今回は、サントリーのプレミアムクラスのウイスキーの相場をチェックしていきます。
理由としては、
3~5.に関していえば、コスト高と需要過多によって、幾度かの価格上昇が実際に起きました。
山崎のノンエイジは、10年前が4000円に対して現在は7,000円、山崎12年は、10年前の定価が8,500円だったのに対し、現在は15,000円まで上昇しています。
そのような中、実売価格についてみると、1年前は山崎のノンエイジで17,000~20,000円、山崎12年が30,000~34,000円でしたが、現在はノンエイジが11,000~14,000円、山崎12年が21,000~25,000円まで下がってきました。
山崎18年になると、1年前は135,000~145,000円というとんでもない値段がついていましたが、今年になると93,000~110,000円、時折定価レベルの61,500円の特価で売られる状況まで出てきています。
白州においても、1年前はノンエイジが14,000~16,000円だったのが現在は10,000~12,000円、白州12年では1年前が50,000円だったのが現在は22,000円です。
まず考えられる理由としては、日本での購入が盛んだった中国での景気悪化です。
中国国内で起きていた不動産バブルの崩壊を発端に、20年近く続いた高度経済成長の終わりが露呈していき、特に都市部での景気悪化が顕著になったようです。
上記に書いたような転売目的での大量購入が減ったことで、需要過多の状況が収まって実売価格でのプレミアムかが落ち着きつつあると言えるでしょう。
もう一つは原酒不足が解消されつつあることです。
サントリーは2009年の角ハイボールブームによって原酒不足が発生したこともあり、そのときから増産に舵を切ったことで、12年以上の長期熟成の原酒も確保できるようになった事も挙げられるでしょう。
この2つの要因が更に続くことになれば、店頭でのプレミアムかも更に抑えられ、場合によっては供給不足によって上げられた定価も値下げに踏み切ることも考えられるでしょう。
山崎より白州の方が高騰したのは、中国での白州の人気が顕著だったのが大きいです。
10年前だと、先に海外で評価が高かった山崎の方がプレミアがついていて、白州の人気はイマイチでした。
前回ネタとして書いたのが4年前でしたが、そのときの値段とほぼ同じくらいとなっていました。
折角なので改めて飲んでみます。
グラスからは、ブドウ、白檀、りんごの香りが広がります。
液色は濃厚な琥珀色です。
味わいは、アルコールからの辛みは多少あるものの、むしろ胡椒のようなスパイシーさがあり、後から酸味と甘味が加わります。
奥からは燻製のようなスモーキーさも感じ取れます。
味わいは、ほろ苦さを多少伴いつつも、酸味が先行し、甘さ、さらにはスパイシーさも後から広がります。
味わいは、苦みが少々目立ちますが、酸味が全体的に広がります。
実売で23,000円というのは、かつては1万円を切って買えていたことを考えると割高感が否めません。
しかし、普段はせいぜい3000円台のウイスキーばかりを飲んでいる人にとっては、ワンショットでも2,3千円の山崎12年を飲むだけでもウイスキーの概念を大きく変えてくれることは間違いないと思います。
今後、特に中国での爆買い需要が減っていくことになれば、もっと手軽に買える値段まで下がる可能性も十分あるでしょう。
価格高騰は落ち着いてきた?
