自民リードの1人区は12→4に 終盤にかけ一層苦戦 朝日情勢調査

磯田和昭

 朝日新聞社が7月13、14の両日に実施した参院選終盤情勢調査では、全体の勝敗を左右する1人区で野党系候補がリードする選挙区は、序盤の9選挙区から10選挙区に増えた。鹿児島、沖縄などで自民候補との競り合いから抜け出す勢いだ。

 序盤に12選挙区あった自民リードの選挙区は、4選挙区に減った。自民がリードしていた石川、佐賀などで野党系に追い上げられ、互角の激しい戦いとなっている。32ある1人区全体でみて、終盤にかけ自民の苦戦ぶりが強まった。

 鹿児島では、立憲推薦の無所属新顔、尾辻朋実氏が、自民前職の園田修光氏との接戦から抜け出し、優位に立つ。

 序盤に優位に戦いを進めていた自民候補が野党系に追い上げられて、しのぎを削る選挙区も目立つ。

 2010年の参院選以降、自民が当選を重ねてきた石川。自民現職の宮本周司氏が、引き離していた国民新顔の浜辺健太氏から猛追され、激しく競り合っている。参院予算委員長だった自民の鶴保庸介議員が、能登地震をめぐる発言で批判を招いたことが影響した可能性もある。

 自民の不振には、「日本人ファースト」を掲げ、選挙区すべてに候補を立てた参政党が保守層から一定の支持を得ている影響があるとみられる。

 群馬では序盤、自民現職の清水真人氏が参政新顔の青木ひとみ、立憲新顔の河村正剛両氏にやや先行していたが、終盤には清水、青木、河村3氏の混戦となっている。

 保守分裂となった和歌山では序盤に、無所属新顔の望月良男氏と自民新顔の二階伸康氏が接戦だったが、望月氏が一歩抜け出しつつある。

写真・図版
参院選・1人区の情勢

朝日新聞の情勢調査

 選挙区は、ネット調査データから当落を予測しています。並行実施した電話調査データをもとに、ネット調査データを補正したうえで、過去の参院選で実施したネット調査と選挙結果から作成した当落の予測モデルに当てはめています。主に、支持模様の強弱や、候補者の属性などを踏まえて、各候補の強さを見極め、当選確率を算出しています。

 比例区は、電話調査データから予測しています。過去の参院選データから予測式を作り、調査支持率から得票率を推計。誤差幅を見込んでドント式のシミュレーションを行い、獲得議席を求めています。

 選挙区、比例区とも本社取材網による情報も加え、総合的に分析しています。

 情勢調査は、選挙情勢を知りたいという関心にこたえるため、また、有権者が投票を考える際の材料のひとつとして、報じています。過去に実施した調査のデータと選挙結果の関係について統計学に基づいて作成した予測式を準備し、今回得られた調査データをあてはめて分析しています。取材での情報も加味して推計します。報道の際には、予断を与えたり選挙の公正を害したりしないために、断定的な表現にならないよう配慮しています。

     ◇

 電話調査の方法 コンピューターで無作為に電話番号を作成し、固定電話と携帯電話に調査員が電話をかけるRDD方式で、7月13、14の両日に全国の有権者を対象に調査した。固定は有権者がいると判明した1万847世帯から6108人(回答率56%)、携帯は有権者につながった1万5265件のうち6080人(同40%)、計1万2188人の有効回答を得た。

 インターネット調査の方法 7月13、14の両日、インターネット調査会社4社に委託して実施した。各社の登録モニターのうち、全国47都道府県の有権者を対象に調査した。全国で計8万481件の有効回答を得た。

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