Motorcycle Club 8 COMMANDO(MC8C)
見る人が見たら判るだろう。
このほんの1分程の走りの
中にも連携走行がある事を。
直線路。
Z900RSがブレーキランプを
点灯させて、後方からの追
越し車の存在を撮影者に知
らせる。
Zの1台分前のゼファーχは
ミラーで視認済みなので、
センターからやや左に寄っ
て進路を開けて右から追越
しさせる。
追い越した仲間の車両が減
速したので、後方の撮影者
がさらに追越しで続くだろ
うと読んで、ゼファーχは
さらにやや左側に寄るが、
縦列ラインになるようには
後方のZの走行進路は塞が
ない。
撮影者がZとZepを追い越し
たら、後続車たちはすぐに
先ほどとは配置を変えた千
鳥走行に編隊を組み直す。
そして、撮影者は先頭のパ
スファインダーの役目の者
に追いつき、抜かす前に事
前にかなり後ろから既に左
手をフリーにして友に別れ
を告げる準備をし、互いに
別れの合図を送る。全員が
遠方から参集した日帰り共
走りなので、「じゃあまた
ね」の合図だ。
こうした各人の連携した動
きは、一切インカムなどで
現場で走りながら打ち合わ
せているのではない。
各人の走りを各人が見なが
ら、瞬時に即座に各人が反
応しているのである。
それもバラバラちぐはぐな
動きではなく、連携連動し
て。
なお、先行者以外の後方の
4台の運転者は全員がサバ
ゲーマーでもある。
それも十分あるだろうが、
乗り走りの走行時間が半端
ないので、こうした連携ス
キルが身についていて、即
応で淀みないフォーメーシ
ョンが即座に取れる。
まるでバスケットやサッカ
ーのディフェンスやオフェ
ンス、エアソフトフィール
ドバトルゲームのフォーメ
ーションアタックのように。
こうした仲間と走るのはと
てつもなく楽しい。
リーダーからの指示が無く
とも潤滑な編隊走行が可能
となる。
これらは個人の走り人とし
ての資質如何にも大きく依
拠するものだが、単独走の
みで経験を積むのではない、
「共走り」を多く、長年積
んだ経験値に負うところが
非常に大きい。
モーターサイクルの楽しみ
にはいろいろな楽しみ方が
あるが、走行上信頼が置け
る二輪乗りとの共走りは、
それは他の乗り物では経験
のできない大きな楽しみが
ある。
二輪は単独行も面白いが、
走りの上で気心知れた気の
置けない仲間と共に走るの
がこの上なく面白い。
これは、例え二人きりだろ
うと複数台だろうと、実際
に仲間たちと共に走ってみ
て実体験すればよく解るだ
ろう。
走り仲間との走行は、若年
層の単なる仲良しベタベタ
サークルでも年寄りのおた
っしゃ同士の寄り合いでも
なく、命を第一とする共同
行動なので、相互の信頼と
敬意を第一に置かないと、
ぎくしゃくしてうまく走れ
ない。
これもまた、経験を通じて
体験する事もあるだろう。
二輪走行技量そのものより
も、適切に無言のうちに連
携行動が取れるような内実
の「走り」。
それこそが二輪集団走行の
スキルであり、いわんや他
者を慮り、調和する二輪乗
りとしてのスキルの良否に
なる。
ただ、それは、自分一人だ
けで常に走っているだけで
はつかみ取る事ができない
世界だ。
だが、その世界は、扉を開
けばそこに広がっている。
技量そのものよりも、心の
繋がり、心のやりとり、互
いの敬意と気遣いを走りの
中で実際に形のあるものと
して表現する事。
それが「共走り」だ。
共走りは、走り人の魂を繋
ぎ、走り人の心の在りかを
紡いで行く。
« Touring Two Lives | トップ |