サントリーに限らず、大手メーカーのシングルモルトやプレミアムクラスのブレンデッドウイスキーがここ10年で高騰しています。理由としては、
- WWAやISCといった世界的なコンテストで高い評価を得たこと
- 国内でのウイスキー人気が高まったこと
- 急激なウイスキー人気の高騰で原酒の供給が間に合わなくなったこと
- 原料となるスコットランド産の大麦麦芽が不作によって減ったこと
- 円安ユーロ高による大麦麦芽が高騰したこと
- 中国人を中心とした投資や転売目的での大量購入が起きたこと
3~5.に関していえば、コスト高と需要過多によって、幾度かの価格上昇が実際に起きました。
山崎のノンエイジは、10年前が4000円に対して現在は7,000円、山崎12年は、10年前の定価が8,500円だったのに対し、現在は15,000円まで上昇しています。
そのような中、実売価格についてみると、1年前は山崎のノンエイジで17,000~20,000円、山崎12年が30,000~34,000円でしたが、現在はノンエイジが11,000~14,000円、山崎12年が21,000~25,000円まで下がってきました。
山崎18年になると、1年前は135,000~145,000円というとんでもない値段がついていましたが、今年になると93,000~110,000円、時折定価レベルの61,500円の特価で売られる状況まで出てきています。
白州においても、1年前はノンエイジが14,000~16,000円だったのが現在は10,000~12,000円、白州12年では1年前が50,000円だったのが現在は22,000円です。
まず考えられる理由としては、日本での購入が盛んだった中国での景気悪化です。
中国国内で起きていた不動産バブルの崩壊を発端に、20年近く続いた高度経済成長の終わりが露呈していき、特に都市部での景気悪化が顕著になったようです。
上記に書いたような転売目的での大量購入が減ったことで、需要過多の状況が収まって実売価格でのプレミアムかが落ち着きつつあると言えるでしょう。
もう一つは原酒不足が解消されつつあることです。
サントリーは2009年の角ハイボールブームによって原酒不足が発生したこともあり、そのときから増産に舵を切ったことで、12年以上の長期熟成の原酒も確保できるようになった事も挙げられるでしょう。
この2つの要因が更に続くことになれば、店頭でのプレミアムかも更に抑えられ、場合によっては供給不足によって上げられた定価も値下げに踏み切ることも考えられるでしょう。
山崎より白州の方が高騰したのは、中国での白州の人気が顕著だったのが大きいです。
10年前だと、先に海外で評価が高かった山崎の方がプレミアがついていて、白州の人気はイマイチでした。
改めて山崎12年を飲む
さて、今回のネタの一環で行きつけの酒店を回ってみると、山崎12年が税抜きで23,000円で売られていたので、1本購入しました。前回ネタとして書いたのが4年前でしたが、そのときの値段とほぼ同じくらいとなっていました。
折角なので改めて飲んでみます。
テイスティング
グラスからの香り、液色
液色は濃厚な琥珀色です。
ストレート
先にブランデーを思わせるほどのブドウの香り、その後リンゴ、マンゴー、白檀、カカオの香りが続きます。味わいは、アルコールからの辛みは多少あるものの、むしろ胡椒のようなスパイシーさがあり、後から酸味と甘味が加わります。
ロック
白檀、レーズン、リンゴ、シナモン、マンゴー、ゴム、バナナ、メロンの香りが一斉に押し寄せるイメージです。奥からは燻製のようなスモーキーさも感じ取れます。
味わいは、ほろ苦さを多少伴いつつも、酸味が先行し、甘さ、さらにはスパイシーさも後から広がります。
ハイボール
リンゴ、シナモン、白檀の香りが先に広がり、レーズン、ゴム、バナナ、オレンジの香りが後に続きます。味わいは、苦みが少々目立ちますが、酸味が全体的に広がります。
豊かな香りで満たされる
12年以上の熟成された原酒を使っているだけに、ノンエイジに比べても香りが豊かで、近年のミズナラ樽原酒を使うクラフトウイスキーよりもマイルドだと、改めて実感できます。実売で23,000円というのは、かつては1万円を切って買えていたことを考えると割高感が否めません。
しかし、普段はせいぜい3000円台のウイスキーばかりを飲んでいる人にとっては、ワンショットでも2,3千円の山崎12年を飲むだけでもウイスキーの概念を大きく変えてくれることは間違いないと思います。
今後、特に中国での爆買い需要が減っていくことになれば、もっと手軽に買える値段まで下がる可能性も十分あるでしょう。
<個人的評価>
- 香り A: ブランデーを思わせるほどの濃厚なブドウ。ミズナラ樽からの白檀の香りが主体。
- 味わい B: スパイシー、酸味が主体。奥から甘味も加わる。
- 総評 A: 簡単に手に入れられないが、その価値は値段以上。
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