イギリスの移民労働者離れの現実(医療現場から学ぶ)
先日発表された移民労働者のIndefinite Leave to Remain (ILR)のビザ申請が可能になるまでの期間を5年から10年に延ばすといった労働党が掲げた新政策に波紋が広がっているのもイギリス在住者の皆さんはご存知かと思う。
ここで2021年からイギリスで仕事をしている私の個人的な見解とイギリス政治に詳しい私のパートナーからの話を元に少し書いていきたい。(あくまでも私達の個人的な意見にすぎないので、間違っているところは優しく訂正または、見逃してください)
私が渡英した2021年はコロナ明け直後であったこともあり、特にヘルスケア業界は人を必要としていた印象。Brexitにより多数のヨーロピアン看護師や医師がイギリスを去り、その後のコロナにより、医療者の激減(過労や精神的な疲労から)などがあり、とにかく人が不足していた。それは医療業界だけでなくそホスピタリティーや観光業なども一緒だったのであろう。とにかく国外から人が必要だった。イギリス国民にはあまり人気のない仕事は移民で埋める必要があったのだ。私もこの時にイギリスに来たので仕事面ではあまり苦労することなく、老人ホームやその後はNHSでの仕事に就いた。人種別で見ると多いのは、南アジア系、東南アジア系、アフリカ系、中東系となっている印象で、これまでは多かったのであろうヨーロピアンの数はそこまで多くない印象を受けた。
その時から不法移民などを含めた移民問題はあったが今よりはなんとなく騒がれていなかったような気がする。そこから数年が経ち、イギリス国民の移民への見方が変わってくる事件や犯罪が増え?た気がするのか、メディアが大袈裟になって報道しているのか、とにかくアンチ移民が声を上げるようになった。そして政権が変わり、期待の労働党になり(私のパートナー曰くこのStarmer率いる労働党は限りなく保守党に近い位置にあるよう)新政策として、この移民問題をどうにかすると意気込んでいる。なんとなく日本人として理解はできる部分もある。移民が増えたことによる犯罪率の増加、医療の逼迫やイギロス国民でありながらも社会福祉の利益が得られないなど、問題を挙げるとなったらキリがないと思う。
医療現場でも何かが大きく変わってきた。私が看護師資格を得たのは2023年、今の仕事についたのは2024年の初旬。その時はまだ、移民看護師を募集しており、それぞれのNHSがVisaの発行やスポンサーシップを行なっていた。私の時期がギリギリと言っても過言ではなく、私が働き始めてから以降、移民看護師の募集がぴたりと止まった。私の働いているNHStrustではスポンサーの必要な看護師の募集、それらの看護師へのビザの発給を辞め、イギリス人看護師、もしくは、すでにビザのある移民看護師のみの募集となった。※あくまでも私の働いているNHSの現状で他のNHSの募集形態はわかりかねます。
そして今回のILRの延長。よくよくWhite Paper(白書)を読んでもらうと、おそらく看護師や医師、エンジニアなど、移民労働者が極めて必要不可欠の職種には関係のないことのようであった。と未だ願っている。しかし、他の職種で移民労働者として働いている場合はILR申請まで10年かかる可能性が出てくる。これは特に私たちのようにYMSから永住権をとる予定をしていた人たちには大きく影響を与えそうな案件である。また、日本人看護師として英国看護師を目指している人たちのスポンサーシップ、就職、ビザ問題にも関わってきそうな可能性があるため、今回このように書かせていただいた。
私もすべてを知っているわけではないが、イギリスだけでなく全世界でこの移民問題が年々大きくなっているような印象を受ける。イギリスもなんとなくアメリカや他ヨーロッパ諸国の動きに合わせて独自の方法で移民問題を解決させようとしているように思える。しかし、イギリスのこの大きな経済や国を支えるためには特定の人が必要のも事実である。どんな人たちが必要で、どんな人たちの増加を抑える必要があるのかしっかり見極めてほしいところである。


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