中学生で妊娠「“逃げます”の一言で連絡先をブロックされて…」養育費なし。月収約15万円で息子を育てるシングルマザーの苦悩
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SNSで「自業自得」と言われて
ーー現状の支援制度で、変わってほしいと思うことはありますか。 横井:児童手当も母子手当もいただける分にはありがたいですが、現状の支援額では生活ができないというのが正直なところ。制度によっては両親が揃った一般家庭の収入を基準に支援額が決められていることもあるので、各家庭の状況が考慮されるといいなと思います。 養育費の不払い自体は刑事罰の対象にはならず、男性側が逃げやすい現状も変わってほしいですね。自分に限らず、10代で妊娠してしまうケースは他にもあります。SNSでは「勝手に産む判断しちゃった方の責任」「避妊具つけない無責任な事したから自業自得」といった辛辣な意見を目にすることもありますが、子どもを産んだことに最も責任を感じているのは当事者の側です。その他のご意見については「こんな見方もあるのか」と適度に受け止めさせてもらっています。 特に養育費に関して、横井さんに限らず、女性側が泣き寝入りをしてしまうケースは多い。厚生労働省が発表する「全国ひとり親世帯等調査結果」(令和3年度版)によれば、母子家庭の場合、養育費に関して「取り決めをしている」と回答したのは46.7%、かつ現在も養育費を受給していると回答したのは28.1%と3割未満だった。 ‘24年には民法が改正され、離婚時に同意がなくても養育費を一定の期間請求できる法定養育費制度が導入されるなど、状況には改善の兆しも見え始めている。ただし、養育費が受け取れるようになったとしても、それはあくまで生活費の一部。各家庭の経済状況に合わせて、トータルな支援制度の充実が必要だ。 <取材・文/松岡瑛理> 【松岡瑛理】 一橋大学大学院社会学研究科修了後、『サンデー毎日』『週刊朝日』などの記者を経て、24年6月より『SPA!』編集部で編集・ライター。 Xアカウント: @osomatu_san
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