大手ホテルチェーンの東横インが、Agoda(アゴダ)など海外事業者の宿泊予約サイトについて、「部屋が予約されていない」などの利用者とのトラブルが頻発していることや、「数倍で転売されている」など空室の高額転売の実態を指摘し、サイトを通した宿泊予約について注意喚起を行っている。
東横インは16日に更新したホームページで、同社ホテルの空室枠が、一部業者による転売を経てアゴダに掲載されていることで、さまざまなトラブルを生んでいる実態があると指摘した。
トラブルは、予約情報がホテル側に通知されず部屋が確保されていない▷予約日や部屋のタイプなど間違った宿泊情報がホテル側に通知される▷予約通知に時間差がありホテル側が予約確認できない▷ホテル側の設定した宿泊料金よりも大幅に高い料金で販売されている▷キャンセル不可で販売されている-などだという。
同社広報担当者によると、予約した客が実際にホテルに到着して初めて予約されていないことに気づくケースも少なくないという。転売については、具体的な価格は公表できないとしつつ、「数倍程度の料金がつけられていることもある」としている。
こうした事例は、コロナ禍が終息しインバウンド客が増加しはじめた時期から目立つようになった。昨年7月、アゴダに対し一部の販売停止を要請して一時鎮静化したが、今年2月以降、再び増加。アゴダ側と協議を続けてきたが、根本解決に至らないことから、今回の注意喚起に踏み切ったとしている。
担当者は「利用者に迷惑がかかってしまうことが非常に問題」として、引き続き解決に向けて取り組むとしている。
海外予約サイトでのトラブルを巡っては、大手ホテルチェーンのルートイングループが昨秋以降、各店舗のホームページで、アゴダのほか、Expedia(エクスペディア)、Trip.com(トリップドットコム)の各海外予約サイトも併記して同様の注意喚起を行っている。