蝉の声が聞こえると憂鬱になる

夏の初めって、どうしてか分からないけど鬱々とした気分になるんだよね。
朝。授業が始まる前の時間。久々に晴れた空がよく見える教室で唐突にそう話し始めた友人が吐いたのがタイトルにした台詞で、あまりに小説の書き出しみたいだったので、ポエム書いてみよーと思った次第です。

この話を家でした所、近くに居た妹に「セミの声が聞こえたら嬉しくならない?夏だー!!って気持ちになるじゃん!!」と言われた。私らと君は一生分かり合えないんだろうなぁとニコニコした。元気はいい事だと思います。えぇ。
ちなみに私の妹は、 髪の毛はベリーショート、肌は冬でも日焼けで真っ黒な、陽の下を堂々と生きる少女である。 学校の陸上部に所属しながら地元のクラブチームでサッカーをしている。日焼け止めは汗ですぐに落ちてしまうんだそう。
なのに私の影響で最近の楽しみは文豪とアルケミスト。といっても、私が勧めた訳ではなく、ただアニメを録画しておいたら彼女が勝手に再生して彼女が勝手にハマったのだ。しかも私が再生する前に。学校の友達にバレたら虐められちゃう💢💢などとほざいていた。可哀想に。


今年、まだ蝉の声を聞いていないことに気づいたのは数日前のこと。きっかけはとある推しの『今年初めて蝉の声を聞いた』という旨のツイートだった。
自分もそのツイートを見た次の日には、通学路にある桜並木を自転車でかっ飛ばしていたところ蝉の声を耳にした。少し驚いた後にもう7月も下旬だしなと1人納得した。

友人の憂鬱を連れてくるのが何故蝉の声なのかは分からないけれど。
私の場合、蝉の声に憂鬱の気配を感じるのは、やはり蝉の声がひとつ大きな夏のアイコンだからなのかなと思う。


私は元々、夏に向いていない。

野外プールに行けば塩素と日焼けで肌がボロボロに剥けて、挙句高熱を出した。
ディズニーに行けば熱中症になり、途中からはただ友達の後を付いて回り、外で待ってるだけの人になった。
夏祭りに行けば、人の多さと煩さに精神力が途中で尽き果ててしまい、通りの端まで行けずに帰ってきた。

そもそも、日焼けも人混みも寒暖差も苦手な私にとって、夏は頭痛回避と自律神経の安寧を保つだけで精一杯なのである。ただ、幼い頃は私も母も友達も、そんなことは知らないので、よく出かけてはヘロヘロになってもう二度と行くもんかと思いながら帰ってきたものだった。
結果、私の夏の思い出は、頭痛と吐き気と倦怠感の記憶ばかりになってしまった。

最近は最低限しか外に出かけなくなったし、オタクになれば夏はイベントも多くなる。私だってせっせと六本木や水道橋に通った時期もあったが、チケットがあるライブはまだいいものの、リリイベは大体CDのために並んでいる2時間弱の間に熱中症になる。未だに。ドーム前のセブンはいつだってキンキンに冷えたポカリを沢山売っていて好きです。重宝させていただいております。


私の夏に付き纏うのは、恐らく「疎外感」なのだと思う。

友達と同じように楽しめないことへの、周りが良しとしたものをいいと思えないことへの、世間の浮かれた雰囲気に上手く乗り切れないことへの、疎外感。

冷静に考えれば、夏だから特別ということではないし、今に始まったことでもないのかもしれない。けれど、夏はそれが色濃く出る気がするのだ。私は日陰で生きることしか出来ない人間なのだと、突きつけられる気がする。
別にそれを知らなかった訳ではないし、目を逸らしていた訳でもない。
ただ、自分だって世間と同じように夏を楽しめるとどこかで信じていたのに、いつだって私の足は途中で動かなくなってしまって、そんな私を嘲笑うように、太陽と蝉の声だけは私にも平等に降り注ぐ。だから、嫌い。
こういうのなんて言うんだっけ。学習性無力感?みたいなやつだろうか。


