言えば、トイレの標板には男性用とは書いて
なかった!!)・・・・・・ いまさら 出初式を中止することもできない。しかも、俺の後ろを通り抜けるスペースもない。!。 とりあえず、俺は 『スミマセンネ。
わが愚息が親不孝者で、なかなか言う事聴かないもんで・・・』 と続けた。 彼女は、「ウフフッ」と一言・・・・その後は、顔を背けるわけでもなく、放水式を眺
めているらしい視線を感じた。 花見の宴はまっ盛り、ビールをしこたま飲んでギリギリまで溜め込んでいたもんだから、放水式はなかなか治まりそうもない。
すでに成長路線を歩みかけていた「初代・寅さん」ともなれば、たちまちピンチをチャンスに変えてしまう話術だって心得ている。 ワザと、愚息を上下左右に
振って放水コースを乱れさせながら、「オイ、このバカ息子め! イイ女に見られたもんで、元気だしゃあがったな!」。「ちょいと、御姐さん。抑え付けて下さ
いよ!」と言ったもんだ。・・・・御姐さんだって、お酒を召している御様子だ・・・ わが愚息を嗜めよう?との思いか??、愚息にそっと手を添えてくる・・・・・

http://www.ne.jp/asahi/music/myuu/piano/piano.htm  「貴婦人の乗馬


第一話  江戸っ子・即席教育塾の 大教授! へ
第二話 楽し 恥ずかし 江戸の銭湯 裸談義 へ
第三話 神田は 学問、教養の宝庫でもあった へ
第四話 昭和中期 江戸っ子雑学・風俗研究所
第五話  『荷風亭 寅次郎』 の 誕生の経緯  へ
第五話その1. 『三十後家店主』の仕掛けた罠  へ
第六話  新宿 ションベン横丁で 学んだ日々 へ
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