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医療・介護はもう自己犠牲では支えられないー外国人頼みと副業に追いつめられる現場のリアル

副業をしなければ生活できない現実

私の職場でも副業が解禁され、多くの看護師や介護士が副業を始めています。
それは夢や自己実現のためではありません。生活のためです。夜勤をして、身体も心も削って、ようやく生活が成り立つ。そんな日常を送っているのが、現場の私たちです。
それでも世間には「医療職は高給取り」「安定職」という幻想が根強く残っています。

さらに、医療・介護現場は「外国人頼み」に傾いています。
優秀な若い外国人職員たちが、ずっと日本の現場にとどまってくれると、なぜ私たちは信じてしまうのでしょうか。

この記事では、医療・介護の現場で今起きている現実と、制度の限界について掘り下げます。


医療職は本当に高給取りなのか?──夜勤と副業に追われる現実

「医療職=高収入」というイメージは根強いですが、それは現場の実態とはかけ離れています。看護師や介護士の基本給は、決して高くありません。
夜勤手当や残業手当があって初めて、家族を養い、生活を維持できるレベルです。基本給だけでは、結婚や子育て、老後の備えを十分にするのは難しいのが現実です。

副業解禁後、現場では看護・介護のダブルワーク、飲食やコンビニ勤務など副業を始める職員が急増しています。副業は「好きだから」ではなく、「生活費を補うため」にやむなく選んでいる人がほとんどです。
夜勤をこなし、休日や退勤後に副業先へ向かう。そんな働き方で、心身の健康を保てるでしょうか?

夜勤をし、副業をし、身体も心も削る。それでも「高給取り」と呼べるのでしょうか。

さらに、日本の看護職や介護職は世界的に見ても賃金水準が低いのが現実です。OECDのデータによれば、日本の看護師の平均年収はOECD平均を下回っています。

日本の看護師の給与は、アメリカの半分以下、オーストラリアの6割程度と言われています。
医療制度自体に違いがあり、簡単に比較できるものではありませんが、優秀な人材が海外に流れていくのは必然とも言えるでしょう。
参考: Remuneration of nurses | OECD


外国人介護士は救世主じゃない─去っていく未来

当院でも複数の外国人介護士が働いています。彼らは本当に優秀です。
母国語、日本語、そして多くは英語も話せます。若さと成長意欲にあふれ、現場の大きな戦力です。
たぶん、日本以外の国でも問題なく働ける人材。
それでも、なぜ「彼らがずっと介護の現場にとどまる」と思えてしまうのでしょうか。彼らは永住権や定住ビザを手に入れれば、より条件の良い職場や業界に移る力を持っています。

日本人看護師でさえ、より高い賃金と働きやすさを求めてオーストラリアや北米へ流出しているのです。
日本の介護現場は賃金水準、キャリアの見通し、職場環境のどれを取っても、決して「選ばれ続ける場所」ではないのが現実です。

日本人が海外に流れているのに、なぜ外国人が日本に留まると思えるのでしょうか。

このままでは、日本の医療・介護現場は、担い手がいなくなる日が遠くないでしょう。外国人頼みは一時しのぎでしかなく、根本的な改革が求められています。


2025年、そして2040年──崩壊寸前の医療・介護制度

2025年、日本は団塊世代全員が後期高齢者となり、医療・介護の需要が一気に高まります。さらに2040年には、現役世代の大幅減少と75歳以上人口の爆発的増加が予測されています。厚労省の資料によれば、2040年には65歳以上の高齢者が総人口の34%を超える見込みです。

医療費・介護費は膨張を続け、社会保障制度の持続可能性が危ぶまれています。それにもかかわらず、患者・家族の要求はますます高まり、現場の負担は限界に達しています。リスクが顕在化すれば、個人が責任を負わされ、訴訟リスクも高まる。

そんな状況で、誰がこの現場にとどまりたいと思うでしょうか。

奉仕と自己犠牲で成り立つ時代は、もう終わっています。それでもなぜ、私たちは「これまでの制度でやっていける」と信じ続けてしまうのでしょうか。


医療・介護の未来は今ここで変えなければならない

医療・介護はもはや、自己犠牲で支え続けられるものではありません。
外国人職員頼み、副業頼みでは、現場は維持できません。

これからの医療・介護職は、「選ばれる職業」に変わらなければ生き残れないのです。

そのために必要なのは、専門性への正当な評価、賃金・労働環境の抜本的な見直し、そして現場リーダーや管理職が声を上げ、社会に訴えていく勇気です。私たちは、医療・介護の未来を本気で守るために、今こそ立ち上がらなければなりません。

医療・介護を未来の子どもたちに残すために──「自己犠牲で支える幻想」を手放し、現実を直視し、行動する時が来ています。

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