少し話は逸れるけれど、私は夏になってもあまり半袖を好まない。今年はまだ1度も半袖を着ていないし、学校内は寒いこともあって学校の制服は一年中長袖を着ている。ちなみに今年はまだセーターも着ている。

肌が弱いから焼けたくないという現実的な理由もあるが、単純に肌を見せるのがあまり好きではない。いつからかは分からない。でも最近になってからな気がする。中学生の頃は日焼け止めを塗ってでも膝より上のスカートを平気で履く女の子だった筈だから。

何となく、布を沢山纏っている方が落ち着く。1枚でも多ければ多い程尚良し。7月28日現在も部屋着は春仕様のものから変えていないし、就寝時も長袖長ズボンのパジャマに薄い毛布を被って寝ている。
本当はパーカーを着ているのが1番安心するのだけれど、残念ながらそんなことを言っていられる季節ではなくなってしまった。お気に入りはユニクロの裏起毛のパーカー。あれくらいモコモコしているものを纏えると大変良い。

自分のこの感覚をうまく言葉で説明ができず、ただ肌が弱いから肌を見せるのは〜などと適当に濁していたのだが、先日とあるラジオで「肌を見せると防御力が下がる気がするから嫌」という旨の話をしているのを聞いた。なるほど、私は防御力が下がるから嫌だったのかと妙に納得させられた。自分が言葉に出来なかった感覚に名前をつけてもらった気分だった。
平たく言えば、肌を見せることが、身を守れなくなることが嫌なんだと思う。不安だから。布が少ないだけで不安になるってなんだ。

元々寒がりだから、とかそういう理由もあるのだろうけど。実際大変寒がりだし、自律神経が激弱なので寒いところが無理。足先なんぞ冷えようものなら、何よりも先に精神が死ぬ。精神が死ぬと体にガタがくるのは時間の問題なんですね。本日も帰宅したところ37.8℃の微熱がありますが、確実に空調が効きすぎている教室のせいだと思う。我が校自慢の空気循環システムでしたっけ。凍え死ぬわ。


ここまでなぜ夏が嫌いなのかをつらつらと書いてきたが、結局のところ私もオタクなので『夏』という概念自体を嫌っている訳では無い。
夏であると言うだけで無条件にノスタルジックな感じがしてしまうのは事実であり、また使い古されたものであるはずなのに、コンクリートの上をゆれる陽炎や、むせ返るような夏の匂い、なんて表現も嫌いではない。

ただ、その風景を想像するとやはりどこかから聞こえてくるのが蝉の鳴き声で、その鳴き声と一緒に思い出されるのは頭痛と疎外感なので少し嫌な気分になると共に、やはり私は夏に向いてない人間なのだと思う。
そもそも日陰が少なくなる夏が生きていきやすい訳が無いのだ。なんで今まで気づかなかったんだろう。


夏と何度も書いたけれど実際の天気は曇り空ばかりで、夏の気配はなりを潜めているような気がする。どんよりと暗い空と、じめじめとした空気。
そして、私の体調を狂わせる忌々しき低気圧。

7月ももう終わりなのにまだあと1週間は梅雨明けしないなんて言われているらしい。梅雨っていつだっけ。幼稚園の頃使っていた連絡帳に紫陽花とカエルの絵が書いてあるのは6月だったような気がするが、それもいつか変わってしまうのだろうか。

それでももう蝉の声が聞こえ始めているのだから、生き物は逞しいなぁと思う。きっと蝉も出てきたら寒くて驚いてるだろうな。

こんなに曇天が続くと太陽が恋しくなってしまう自分も居ない訳では無いから、つくづく都合のいい話だなと思う。太陽しか出てこなくなったらまたそれはそれで怒り始めるのに。
そういえば、まだ梅雨の筈なのにもう夕立の概念が発生し始めているのは気の所為だろうか。今年は常に気圧が低いから、例年のようになんだか頭が痛いからきっとこれから雨が降るよ!!が出来なくて残念です。


今年の夏はどんな夏になるのかな。受験の夏でしたね。勉強します。


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蝉の声が聞こえると憂鬱になる|momo
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