アニメ「アポカリプスホテル」 CygamesPictures代表・竹中信広、脚本家・村越繁ロングインタビュー ヤチヨの暴力にもロジックがある
オリジナルTVアニメ「アポカリプスホテル」が6月24日深夜放送の第12話で最終回を迎えた。「勇気爆発バーンブレイバーン」に続くCygamesPicturesのオリジナルTVアニメとなる本作。最終話の放送直前に実施した、CygamesPictures代表の竹中信広さん、脚本家の村越繁さんへのインタビューをお届けしよう。 【動画】「アポカリプスホテル」PVを見る ※本インタビューは第10話までのネタバレを含みます。
●ジャンルの切り替わりは意図せず、あくまで軸に置いていたのは「ホテルもの」
──「アポカリプスホテル」、めちゃくちゃ面白いです! 9歳と8歳の甥っ子と、4歳の姪っ子もすごく楽しく見てるんですよ。 4歳の子は「ポン子かわいい!」と彼女のことが特に気に入っているようで、下の甥っ子はそのポン子が第4話でチェーンソーを構えた時に「やべぇカッコいい!」と興奮気味だったりしました。 竹中信広(以下、竹中) それは良かったです。ただ、第10話は教育上、あまり良くないんじゃないかという大きな懸念がありますが(笑)。 ──第10話放送後、Xで「アポカリプスホテル」の感想を検索すると「倫理観」というワードがたくさん並んでいましたから(笑)。 村越繁(以下、村越) そのことも含めて話題にしていただいいたのはありがたいことだと思います(笑)。 ──その第10話のお話も後ほど伺うとして、各話が本当にバラエティ豊かで面白いです。ヤチヨ役の白砂沙帆さんはXで「王道ホテルアニメ」とおっしゃっているのですが、いち視聴者としては「あれ? 今なんのアニメを観ていたんだっけ?」と思う場面も多々ありました(笑)。特に第4話で「トレマーズ」オマージュのモンスターパニックものが展開されてからは、各話でジャンルが切り替わっていくような印象を抱きました。その点は意識されていたのでしょうか。 村越 映像や演出がとにかく力強い作品ですから、そういう印象を抱かれるのもわかります。ですがシナリオ作成時は、ジャンルを変えていくことを意図していたわけではないんです。それよりも「『ホテルもの』として何が起こるのか」ということを基点として、エピソードの1つ1つを竹中さんと、脚本家の和田崇太郎さんと一緒にお話しさせていただいた形ですね。 ──なるほど、確かに各話ごとに「ホテルあるある」というか、「ホテルの仕事ってこうなんだろうな」と思う部分もありますね。たとえば第1話では「シャンプーハットがない」という「アメニティの不備」をコメディーにしていたりしますし、その後も宇宙人のおもてなしが物語の主軸で、さらにはポン子がホテル従業員として成長していったりと、「ホテルもの」としての「芯」は外していない印象でした。それでも、第6話がバトルアクションになったりもするのですが(笑)。 竹中 でも、その第6話も、あくまで物語の軸は「ハルマゲさんというお客をおもてなしする」物語ですよ。僕らとしては、「王道ホテルアニメ」から、まったくズレているとは思っていません。
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