第4話 夜にかける

「おい順治。今日の夜バスでネオサイタマにいくぞ」

お父さんは藪から棒にそう言った。

「ええっ!?どうしてそんな」

「あのあとお父さんも色々図書館で調べたんだがさっぱりわかんなかった。そこで考えたんだよ。この国で一番大きな図書館、国会図書館にいこうと」

「すごい!お父さんどこで知ったの?」

「まあ昔のことを思い出してな」

お父さんは昔国家公務員だった。それで仕事でそういう場所にも入ったことがあるとか。

「でも作業所はどうしよう」

「なあに、たまには休んでもいいじゃないか。それにほら、明後日はネオサイタマで『YORU』ちゃんのイベントがあるんだろ?」

「え!どどどどうしてそれを!?」


『YORU』ちゃんは地下アイドルグループ『ニュータイガー』のリーダーだ。誰にも分け隔てなく接しファンサービスも旺盛な彼女にいつの間にか僕は惹かれていった。

「もう宿は2泊取ってある。明日調べ物が終わったら思い切り羽根を伸ばしてこい。…それから、この前はお前を信じず怒鳴って悪かったな。こんなことで許してくれとはいわん、だが…」

お父さんの言葉を遮り僕は応えた

「お父さんありがとう。今までの信用の分だから仕方ないよ。それよりとってもうれしい!」


お父さんは朝から調べ物をしたいとのことで高速バスを選んだ。

島を離れターミナルから夜の街を進む。闇夜に照らされる夜景はまるで僕たちの未来を案内してるようだった。

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